二日目の夜
「お父さん、そろそろ明日香とミナト帰るって。僕もホテルに送って。」
「わかったよ、まあ、修学旅行だから友達と一緒にいたいよな。」
「でも、何か有ったらすぐ電話しろよ!」
「修学旅行の旅行先に親がいること自体珍しいのに、もう大丈夫だよ。」
「お母さんには、連絡した?」
「連絡したよ。今日の夜便でハワイに来るって言ってたけど、明日香さんがいるから大丈夫だ、って言っておいたよ。」
「おじさま、そんなに私を信用して頂いて、ありがとうございます。」
「こちらこそ、海人がこんなに元気になったのは明日香ちゃんのおかげだから。」
「お父さんわかったから、とりあえず港と明日香と僕を送って。」
暫くして、みんなは、お父さんの車に乗った。
「じゃ、最初は。港くんのお家によるよ。」
「それから明日香さんのホテルで、海人のホテル。」
「海人の担任の先生にご挨拶だけしておきたい。」
「わかった。じゃ、その順番でお願いします。」
車からは、綺麗な夕日が、僕たちを追いかけるように付いてきた。
「おじさん、すみません。この辺で大丈夫です。」
「海人、明日もサーフィンスクールのコーチのバイトをしてるから、ビーチに遊びに来てくれ。」
「わかった。絶対行く。」
「明日香さんもね。」
「海人と、一緒に行きます。」
「じゃ。」
海人のお父さんは、今度は、二人のホテルを目指して、車を進めた。
ホテルの駐車場に車を止めて、明日香と一緒に僕の父も同行してホテルのロビーに向かった。
ロビーでは、生徒の帰りをチェックするために、明日香の担任の田中先生が、フロントで立っていた。
「田中先生、ご無沙汰してます。」
「あら、久しぶり。」
「ご無沙汰しております。海人の父です。」
「この度は、うちの息子が先生の所の生徒さんに助けて頂いて、本当にありがとうございます。」
「明日香さん、今日は、本当にありがとう。」
「僕が、溺れているところを助けて頂いて、そして看病までして頂いて。」
明日香は、すでに恵の女神のコスプレから、別荘に置いてある僕のお母さんのTシャツとスカートに着替えていた。サイズが、ぴったりで明日香がびっくりしていた。
「先生、すみません。今日、うちの息子がサーフィンをしているときに、他のサーファーとぶつかって、気絶したみたいで、その時に明日香さんのサーフィンのコーチと明日香さんが気付いてくれて、ホテルまで運んで頂きました。」
「それで、そのまま、気絶した海人を私の自宅まで運んでいただくのを手伝って頂きました。私も、焦ってしまって、ご連絡が今頃になってしまって、申し訳なかったです。」
「門限には、時間がまだあるから大丈夫ですよ。」
「でも、明日香さん、何か有ったらまず担任の私に連絡してね。」
「申し訳ありません。私が、息子の知り合いと言うことで、明日香さんに頼ってしまって。先生にまでご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。」再び僕と、僕の父が頭を下げた。
「わかりました。そう言うことなら、しかたが無いですね。」
「申し訳ありません。息子もまだ体調がすぐれないのでこれで失礼します。」
それで、僕とお父さんは、明日香にも、先生の前でお礼を言って、そのホテルのロビーを後にした。
それから、僕たちは、ホノルルビーチの目の前のホテルに向かった。
ロビーに入ると、担任の先生が、生徒のチェックをしているところだった。
「先生、今戻りました。」
「大丈夫か?恵が、連絡してくれたけど、ビーチで溺れたんだって。」
「すみません。海人の父です。いつも、息子がお世話になっています。」
「今日は、本当にご心配おかけしました。自分が、今転勤でハワイに居たので、勝手に対応してしまいました。」
「ご家族が、対応されていたなら、学校側としては問題ありません。今日は、自由行動の日で、門限も大丈夫だし、何事もなかったようなので。」
「ありがとうございます。」そう言って、僕とお父さんは、先生に頭を下げた。
ちょうど、その時に恵と僕のグループのメンバーがロビーに降りてきたので、お父さんに紹介した。
「君が、恵君か?いつも息子がお世話になってます。クラスメイトの皆さんもよろしくお願いします。」
そういってお父さんは、帰っていった。
「恵、それにみんな、心配かけました。」
「ほんとだよ。」と恵。
「後、明日香が着ていた衣装は、僕が洗って返すから。ありがとね。」
僕は、おなかが空いていたこともあり、4人で、そのままホテルのレストランに向かった。




