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ローカル  作者: 不機猫
32/71

リフレッシュ

 ボスの車に3人が乗って、途中の駅で恵をおろして、そのまま星野さんと僕は、祖父母の家まで送ってもらった。

ボスは、僕たち二人を降ろして帰っていった。

僕たち二人は、ボスを見送ってから、家の中に入った。

玄関に近づくと、美香さんが玄関を開けてくれた。

「ただいま。」

「おかえりなさい。」

星野さんは、頭を下げた。

美香さんは、彼女の方に向かって、バインダーノートを広げた。

【お風呂にします?】【食事にします?】と声を出しながら。

彼女は、それを見て、ニコッと笑って

【お風呂にします?】に指をさした。

美香さんは、指でOKマークを作った。

それから、彼女の部屋に一緒について行った。

部屋の前に着くと美香さんは、僕に

「部屋の前で、待ってます。」と伝えてくださいと僕に言った。

僕は、『部屋の外で、美香さんが待っているので準備が出来たら出てきてください。』と伝えた。

『海人は?』

と、聞かれたので

『じゃ、僕も一緒にお風呂に入る。』といったら、恥ずかしそうにしたから、

『そこは、馬鹿って、頭をはたくんだよ。』『僕の方が、恥ずかしくなるでしょ。』

そう伝えると、彼女は、にこって笑った。

良かった。だいぶ落ち着いてきたみたい。

『僕は、おなかすいたから、先にご飯食べる。』

と、彼女に言って、

「美香さん、僕は、ご飯食べる。」

「おじいちゃんとおばあさんはもう食事済ませたの?」と聞いた。

「これからなので、一緒にどうぞ。」

「わかった。じゃ、二人の面倒は僕が見るから、彼女よろしく。」

「承りました。」

 そうこうして、あっという間に金曜日になった。

学校からの帰り道に、ボスが、僕たちに向かって、

「明日、もしよかったら、息抜きで優香の家に、皆さんで遊びに行きませんか?」

「海人も、たまには息抜きが必要でしょう?」と、言った。

僕が、星野さんに説明する前に、恵が

「行きます。」と返事した。

最近は、恵もこの車に乗るようになった。

僕は、星野さんに

『ボスが、息抜きで海の家に遊びに行きませんか?て、言ってる。そしたら、恵が、行きますって。星野さんも行く?』と伝えた。

『僕は、行きたい。』と伝えた。

『じゃ、私も行きたい。海、初めて。』

『ほんとに。』

『だって、誰も誘ってくれなかった。』

『そうなんだ。』

「ボス、行きます。」

「了解。じゃ、明日、8時に迎えに行きます。」

「恵、どうする。」

「じゃ、いつもの駅でピックアップしてください。」

「了解。」ボスが、そう答えた。

『明日、楽しみ。』

『星野さん、今日もご両親にメールで、明日海に行きますって、連絡しておいてね。』

 翌朝、ボスが、僕達を迎えに来た。

 そして、大きなキャリングケースを持った恵を、いつもの駅でピックアップした。

「恵、その荷物、何?」

「内緒。」

『内緒だって』僕は、星野さんに伝えた。

 それから、ボスは、外房線とすれ違ったところで大きなスーパーマーケットに車を止めた。そして、いっぱい食材を買い込んだ。

「もしかして、お母さんも来るの?」

「すみません。玲子さんは、今日は、仕事が忙しくてこれないのでごちそうしてあげてね。とおっしゃってました。」

「ということで、私が、腕を振るいます。海人、手伝ってくれる?」

「わかった。」

「海人、料理も出来るの?」

「結構、得意だよ。」

こんどは、恵が、星野さんに

『今日のお昼、ボスと海人が作るんだって。』と伝えた。

それから、しばらく走ると海沿いの道に出た。

星野さんは、ずうっと海の方を見ていた。

『これが海なのね。』独り言のように手を動かした。

優香さんと京香さんの棲家に着いた。

僕たちは、二人に挨拶した。

『こちらが、優香さんと京香さん。』

「星野さんと、恵です。」と二人に紹介した。

それから、僕とボスは、食材の入ったクーラーボックスを台所にもっていった。

優香さんは、ボスにウインクするとそのまま、ボスの車でどこかに出かけた。

「優香さん、どこにいったの?」って、ボスに聞くと、「さあ?ビールでも買いに行ったのかな?」

京香さんは、星野さんと手話で会話していた。

恵は?と言うと、キャリングケースをもって、トイレに閉じこもった。

「海人、着いた早々で悪いけど食材の準備手伝ってくれる。」

そう言って、台所に入っていった。

「今日は、ハワイアン料理。」

そういうとボスは、手際よく準備を始めた。

「香辛料は、現地の持ってきた。」

「材料は、さっき子さんおものを買ったから、後は、味と香りを調整しながら、作っていく。」

「そして、ハワイをイメージしながら、フライパンとクッキングナイフで調理する。」

「最後は、デッキのテーブルに並べて、完成。」

「やっぱり、ハワイアン料理は、外で食べないとね。」

「このおうち、ボスが探してきたんでしょ?」

「ウッドデッキも広くて、いかにもハワイって感じだよね。」

「まあ、でも、本物のハワイに比べると雰囲気だけ一緒だね。」

「海人は、玉ねぎのみじん切りお願い。」僕は、10個以上ある玉ねぎ皮を剥いて、ひたすら、泣きながら、玉ねぎを切っていた。

そしたら、優香さんが帰ってきた車の音がした。

車のドアの閉まる音がした。あれ、1つ多かった気がするけど。荷物を降ろす音かな?

台所に、誰かが、入ってきた。

「海人。」と僕を呼ぶ声。

振り返るとそこに、ノースリーブの真っ青なワンピースの明日香が立っていた。

「もう、海人って、どうして私に会う前に泣いてるの?」

僕は、右手に包丁、そして、左手に玉ねぎをもって立ち尽くした。

「海人、まずその物騒なもの降ろしてくれない。」

慌てて、玉ねぎと包丁をまな板の上に置くと、再び明日香に向き合った。

そして、そのまま明日香を抱きしめて、わんわん泣いた。

知らない間に、ボスと優香さんは庭に出て行った。

「もう、海人、相変わらず泣き虫ね。」

「違うよ、これは、玉ねぎの所為だよ。」と見え透いた言い訳をした。

「昨日、優香さんから電話があって、今日海人が来るから、おいでって言われて、飛んできた。」

「そうなんだ。」

「会えると思ってなかったから、びっくりした。」

「それに、図書館の彼女もいっしょに来てるって聞いて、お友達になれないかなって思って。」

「今、外で、京香さんと話してるよ。」

「紹介するね。」

そう言って、僕は、明日香の手を握った。











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