プレ修学旅行
文化祭が終わり、2年生は、高校時代の一大イベント、修学旅行一色に心を染める。
中には、クールに俺には関係ないと言ってるやつも、いざ始まると毎日が落ち着かない。
この高校では、毎年、ハワイに修学旅行と決まっている。
そのために、入学してから、毎月修学旅行費の積み立てが始まる。
お父さん、お母さんありがとう。そして、ご苦労様。
そして、ホテルのランクとコースは、その年の為替で変わってしまう。
今年は、僕のボードを連想させるような名前のホテル。サーフィンできるといいな。
そして、朝食、フリー、夕食の日が多い。やっぱ、サーフィン?
これで、明日香といっぱい遊べる。
最近、お母さんの薬を飲んでいるおかげで調子がいい。
このままの体調が続けば、修学旅行も大丈夫でしょう。
その日の夜、明日香から電話がかかってきた。
「もしもし、海人。」
「はい。」
「修学旅行もうすぐだね。」
「体調、大丈夫?」
「お母さんの薬飲んでるから、大丈夫だよ。」
「先日の文化祭も、朝からずっと動いていたけど、翌日、ちゃんと学校に行けたよ。」
「それに、修学旅行は、明日香に会えると思うとうれしくて。」
「無理しないでね。」
「明日香の高校の文化祭楽しかった?同じ日じゃなければ、行きたかったな?」
「クラスは、展示。平安時代の暮らしの研究発表。そして、チアー部は、体育館でダンスした。」
「ほんと?見たかったな。」
「お父さん、ビデオ取ってたから、今度見せるね。」
「海人の所は?」
「こっちは、喫茶店。」
「恵が、メイド喫茶したい!って言ったけど却下された。」
「でも、女子は、メイド服着てた。」
「それで、僕は、1日中、玉ねぎのみじん切りと、オムライス作らされた。」
「そうそう、お姉さんから電話あった。」
「明日香も、海人が作ったオムライス食べてごらん。おいしいから!って。」
「今度作ってね。」
「わかった。でも、♡マークは、恵の方が上手なんだよね。」
「あっちは、プロだから気にしない。」
「わかった。」
「もしかしたら、修学旅行、飛行機も一緒かも?」
「羽田発の夜便だけど。明日香は?」
「一緒。」
「ホテルは、何とかリゾートってところ。」
「近いかも。」
「現地着いたら、ほとんどフリーだから、会いに行くよ。」
「うちの高校も、ほとんどフリー。」
「でも、希望者だけ、午前中だけ勉強会がある。」
「わざわざ、ハワイに行ってまで勉強しなくても、いいと思うけど。」
「明日香、2日目空いてる?」
「空いてる。どうして?」
「玲子さんに、お父さんの所に、着替えとそれと空港で日本のお菓子買って、持っていくように言われた。」
「お父さん、今、ハワイなんだ。一人で、ハワイの海洋研究所にいるんだ。」
「だからお母さんも安心して、僕を修学旅行に行かせられるって喜んでた。」
「わあ、すごい。色々ハワイのこと教えてもらえそう。」
「そうだね。」
「三日目は、何してるの?」
「それが、現地体験、ということで、好きなアクティビティに参加できるコースになってるの。」
「で、初心者向けのサーフィンコースに申し込んだ。」
「ほんと。どこでやるの?」
「ワイキキビーチ。」
「じゃ、僕も行く。」
「早く、11月になればいいのに。」
「でも、修学旅行行った後に、すぐ期末試験なんだよね。」
「そうそう、たぶん、あんまり修学旅行で羽目を外さないように学校が企んでるのよ。」
「今日は、明日香の声が聞けて、よかった。」
「私も、海人と話が出来て、ぐっすり眠れそう。」
「じゃあね。お休み。」
「お休み。」と言って電話を切った。
僕は、もう少し、勉強してから、眠ることにした。
,




