クリスマスパーティ
期末試験の成績が、貼り出された。
やはり、星野さんが1位だった。
そして、2位は、僕ではなく誰か知らない人の名前だった。
それから、3位が恵で、4位が、僕だった。
「恵、良かったね。3位だよ。」
「海人、ありがとう。譲ってくれて。」
「そんなことないよ、これが君の実力だよ。」
「でも、そろそろ将来やりたいことのために集中してがんばったら。」
「これからは、僕も大学受験のために本気で頑張っていくよ。」
「恵、海人、どうだった?」
後から、星野さんに声を掛けられた。
「今回は、星野さんに勝てると思ったけど、駄目だったね。」
「海人、貴方、手を抜いたでしょう。」
「そんなことないよ、これが今の僕の実力だよ。」
「この2番の人知ってる?」
「ああ、これ、2年1組の彼女だよ。」
「修学旅行まで、行こうか行くのよそうかずっと悩んでたみたいで、その悩みがなくなったおかげで実力が出せたって言ってた。」
「とんだところに、伏兵がいたね。」
「恵。ほんとに危なかったね。」
「いや、1年の時の彼の実力を知ってたから、2年になってから、おかしいな?って思ってたんだよ。」
「そうなんだ。彼には、彼なりの悩みが有ったんだね。」
「ところで、海人、明日香さんは、いつ来るの?」
「12月24日、冬休みに入ってすぐお母さんとこっちに来る。」
「僕と、明日香は、毎日受験勉強。そして、玲子さんと明日香さんのお母さんは、来年来る受験生のサポートをどのようにするかの打ち合わせ。」
「なんか、すごいね。」
「海人、それ、わたしと私のお母さんも混ぜてもらえる?」
「喜んで。」
「部屋は、いっぱいあるから、全然大丈夫。」
「来年の受験の日を前提に、色々試すみたい。」
「ぼくは、ここの医学部は、常に背水の陣で臨む覚悟です。」
「そういう割には、今回の成績悪かったね。」
「そこは、突っ込まないでほしいな。色々あったから。」
「うちのお母さん、先日、玲子さんに病院でお会いして、ファンになったみたい。」
「えっ、辞めた方がいいよ。人使い荒いし、冷たいし、時々子供に甘えるし。」
「そうなんだ。子供に甘えるとこ見てみたいな。」
雲行きが怪しくなったので、
「じゃ、12月24日に来て。簡単なパーティーする予定だから。」
「わかった。」
「恵は、バイト忙しいよね。残念。」
「僕、バイトやめようかな?店長に話してみる。」
「クリスマスは、稼ぎ時でしょ。ダメって、言われるわよ。」後ろから、2年1組の彼女が、声を掛けてきた。
「学年2位おめでとう。」
「これもすべて、海人のおかげよ。修学旅行のときは、ありがとう。ほんとに、楽しかった。」
「それで、そのまま勉強したら、こうなったの。」
「良かったね。今度は、負けないように頑張るよ。」
「話変わるけど、私も12月24日のクリスマスパーティ伺ってもいい?」
「どうぞ。来てください。」
あっというまに、12月24日が来てしまった。
朝から、お母さんとアーシャがやってきた。
玲子さんも泊まり込むみたいなので、その話を祖父と祖母に話したら、猫も連れてらっしゃいって、話になったみたい。
玲子さんが、来てすぐにアーシャは、屋敷の中を探検しに出かけた。
僕と、玲子さんと美香さんは、パーティの準備で、右往左往していた。
その間に、ボスが、優香さんと京子さん、そして明日香と明日香のお母さんを迎えに行った。
2時ぐらいには、星野さんもお母さんと来る。後は、2年1組の彼女だけど場所わかるかな?
