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ローカル  作者: 不機猫
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復活

 翌朝、お姉さんと一緒に来週引っ越してくる部屋の掃除を始めた。

昨日、遅くまで、色々話をしていると、お互いのために、このまま一緒にいるのは良くない。ためしに、距離を置いてみては?となった。

どうせなら、今以上にこじれる前に引っ越しておいで!と、お姉さんに言ってもらえた。

 お姉さんの隣の部屋。玲子さんが、止まりに来るための部屋として開けてあったけど、仕事が忙しくてそれどころではないとのこと。

明日香に、貸してもいいですか?と姉が尋ねたところ、2つ返事でOKが出たとのこと。多分、海人の様子で、薄々何かを気付かれたのかもしれない。

そう思ったけど、お互いのために、やっぱり昨日姉と話した通り、距離を置いた方がいいと思った。

 ベットと机は、すでにあるし、クローゼットもあるから、いつでも来れそう。

後は、拭き掃除をすればいいかな。そう思っていると、お姉さんが入ってきた。

「玲子さん、使ってないから綺麗だけど、逆に何もないけどいい?」

「欲しいものが、有ったら言ってね。車で、スーパーまで行ってあげるから。」

「えー、買ってくれないんだ。」

「甘えていいのは、昨日までよ。」

「わかった。」

「それと、ごみ捨てと共同で使うもの、トイレとか台所とかの掃除は、当番制ね。」

「いいわよ、私がするから。お姉さんと優香さんに迷惑かけるから。」

「だめよ、共同生活は。一人に負担を掛けるとぎくしゃくするから。全部公平にするから。」

「わかった。」

「じゃ、私もバイトする。」

「そうね、何かあてでもあるの?」

「以前、ここにもきた恵さんのバイト先で自分も雇ってもらう。」

「そこの店長から、誘われてる。」

「ああ、あの子ね。」

「じゃ、メイドカフェ?」

「そうなるかな?多分、料理担当とお皿洗い。」

「お金足りないときは、助けてね。」

「わかったわ。」

「ありがとう。お姉さん。」

「今まで、気にしてなかったけどお姉さんて、仕事なにしてるの?」

「今頃聞くかな?そんなこと。」

「サーフショップの店員兼インストラクター、そして賞金稼ぎ。」

「すごい。自分の姉ながら、なにか異次元を感じる。」

「そして、将来は、イケメンサーファーとお店を持つ。」

「期待してる。」

そうこうしていると、あっという間にお昼になった。

二人で、簡単にスパゲッティを作って食べた。そして、後片付けをしてから、近くの駅まで送ってもらった。

 家にたどり着いて、美香さんと夕食の準備をしていると、海人が戻ってきた。

食事の間も、研究所の話で、一人盛り上がっていた。

「明日香も、来ればよかったのに。」って言われたけど、ほほ笑んですしか仕方が無かった。

海人のおばあちゃんから、「明日香さんもお姉さんと棚しく過ごせた?」って、聞いてくれたけど、

「ええ。」と言ったきり、海人は、全然話を聞こうともしてくれなかった。

部屋に戻ってから、海人のドアをノックして、来週、お姉さんの所に引っ越すことを告げると、「ああ。」と言ったきりだった。

自分も「おやすみなさい。」と言うのがやっとだった。

そのまま、部屋に戻って、ベッドで泣いてしまった。

知らない間に、アーシャが枕元に来てくれた。

「海人より、あなたの方が私の気持ちわかってくれるのね。」そう言って、抱きしめた。

あっという間に一週間が過ぎて、引っ越しの朝、ボスの車で荷物と一緒に送ってもらった。

結局、海人は、体調が悪いからと言って、顔を見れなかったけど、どう話していいかわからなかったから、ほっとした自分と海人に嫌われて悲しいと思う二人の自分が同居した。

海人のおじいさんもおばあさんも美香さんも訳がわからないなりに、取り繕ってくれた。

 ボスも、車の中では、いつもより雄弁になっていた。でも、優香さんのことが、一言も出てこなかったのは、私に気を使ってくれたからだとすぐにわかった。

お姉さんの家に着くと、ボスと優香さんとお姉さんで簡単に引っ越しパーティーを開いてくれた。

 あれ、何故、ここに海人がいないんだろうと思うと急に泣けてきた。

