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ローカル  作者: 不機猫
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重大発表

 翌日、僕たちは、学校へ行く前に玲子さん呼び出された。

いつものように朝食を取っていると、玲子さんから、電話がかかってきた。

取り次いだ美香さんは、お食事中とお伝えしたところ

「今朝、ボスが、車で迎えに行くので、それに乗って会社まで二人で来て欲しいとのことです。」

「お二人に、話したいことがあるとのことです。」

そのまま、電話をお切りになりました。

それで、僕と明日香は、学校に行く準備をして、ボスが来るのを門の前で待っていた。

暫くすると、ボスの車が門の前で止まったので、それに乗り込むと後部座席に玲子さんが乗っていた。

「会社に来てもらおうと思ったけど、車の中で話すことにしたわ。」

「あなた方二人、うちに社員になってもらう。」

「昨日、大学の理事から、産学協同の研究所の話が有ったと思うけど、あれは、うちの会社よ。」

「ボスには、あなたが、あの高校に入学した時から動いてもらってたの。」

時々、用もないのに学校でボスの車を見かけたのは、そういう理由だったんだ。

「受験生にそんなこと話すと、プレッシャーになるだけだから黙っていたけど、二人とも合格したし、それに学校側での発表も有ったから話すんだけど、ただ、まだ機密扱いなのよね。」

「インサイダーの関係もあるから会社の秘密を話すなら、まず、社員になってもらうのが手っ取り早いかなと思って。」

「それで、二人には、嘱託研究員として、雇うことにしたから。海外へも出張扱いで出せると思うわ。」

「今度、時間が有ったら会社に来て。社員証を作るから。」

「そうすれば、機密もそして新しい研究所も自由に使えるようになるから。」

「ただし、雇う以上は、毎月レポートだけは出してね。」

「3年になれば、大学の研究生としても、自由に使えるようになるけど、その時は、ゼミの先生との共同研究になるわね。」

「その前に、規定通りに簡単なテストと面接を受けてもらうから。」

「玲子さん、そんな勝手なことして良いんですか?」

「今回の研究所を作るときに、役員会にかけて、承認は取ってあるの。それと、あなたたちに限らず、優秀な学生がいれば、積極的に嘱託研究員として雇って、金銭的なサポートをしていくことも承認されたわ。財団のようなものね。理事は、お父様になって頂いたわ。」

「それに、あなたと共同開発している薬で、星野さんの病気も改善したでしょ。」

「あれが、いい事例よ。会社のPRにもなってるわよ。」

「とりあえず、今日は、学校に行ってちょうだい。」

「会社に来れる日程が、決まったらボスの連絡して。」

「明日香さん、そんなに気にしなくてもいいから。お母様には、嘱託社員になることは事前にお話ししてあるから。」

「明日香さんの意思は、尊重するし強制ではないのよ。但し、海人、あなたは、母親命令だから聞きなさい。」

「わかりました。」

「明日香、ごめんね。うちの母親のわがままで言ってることだから。」

「ほんとに、明日香は、好きにしていいよ。」

「おかあさま、すみません。私まだ、どういう事かわからないのでしばらく学生生活を楽しませてください。」

「いいわよ。ごめんなさい。こういうことは、海人と先に話すべきだったわ。」

「私は、海人以外の人と付き合う気もないし、今は、ただ、海人が好きということで、私がどうすべきかを自分の意思で考えさせてください。」

そうこうしている間に、大学に着いたので僕たちは、車を降りて1時限目の教室に向かった。

僕は、明日香にもお母さんにも何も言えなかった。

二人の気持ちが、痛いほどわかったから。

 すべては、この僕の病気の所為だと思う。だから、僕は、この病気を克服するために、母親の提案を快く受けるし、明日香の判断も受け止めようと思う。だって、自分たちは、まだ、18才出し、これから、まだいろいろあるはずだから。

後は、すべて、神様の思し召し次第のような気がする。

但し、明日香には隠し事はせずに何でも相談しようと思う。

 その日の夜、僕たちが学校から出ようとするとボスが正門の所で待っていた。

「坊ちゃん、明日香さん、乗ってください。ご自宅までお送りします。」 

「ボス、今日もうちに大学の理事と打ち合わせ?」

「それも有ったんですが、今朝の社長の件もお話ししたくて。」

「実は、研究所の件は、私の提案なんです。」

「社長は当初、産学協同の研究所の件は、坊ちゃんが大学に入ってからで良いのでは?とおっしゃってました。」

「でも、近くで坊ちゃんを見ていると、自分も何かしなくては?と思って、無理やり進めてしまいました。」

「それで、こちらに了解もなく学校側が勝手に発表したので、それで急遽こちらも役員会で説明することになり、坊ちゃんの薬の件も明るみに出すことにしました。星野さんの病気がよくなったのも事実ですし。その中で、産学協同の進め方に関してもある程度説明が必要になったので、今朝のように慌ただしく意思確認の話になってしまいました。」

「実は、坊ちゃんが、大学の医学部に合格されなかったらどうしようかと、本当は、そればっかり気にしてました。裏で、手を回そうかとも思いましたが、それだけは、自分が坊ちゃんを信じていないことになると思って踏みとどまりました。」

「しかも、明日香さんも合格されたので、本当に良かったです。」

「それで、急に現実味を帯び始めたので、今朝のようになってしまいました。」

「私は、まだ、わからない。なにが、できるかもわからないし、大学で何をするかも。海人のように目的が、はっきりしてない。でも、海人の助けは、したいと思うけど。自分が、何をするかは、自分の意思で決めたい。」

「そうですよね、すみません。勝手にレールを敷いてしまいました。」

「今度、一度研究所にお連れします。本年度中には、完成して、来期からは本格的に動く予定です。」

「それだけで、自分は、満足です。」

「ボス、大丈夫だよ。僕は、ボスにも玲子さんも感謝してるし、申し出を受けるよ。」

「本当ですか?ありがとうございます。」

「僕のために、みんなが苦労してくれてるのはわかるし、僕もそうしたいから。」

「明日香は、僕がくじけそうになったら助けてね。」

「それは、大丈夫よ。もう、心に決めてあるから。」

「そう、女神さまに言われると安心です。」

それから、僕たちは、お家に帰った。

その夜、明日香とは、今後について話をした。

僕は、とりあえず、玲子さんの提案を受けることにして、明日香は、学校生活を続けながら、卒業する段階で将来のことを色々考えることにした。それまでに、何か有ればそれは、その時に考えればいいことだし。
















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