名前は、確か北川薫だっけ。
一通り、料理の仕込みが終わったので、応接に行くと、祖母の膝の上にアーシャが乗っていた。
「かわいい、ねこちゃんね。」
どうやら、アーシャは、この家の主を野生の感で見切ったみたいだ。
その時に、呼び鈴が鳴った。
多分、星野さんかなっと思って、玄関に行くと花束を持った美青年が、そこに立っていた。
「薫くん、どうしたの?」
「いや、修学旅行以来、こっちもありかなって。」
「うん、有りだよ、有り。女性陣が、喜ぶよ。」
「どうぞ、入ってください。」
「でも、大きな家だね。僕でも、驚くよ。」
「花、ありがとう。」
「花瓶が、有ったら貸してもらえる?」
「こう見えても、裏千家習ったから、お花生けるね。」
「わかった。でも先にみんなに紹介するね。」そう言って、僕は、彼と一緒に台所に向かった。
「皆さん、こちら、北川君です。学校の友達です。」
彼を見た途端、女性陣から拍手が起こった。
何なんだ、一体。
「おばあちゃん、使っていい花瓶ある?彼が、花を活けてくれるって。」
再び、女性陣から拍手が起こった。
なんか、彼が、女装する理由が分かるような気がする。
「そこ、もう拍手しない。玲子さんも台所戻って。」
「はーい。」声が、甘い。
その後、北川君は、祖母とアーシャに囲まれて、花を生けた。
アーシャは、時々花にちょっかいを出して、彼に、怒られながら、頭を撫でてもらうのを楽しんでた。
14時過ぎに、星野さんが、やってきた。
台所で、みんな重なって料理を作りだした。
15時過ぎに、ボスが、明日香と明日香のお母さん、京香さん、優香さんを連れてきた。
これで、全員揃った。
広いテーブルの上に料理とケーキを載せてクリスマスパーティが、はじまった。
みんな、立食で、思い思いに話し合ったり、料理を食べたりしていた。
ボスと僕は、空いてるお皿をかたずけたりしていた。
そのうち、ボスは、おじいちゃんにつかまって、お酒の相手をさせられていた。
アーシャは、知らない間にどこかに消えていた。
ボスの代わりに明日香が、色々手伝ってくれた。
「ありがとう。」
「無利しないでね。」
そこに、星野さんも加わってくれた。
「星野さん、今日から、よろしくお願いします。」
「勉強会の合宿みたいで、楽しみです。」
玲子さんも含め、お母さんたちは、ソファーに座った北川くんの周りから、離れなかった。
「北川くん、人気ね。」
「すごいね。」
「でも、彼も疲れるから、ちょっと声を掛けてくるね。」
そう言って、僕は、北川くんの所に行った。
「お母さん、すみません。北川くん、僕の家初めてなので、案内してきてもいいですか?」
と言って、彼を連れ出した。
廊下に出ると
「ありがとう。疲れた。」
「そうでしょう。」
「でも、楽しい。」
「とりあえず、家の中案内するね。」
「よかったら、僕の部屋で休んでいって。」
しらない間にアーシャが足元に寄ってきた。
「この、一番東の端が、僕の部屋。」
「2階の部屋は、今は、空いてるけど今晩は、7人が泊まるかな?」
ここまで、来るとパーティの音は、聞こえないかな。
二階の中央の部屋でソファーに座って、日向ぼっこをすることにした。
「この辺でゆっくりして。」
「外もいいけど、ちょっと寒いかな。」
「なんか、いい家だね。また、遊びに来てもいい?」
「いいよ。」
知らない間に、ふたりはそのソファで眠ってしまった。
「見かけないなあ、と思ったら、海人、こんなところで寝てたら風邪ひくよ。」
目の前に、明日香がいた。
「ごめん、寝てしまった。」
「明日から、勉強頑張りましょう。」
「北川君は?」
「さっき降りてきて、海人眠ってるから、毛布かけてあげてって教えてくれた。」
「そろそろ、パーティも終わって、部屋割りの時間です。」
「わかった。」
そう言って、僕と明日香は、食堂に降りて行った。毛布は、アーシャのために置いて行った。