気付いたら、ソファーでお姉さんに背中をさすられていた。

ボスと優香さんは、リビングには居なかった。

多分、気を利かせてくれたんだろうと思った。

「お姉さん、ごめんなさい。気分が悪いから、先にお風呂に入って寝かせてもらってもいい?」

「今日は、疲れたみたい。」

「いいわよ。何なら、昔みたいに一緒に寝てあげようか?」

「大丈夫。」

「でも、部屋のかぎは、開けといてね。」

「わかったわ。」

「じゃあね、おやすみなさい。」

「お休みなさい。」

 お風呂には、アロマオイルのラベンダーの香りがした。

 部屋にバナナジュースが置いてあった。

それを飲んでから、ベットに横になるとそのまま眠ってしまった。

 翌朝、環境が変わったこともあって、すっきりと目が覚めた。

やっぱり、どこかにストレスをためていたのかもしれない。

朝、食堂に行くと誰も居なかった。

テーブルの上に、サラダとパンが置かれていた。

リビングのサインボードに、好きなの食べて!と優香さんの文字、そして、みんなでサーフィン行ってきまーす!と、姉の文字。

サラダとデニッシュを食べて出かけることにした。

 その日は、この家から、学校までどれくらい時間が掛かるのか試してみたかった。

サインボードに、試に学校行ってきます。バイトも探してきます。と書いた。

自分が書いた文字とお姉さんが書いた文字を見て、思わず笑ってしまった。

私の文字って、なんでこんなに暗くて固いんだろう。

先週降りたバス停まで歩いて行った。時刻表を見ると1時間に1本しか駅までのバスがなかった。

6時台は、55分の始発があるだけだった。1時限の授業に間に合うかな?と思ったけど、まあ、何とかなるでしょうと思えてきた。ちょっとづつ、姉に似てきたのがうれしかった。

 『まあ、駄目なら駅まで自転車で通えばいいじゃん。雨降ったら、休んじゃおうかな?』

って、今までの私じゃない。

 運よく今日は、5分後ぐらいにバスが来た。意外と、時間は正確だなと思った。

バスに乗り込むと誰も居なかった。『なるほど、乗る人がいないつまり、止まらないから、時間に正確なんだ。』と思うとなんだかうれしくなってきた。

そのまま、駅について、電車に乗った。バスと違って、都心へ向かう人たちでいっぱいだった。

電車を2本乗り換えてやっと大学の有るに駅に着いた。2時間は、掛からないかな?今までより時間が掛かるけど、通えない距離でもないか?海人だと、絶対無理よね。と普通に思ってしまった。

 以前の自分に戻りつつあるのを感じてうれしくなった。でも、実際に会うと駄目なんだろうな?

それから、秋葉原に向かった。

見覚えのあるドアを開けた。

「あら、いらっしゃい。」店長が、声を掛けてくれた。

「恵は、いないわよ。」

「あっ、いえ、違うんです。今日は、店長にお願いが有って、来ました。」

「えっ、何。ここで、働きたい?」

「あっ、そうなんです。バイトさせてください。食器洗いでもなんでもします。」

「食器洗いなんて、そんなもったいない、いや、そんな雑用は恵にやらせるわ。」

「じゃ、とりあえず、衣装を着替えて写真撮ってもらっていい?」

「それと、履歴書持ってきた?持って無かったら、書類も一通り準備するわ。」

「保証人は、恵で良いわよね。」

 店長から、渡されたロリータ風の衣装を来て、写真を撮った。

「店長、この写真のデータ貰ってもいいですか?」

「いいわよ、海人にあげるの?」

「はい、そんなところです。」

「今度来るとき、履歴書持って来てね。それと、来週土曜日の午後から入ってくれると助かるわ。」

「一度、やってもらってるから、すぐにできるわよね。添えと、交通費も出すから、申請してね。」

「多分、大丈夫だと思います。交通費は、ちょっと遠いですけど大丈夫ですか?片道2時間ぐらいです。」

「明日香なら大丈夫よ、じゃ、来週からお願い。」

 結構、お店が混んできたので早々に失礼することにした。

そのまま、電車に乗って、家まで帰ってきた。

 初日にしては、結構充実した一日を遅れたような気がした。

また、明日から、学校だけど頑張ろうという気になってきた。

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