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少年貴族に転生して、メイドと一緒にクルマ旅。~超快適ギフト「置き配」で旅から旅へのまったりスローライフを満喫します~  作者: 天宮暁


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第45話

 領都ロスベリアへの帰り道。

 サンセレストの麓のセレスローズを見納めし、森の中の街道を「整地」しながら進んでいくと、


「見てください、すごくきれいな湖がありますよ!」


 進行方向を指さしてリーシュカが言った。


 昨日の夜は、サンセレストの宿営地に戻ってテントを張って一泊した。

 さすがにみんな疲れていたから、チンしたワンプレートの冷凍食品だけ食べて、ぐっすりだ。

 もちろん、悪しき竜の封印成功についてはエリーゼから「伝声」で公爵に一報を入れている。


「セレシア湖ですわ。大きくはありませんが、湖水が清澄なことで有名です。湖畔に宿営地があったと思います」


 と、エリーゼが解説してくれる。


「そろそろお昼だし、湖畔でバーベキューにしようか」


「ばーべきゅー、ですかぁ?」


「やってみればわかるよ」


 宿営地はすぐに見つかった。


 クルマを停めて降りると、目の前に湖畔が広がっていた。


 北にあるサンセレストが湖面に反射して、山と湖面とで綺麗な菱形を作っている。


「うわぁ……!」


『ほう、これは気持ちがよい』


 リーシュカとオボロがさっそく湖畔に繰り出している。


『若い者は元気がよいのう』


 と独りごちたのは、結局着いてきているトモエである。

 最終的には居残って悪しき竜の封印を見守っていくつもりらしいが、俺たちが公爵に報告するまではついてきてくれることになったのだ。

 俺としても、これから打ち上げをするのにトモエがいないんじゃ寂しいしな。


 ……っていうか、トモエからするとオボロは若い者扱いなんだな。


 俺はタブレットを取り出して、カートに入れておいたバーベキュー用品を注文する。


 クルルが現れ、額の宝石を光らせて、注文した商品を湖畔に置く。


「クルルも食べてってくれよ」


 そう言いつつ、俺はさっそく準備にかかる。

 といっても、バーベキューコンロを組み立て、炭を置いて着火するだけだ。


「あ、お手伝いします!」


「じゃあ、野菜を切ってくれる?」


 俺ははさみを使って肉を切り、火力の高そうなところに載せていく。

 リーシュカの切った野菜はその周辺の低火力エリアへ。


『今日は随分と野趣溢れる料理ではないか』


 すんすんと鼻を鳴らしながらオボロがコンロのそばにやってくる。


「少々はしたないような気もしますが、とてもおいしそうな匂いがしますね」


 日焼け防止のハットをかぶったエリーゼが、お嬢様らしい感想を漏らす。


「そろそろいいかな?」


 俺とリーシュカで、トングを使って焼けた食材を配っていく。

 自由に焼いて食えばいいと思うんだが、最初だけは合わせたいんだよな。


 俺は冷蔵庫から、冷やしておいたノンアルコールのシャンパンと、人数分のグラスを持ってくる。

 リーシュカが俺に代わって注ごうとするが、それを断って、俺がみんなの分を注いでいく。

 ちょっと飲みにくいかもしれないが、オボロとトモエもシャンパンだ。クルルの前にもシャンパンを注いだ小鉢を置いてやる。


「みんな無事でよかったよ。悪しき竜の再封印成功に――乾杯!」


「「『『乾杯!』』」」







 バーベーキューは大好評だった。


 リーシュカはもりもりとなんでも食べる。


 エリーゼは自然の中での食事を新鮮がっていた。


 オボロは肉ばかり食べてリーシュカに怒られていた。


 トモエは猫舌らしく、はふはふ言いながら魚介類を重点的に食べていた。


 クルルには焼きマシュマロをあげたら嬉しそうにかじりついていた。


 俺は分厚いステーキをじっくり焼き上げて一枚まるまる平らげた。


 食後、リーシュカがクルマを洗いたいと言い出した。


 たしかに、ハイルークは泥や埃をかぶってる。

 毎日午前零時に状態がリセットされるが、車体は直っても泥や埃まで落ちるわけじゃない。


 「置き配」で車用の洗剤を買って、俺とリーシュカの二人でブラシを使って洗車した。

 泡や汚れを洗い流すのはリーシュカの水魔法だ。


「これ、気持ちいいですね!」


 と、「噴射」で車体を洗いながらはしゃぐリーシュカ。


 それを見ていたオボロもうずうずしだし、リーシュカの魔法でシャワーをすることに。


『ふうう! 毛並みの奥まで洗われてすがすがしい!』


 調子に乗ったオボロがぶるぶるっと全身を震わせて水気を払う。 


 運悪く、その先にはリーシュカとエリーゼが。


「「きゃあああっ!」」


『す、すまん』


 びしょ濡れになってしまったリーシュカとエリーゼに睨まれるオボロ。


 俺は服が透けてしまっているリーシュカとエリーゼから目を逸らす。


『まこと、賑やかな連中じゃのう。(わらべ)のおぬしがいちばん落ち着いておるわ』


「はは……そうだね」


 オボロはさておき、リーシュカとエリーゼは、前世の年齢まで加えれば歳下だ。


 なんか、日曜に家族を湖畔のキャンプに連れてきたパパみたいな気分だな……。

 前世で子どもがいたことはないのだが。


 オボロにせがまれ、卓球台を出して卓球大会をやったり、おやつにコンロでとうもろこしを焼いたりするうちに、空はいつしか茜色に染まっていた。

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