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失敗作Ⅱ  作者: 一鸞一
第二章〜ユメール王国のラウム
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第二十七話 一番の鬼門


「......僕が石になった後、助けてくれたのは君だよね?

それ、どうやって助けたの?


石化した僕を治せるのなんて本人か能力眼に詳しい専門家くらいしかいないけど、もしかして彼、あの剣士を倒した?」


あの剣士......石の剣王のことか。


たしかにワシは剣王を倒してはいるが......まさかここまで的確に言い当てられるとは、まるで心のうちを見透かされているようじゃ。


「末恐ろしい男じゃ。

そこまで分かるなら、もはや見たも同然じゃろう?」


「君は隠し事が不得手みたいだね。

おかげで察しがついた。


ある意味正直者とも言えるけど.......石の剣王は、強かったかい?」


「まあそれなりにのう。

ワシが本気を出さなければ倒せんほどには強かったぞ?」


「ということは余力があったのかな?

ま、詮索はこれくらいにして、ユメールの話をしようか」


ルマは話を切り上げて、例の計画に関する話を始める。


ワシはルマの頭脳明晰さに好印象を抱き、彼の言葉に耳を傾けた。


「ユメール王国はすでに太陽軍の手中にある。

いわば半植民地状態だ。


食糧や資源も押収され、おそらくだが国の治安も荒れていると推測できる。


だからこそ、今が潜入にはもってこいのタイミングと言える」


「なるほど、反乱に乗じて潜入するのじゃな?」


「違う。

太陽兵の目を上手く誤魔化すんだ。


これは太陽兵の性質を知ってれば、自ずと導き出せる解答だ」


ワシはむぅとむくれ、ぷいとそっぽを向く。

ルマはそんなワシを見てふっと噴き出るように笑みを溢した。


「えっとね、僕の元仲間が太陽兵を解析したんだけど、太陽兵についてとある一つの結論に辿り着いていてね。


君とはその情報を共有したい」


「共有?

一体何をじゃ?」


「太陽兵が実は『作り物だ』という事実だよ」


「太陽兵が、作り物じゃと!?」


「そう。

太陽兵は太陽軍の技術を元に作られた量産型の人造人間。

ゆえに、量産型ならではの欠点がある」


太陽兵の欠点......たしかに言われてみれば、太陽兵の攻撃には決まったパターンのようなものがあったが、まさかそれは人造人間ゆえのものだったってことか?


だとしたら驚きだ。

太陽兵は一見ただの人間にしか見えない。

ワシはひどく唖然とし、ルマを見つめていた。


「あれが、作り物じゃと.......!?

見た目は、完全に人間ほんものではないか......!」


「本物も何も、正真正銘の生物だからね。

人造人間と一言に言っても、必ずしもメカメカしてるわけじゃない。


そして、その人造人間の弱点たりうる性質は、そっくりそのまま僕らの潜入に有利に働く......!

それが僕の考える計画、そして追い風だ.......!」


ルマはその後、太陽兵の弱点とやらをワシに伝える。

そしてワシらは、いよいよユメール王国の境界線、その先の第一関所に辿り着く。


しかし......。


「やっぱり、関所は危ないか。

人の出入りの多いところは基本的に見張り役がいる。


それに万が一の時に門を閉じる門の管理役と、近くには兵の待機所まである始末とは。

まずいな。


ここが一番肝心だってのに......よりにもよって一番の鬼門がここか......!」


「なんだか心配になるのう。

お前さん、やはりここは無理して入国しない方が良いのではないか?


流石にこの数は馬鹿にはならんしのう......」


ワシは関所周辺にいる太陽兵の数を数えてみる。

ざっと見るだけでも二十人はくだらない。


「最悪脳死で行くかのう?

太陽兵クラスなら、ワシでもなんとかなると思うのじゃが......」


「ば、馬鹿を言うな!!!

相手は仮にも太陽軍......幹部級と戦うのを想定して体力は温存するべきだ。


無駄な浪費は命取りになる......!」


「しかし、リスクを取らねば進めぬのに変わりはなかろう?

こんなところでモタモタするくらいなら、いっそ決断を下したらどうじゃ?


そっちの方が方針がはっきりするぞ?」


ワシはルマに選択肢を投げかける。

ルマは一通り思考を巡らせ、頭を悩ませ、そして答えを捻出した。


「.....待機だ。

日が暮れる直前まで、待機......!

それで無理ならユメールを大きく迂回する......!


あくまでも立ち回りは慎重だ。

まだリスクを負うべき時じゃない......!」


「なるほど、お前さんがそう言うのなら構わんよ。

選択は任せる。

その代わり、迷うようならワシが道を切り開く。


それでよいな?」


ワシらは決断し、関所の門番に見つからぬよう遠目で機を待つ。

そんな時だった。


ワシらの前に一条の光が垂れてきたのは。


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