ハワイの午後
僕たち部屋は、ホテルの8階だった。
部屋からは、動物園と遠くの方にダイヤモンドヘッドが見える。
ベランダに出て、覗くと真っ青なハワイの海が見渡せる。
今すぐにでも海を見に行きたいけど、みんなは、時差ボケで眠っている。
でも、今起きないと、夜に目がさえてもどこにも行けないよな。
ここは、心を鬼にして、みんなを起こすことにした。
まずは、グループリーダーの恵から起こすことにした。
「恵、そろそろ起きないと、遊びにいけないよ。」
「今は、日本時間の8時だけど、こっちは、12時だよ。」
「えっ、もうそんな時間?」
「午後は、どうする?」
「夕方、僕は、クィーンズビーチのサーファーボーイモニュメントで明日香と待ち合わせなんだよね。」
「あっ、そうか?」
「買い物なら、ホテルの中でもできるし、動物園も近いよ。」
「とりあえず、みんな起こすか。」
と言って、恵は、みんなを起こしにかかった。
「早く起きろ。もうお昼だよ。初日が無駄になる。」
やっとのことで、4人そろった。
「最初の計画通りワイキキ水族館に行くなら、はやくしないと5時に閉まるよ。」
「ここからだと、海岸沿いを歩いて1㎞ぐらいかな。」
「暑いから、トローリーバスで行く?」
「そうする。」
みんな、制服を脱いで、Tシャツ短パンに着替えた。
恵だけ、なぜかもぞもぞやってる。
「恵、暑いから、メイド服はだめだよ。Tシャツ持ってないの?」
「無いなら、僕の貸してあげるよ。後で、アロハ買うから。」
「ありがとう。海人って優しいね。」
「ハイハイ。」
それから、僕たちは、ロビーに降りて、水族館に向かうことにした。
ロビーでは、先生が座ってた。
「はい、ここに、グループの名前と行先書いてね。」
そう言われて、恵が、ノートに
恵グループ:恵 行先:水族館と書いた。
「場所わかる?とりあえず、地図持っていってね。それと6時までに帰ってきて、このノートに戻ったら帰った時間記入してね。」
「夕食は、7時からだから、遅れないように。」
僕たちは、もらった地図を頼りのパオアカラニ・アベニューに出るとすぐに海岸が見えてきた。
そして、砂浜沿いの道をダイヤモンドヘッドの方に歩いて行った。
「ハワイだね。」
「ハワイだよ。」
「やっぱ、いいね。」
「夕日、見れるかな?」
「見れるでしょ。」
僕は、今日、その夕日を明日香と見れると思うと、うれしくてしかたがない。
水族館でも言ってないと、時間が、長く感じて死んでしまいそうだった。
すぐに、動物園が見えてきた。それを横目に見ながら、まっすぐ水族館を目指した。
30分ぐらいで水族館に着いた。
チケットを買って、水族館に入ると、星野さんのグループがいた。女の子3人に男の子一人。本当なら、うれしいはずなんだけど、彼は、一人ふくれっ面だった。
恵は、彼に気づいて、声を掛けた。
「明日、ショッピングモールに行って、服買おうぜ。」
「そう、言うと彼は嬉しそうにうなずいた。」
『星野さんたちも、水族館なんだ。』
『そう。私、水族館好き。』
『お魚は、鳴いたりしない。見ているのは、見ているだけだから、みんなと一緒。』
『そうだよね。僕も、生きてる間は、みんなと一緒。』
あっ、しまった。薬飲んでくるの忘れた。
まあ、いいか、一日ぐらい飲まなくても。
それから、僕たちは、水族館を見て回った。
ふれあいコーナーとかも有って、楽しかった。
大きなサメの口の骨の標本の中にみんな入って、写真を撮ったりした。
あっと言う間に、閉館時間が近づいたので、ホテルにもどることにした。
クイーンビーチにちょうど5時頃に着いたので、
「みんなごめんね、ちょっと用事があるから。」と言って僕一人別れた。
恵と星野さんは、事情を知ってるので「じゃあね。」と言って、みんなを引き連れて、ホテルに戻ってくれた。
サーファーボーイのモニュメントの所に行くと。明日香と卓也が待っていてくれた。
「久しぶり。卓也。」
「やっと会えたね、明日香。」
「空港でも、探したけどわからなかった。」
「他の飛行機だったみたい。」
「卓也、また、身長伸びた?それに、あきちゃんとは、うまくいってるの?」
卓也が言う前に明日香が、
「うまくいってる。」
「あきちゃんも、今、チアリーダー部に入って、バスケットの試合があるともう大変。」
「そうなんだ、よかった。」
「じゃ、僕は、海人の元気そうな顔も見れたし、この辺で失礼するかな。」
「ありがとう、卓也。明日香は、ちゃんとホテルに連れていきます。」
僕たちは、卓也を見送ってから、海岸沿いのベンチに座って、夕日を見ながら、飛行機のこと、学園祭のこととかを色々話した。
あっという間に、時間が過ぎた。
「そろそろ、帰らないと」
「じゃ、歩きながら話そう。」
明日香のホテルに行く途中に大きな教会が有った。
「素適な教会ね。」
「こんなところで、明日香と結婚式挙げたいね。」
記念に、僕たちは、その前で二人並んで写真を撮った。
そこから、5分ほどで明日香のホテルに着いた。
「じゃあね、明日、8時ごろにここに迎えに来るね。」
「わかった。でも、起きれるかな?ちょっと、時差ボケみたい。」
「自分も、そうだけど大丈夫でしょ。」
「じゃ、お休み。」
「お休み。」と言ってるのに、手が離れなかった。
明日香の同級生が、僕に気づかずに明日香に声をかけたのをきっかけに僕たちは、催眠術が解けたように
離れた。
さあて、ホテルに帰って、晩御飯を食べよう。




