サーフィン
次の日、朝8時にボスが迎えに来た。
僕と港は、ボスの車に乗って、星野さんの家の近くのコンビニに向かった。
「東京って、車多いよね。」
「そうだね、石油出ないのに多すぎだよね。」
暫くして、コンビニに着いた。
「ボス、ちょっと缶コーヒー買ってくる。」
そう言って、僕は、缶コーヒーを4本買ってきた。
2つを港に渡した。
「これ、港と星野さんの分。」
「ありがとう。」
ボスがサングラスを持って、車の外に出てきた。
ボスに、缶コーヒーを渡して、サングラスを受け取る。
そして、二人で、運転席側と助手席側に回って、ボディーガードになったつもりで、周りを監視する。
暫くして、星野さんが来た。
さっと、後席のドアを開ける。
『「どうぞ、姫。」』
「ありがとう。」
星野さんも、調子を合わせてくれる。
「ボス、行きましょう。」
「OK、相棒。」
そして、再び4人は、車に乗り込み京香さんの家を目指す。
海岸線に出た時点で、港と星野さんが声を合わせる。
「綺麗。」
暫く海岸線を走ると、京香さんの家が見えてきた。
駐車場に車を止めて、外に出る4人。
空気に、磯の香りが混ざってる。
「すごい。ハワイのお家みたい。庭にシャワーがある。」と港。
車の音を聞きつけて、家の中から、京香さんと優香さんが出てきた。
「あれ、港じゃん。」と京香さん。
「海人が、ハワイで出会った幼馴染って聞いたから、誰かと思ったら。久しぶり。」
『「二人は、知り合いなんですか?」』
「ハワイの大会で会ったことがある。」
「ジュニアで、結構いいとこいってたよね。」
「僕なんて、全然ですよ。上位に京香さんがいて、日本人みたいだったから、声かけた。」
「そうなんだ。」
『二人は、ハワイのサーフィンの大会で同じ日本人ということで知り会ったみたい。』
僕は、星野さんに手話で説明した。
『「きょうは、よろしくお願いします。」』
『「星野さんもサーフィンする?」』
『「今日は、港さんのサーフィンするのを海岸から見てます。」』
おや?って顔で僕を見た京香さん。
ニコッと、笑うとすべてを理解したみたい。
『「じゃ、きょうは、港と海人で思いっきりサーフィンしてね。」』
『「私は、星野さんにサーフィンの技を説明してあげる。」』
『「よろしくお願いします。」』
優香さんとボスは、そのまま、家の中に入っていった。
多分、二人でさっき買った材料で、パエリヤをつくるのだろう。
そうボスが、言っていた。
「お昼ご飯、パエリヤ。」って。
僕と港は、ウエットスーツに着替えて、準備体操を入念にしてから、一礼してから海に入っていった。
その日の波は、モモ、腰ぐらいだから、星野さんには、ちょっと無理だよね。
オフショアだから、結構いい感じ。
港と僕は、沖の方まで、パドリングして、波を待つ。
ほとんど、貸し切り状態だから、いい波が来たら、どんどん乗ることにした。
お互い5、6本乗ったら、波が静かになったので砂浜に上がることにした。
『「今日は、ナローでよかった。」』
「そうだね。日本の波は、柔らかいね。」
『「日本の波は、星野さんと同じくらい優しいって。」』
ちょっとだけ、顔を赤らめる星野さん。
『「おなかすいたから、お昼にしますか?」』
そう言って、僕たちは、良い香りのする方に向かった。
お昼は、やっぱりパエリヤだった。
それと、果物。
みんな、おいしそうに食べた。
食器を片づけてから、みんな、思い思いのドリンクを持って、ソファーに座って、修学旅行のこととか、京香さんのハワイでのサーフィンの話とかで盛り上がった。
港は、星野さんの隣に座って、僕がトイレに行って居なかった時には、彼女の掌に文字を書いて通訳していた。
それを見て、京香さんも手話を止めて、二人のしぐさを目を細めてみていた。
いつの間にか夕暮れになっていたので、みんなで夕日を見に行った。
ハワイで見た夕日と同じぐらい綺麗。
知らない間に、みんなは目くばせをして、星野さんと港だけを海岸に置いてきた。
「明日、ハワイに戻るのね。」
「【そ・う・だ・ね】」
「【ま・い・に・ち・メ・ー・ル・す・る・よ】」
「わたしも、毎日メールする。」
そう言って、二人は、沈む夕日を肩を寄せ合って眺めていた。
「暗くならないうちに、戻りましょう。」
暫くすると、二人が帰ってきた。
「じゃ、そろそろ帰りますか?」
4人は、京香さんと優香さんに挨拶して、再び車に乗り込み星野さんの家の近くのコンビニを目指した。
「今日は、お疲れさま。」
「港、またね。」
「またね。」見つめ合う二人。多分、手話で通訳しなくても通じてるよね。
「港、行ってもいいかな?」
「お願いします。」




