第二十六話 ルマの推理
ルマの話によると、悪魔というのは本来人狩りの専門家なのだという。
だが、それらの事実が歴史に残ることを避けたかった霊陽神らは、偽りの噂を広めようと人の世界にでっち上げの情報を流そうとしていた。
そしてそれを阻む立場にいたのが、なんとルマの仲間の一人であった悪魔ドゥートスだったらしい。
ルマはそのドゥートスの『悪魔の危険性を人間界に訴える』という名義のもと、反悪魔活動家としての活動に自ら参加し悪魔の危険性をともに広めていたという。
「へぇ......!
お前さん、活動家じゃったのか?」
「活動家という名称はあまり好きじゃないな。
活動家の大抵多くは自分の利益ばかり考えるロクでなしがほとんどだし、僕がやってるのはあくまでボランティアだ。
あんなのと同じにしないでくれ」
「嫌っておるのう、活動家。
たしかにあやつらはロクでもない連中ばかりじゃ。
いい噂もほとんど聞かんしのう」
「その中でも選りすぐりで嫌いなのが自称活動家、そして自称評論家だ。
アイツらは自分の主観しか用いない癖に、その意見の大半が民衆の総意だと勝手に解釈して主張するクソ野郎だ。
まともに仕事してるヤツなんてほんとに稀なレベルだよ」
「そ、そうじゃな!
話はここまでにしよう!!!
ちょっとお前さん、顔が怖くなっておるぞ?」
「......悪い。
ちょっと大人気なかったな。
この世界の評論家のこととなると、ついね。
溢れ出る殺意が口に出てしまったよ」
こ、怖え......!
ルマ、こやつこんなにブチギレるキャラじゃったのか!?
今度から活動家の話はしないでおこうかのう.......。
「モンズ、とりあえず悪魔騎士たちに追われないところまでまずは逃げよう。
この先、森の西にユメール王国の関所があるはず。
そこを越えてユメールに忍び込むんだ」
「ユメール......!
水の国、ユメールじゃな......!」
ワシらは次なる舞台であるユメール王国の国境へと足を運ぶ。
「モンズ。
僕からの提案なんだが、ここから先は僕が言う計画、『反太陽軍攻略の糸口探し』を手伝ってくれないか?
君が反太陽組織に加入しているだろうことは、身なりからなんとなく推察できる。
それも、おそらくは月霊軍。
違うかい?」
「よく分かったのう。
どうして、ワシが月霊軍のメンバーだと分かったのじゃ?」
「君は『太陽軍と戦える戦士が増えるのは好ましい!』って言ってたよね。
それにみかけによらず戦争の被害者の数を把握してるし、何より君は十九歳。
僕とほとんど年齢が変わらない。
その歳で戦争に詳しい若者なんて軍事関係者くらいだよ」
「たったそれだけ......!?
それだけでワシのことが分かるのか!?
お前さんは天才か!?」
「いやいや、それだけじゃないさ。
君はチカニシ王国で僕を悪魔の森まで運んでくれただろう?
太陽軍に追われてる状況でそんなことができるのって武人連合の精鋭か偶像神、もしくは月霊軍の誰かしかいない。
だけど今回の場合、武人連合の主力級は太陽軍に惨敗してる。
もし助かっていたとしても僕なんかに助け舟を出す余力なんてない。
そうなると偶像神と月霊軍だが、偶像神が人のことを手助けするなんてことは本当に稀だ。
極めて可能性が低い。
そうなると消去法で月霊軍だけど、まさかあの盾狂いが月霊軍に加入してたなんてね。
最初は耳を疑ったよ、悪魔の森で君の異名を聞いた時は」
「お前さんにも名が知れてるとは、照れるのう」
「あの盾狂いが悪魔の森にいるのかって最初は興奮もしたさ。
ある意味運命だったよね、この出会いは。
おかげで僕は命を取り留めた。
君には感謝してもしきれないね」
「感謝なんて大袈裟な。
ワシは自分の信じたことを貫いたまでじゃ。
おかげで悪魔の森ではものの見事に悪魔に騙されておったしのう」




