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ローカル  作者: 不機猫
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研究

 とりあえず、僕は、自分御ミトコンドリアとお母さんのミトコンドリアの違いを遺伝子レベルまで大学の研究所で調べまくった。

結論は、まったく同じだった。

「やっぱり、お母さんのミトコンドリアのタイプが遺伝したのは確かだ。」

「じゃ、何が違うんだ?」

そう思った。

 そうこうしているうちに、新学期が始まり、玲子さんの地元の研究所が稼働し始めた。

僕は、大学の研究所と向こうの研究所を行ったり来たりしていた。

ただ、向こうの研究所にいると海が見えるのがいいのか?体調が良かった。

向こうでも、ミトコンドリアの研究を始めることにした。

異変に気付いたのは、2週間程度データを取り始めたころだった。

何故か、玲子さんの会社の研究所でのミトコンドリアの活動が、1.5倍程度良いという結果が出た。

もしかしたら、ここでぼくの体調がいいのは、環境か何かが影響しているのかも。

『今週末に、東京に戻るから、ちょっと玲子さんに聞いてみるかな?』

 土曜日、東京の祖父母の家に泊まりに行くと、ちょうど玲子さんも来ていた。

「お母さん、ちょっと聞いていい?」

「向こうのおじいちゃんの所と、ここで体調とか変化ない?」

「今、ミトコンドリアの活動量を見てるんだけで、向こうの方がいいんだよね。」

「自分も、向こうの研究所の方が、体調がいいんだよね。」

「あんまり、感じたことは無いけど、そういえば、高校の時は、海に浸かってるだけで元気だったかな?」

「最近は、大丈夫だけどこっちに来た時も、週に1回ぐらいは、サーフィンしに海に入っていたように思う。」

「その方が、元気だったような。」

「そうなんだ。」

「今度、向こうの海水を両方の研究所でかけてみるかな?」

「同じ数値が出れば、海水が影響してるかも?」

 それから、2週間。

僕の立てた仮説が正しかった。

地元の海水が、僕のミトコンドリアを活発にしてくれた。

『東京のおじいちゃん、おばあちゃんには、申し訳ないけど、僕は、こっちの方が有ってるみたい。』

『小学校の時に、こっちに引っ越してきたのは、正解だった。』

『玲子さんも、気付かないうちにそんなことを認識していたら、僕をこっちによこしたのかも。』

『後は、適応力の違いかな?』

『たしかに、こっちに来た時の玲子さんて、化け物的にパワフルだよね。』

そんなことを考えていると、東京の大学に通ってる明日香とは、もう一緒にやっていけないと思った。

仕方なく、僕は明日香に手紙を書くことにした。

いつまでも、こんな関係もお互いのためによくないし。


”大好きな明日香様

 

 大学生活、楽しんでますか?

僕は、今、明日香さんと僕の地元の研究所がメインで、ミトコンドリアの研究をしています。

薬の方も、なんとなくきっかけが見つかりそうです。

どうやら、こっちの海の成分が関係してるみたい。やっぱり、地元が1番。

そして、この土地で明日香さんと会えたことが僕の幸せでした。

僕は、このまま、こちらの研究所と小学校から暮らした祖父母の家での生活を中心に暮らすことにしました。

明日香さんも、大学生活を楽しんで好きな人と幸せになってください。

こちらに帰ってこられたときは、連絡ください。隣に知らない男性が立っていても大丈夫です。

だって、あなたは、僕にとっては女神様だから、見ているだけで幸せです。

                                       海人より”


 僕は、これで何も気にせずに研究に打ち込める。

本当は、こんな手紙を書いたのは他の理由も有ったけど、誰にもばれてないから大丈夫かな?

翌日、僕は、その手紙を近くの郵便ポストへ投函した。

とりあえず、すっきりしたかな。そう思うと、うっすらと涙の滲んだ目で、笑ってしまった。







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