学校
あっと言う間に、夏休みが終わった。
図書館の彼女とは、あれから1度も合えなかった。
嫌われたかな?
明日からは、また、学校が始まる。
僕の病気の研究は、少しできなくなるけど、クラスのみんなとまた会えるのがうれしい。
でも、その前に明日香に電話しておこうかな。
いつも通り、3コール目で明日香が出てくれた。
「もしもし、明日香さん?」
「今日で、夏休み終わりだね。全然会えなかったね。」
「しょうがないわよ。二人とも色々やることが有ったし。特に、海人は、忙しかったでしょ。」
「そうだね。でも、毎晩明日香に電話できたからよかった。」
「その後、図書館の彼女とは会えたの?」
「全然、会えない。もしかしたら、実家にかえったのかもしれない。」
「うちの高校、自分のように、地方からきて、東京で下宿して通ってる子も多いんだ。」
「もしかしたら、明日学校で会えるかもね?」
「そうだね。もしかしたら、修学旅行の時に、一緒に遊べるかもしれないね。」
「恵は、もう明日香に修学旅行で会う気満々だよ。どのコスプレ衣装持ってたらいい?
って、先日聞かれたよ。」
「そうなのね。今から、楽しみ。卓也も、海人に会えるって、楽しみにしてるよ。」
「ほんと?卓也に会うの久しぶりだな。修学旅行が同じところで、日程も一緒なんて、小説みたいだよね。」
「ほんとね。」
しばらく明日香と話して、元気をもらったところで、もう少し勉強してから寝ることにした。
次の日、学校へ向かう途中の電車で、図書館の彼女に会った。
満員電車だったので、お互いの存在には、気付けたけど何も話せなかった。
すごく、こちらを気にして、困っているような顔をしているのが、気になったけど。
もしかしたら、本当に嫌われてるのかな?
いつも僕と彼女が、降りる駅に着いた。
不思議なことに、彼女は降りようとはせずに、奥から出てくる人に道を開けていた。
変だなと思いながら、
僕は、『降ります。』大きく叫んでドアの所に向かった。そして、ちょうど彼女の前に来た時に、彼女の手を握って、一緒に降りるように促した。
一瞬、彼女は、不思議そうに僕の顔を見たけど、ここがいつも自分が下りる駅だと気付いたようだ。
彼女も、結構そそっかしいところが有るんfだ。
『ありがとう。』
『いつもは、満員電車には、乗らないようにしていたんだけど、今日は寝坊した。』
『アナウンスが聞こえないから、どこの駅に着いたかわからなくて、海人がいてくれて助かった。』
『どういたしまして。でも、降りれてよかったよね。』
『電車の中で、僕に気付いて気づいて、困ったような顔をしてたから、嫌われたのかなって心配になった。』
『でも違ってよかった。』
さすがに、手話をしながら歩くのは、難しいよね。
そんなことを思いながら、僕は彼女と並んで学校まで歩いて行った。
彼女と別れて、2年4組のクラスに入ると、僕の所に、恵がやってきた。
「海人、明日香さんに、ハワイでのコスプレ何がいいか、聞いてくれた?」
「ごめん、昨日電話でコスプレの話はしたけど、何がいいか?までは、話できなかった。」
「そうなんだ。でも、早く聞いといてね。これから、作るから。」
「わかった。」
「決まらなかったら、ツインのメイド服でもいいかな?」店長から、ハワイ支店の調査を頼まれてる、とかなんとか言いながら自分の席に戻ったと思ったら、再び、僕の所に飛んできた。
「他の話していい?」
「いいよ。」
「学年1位の星野さん、1組だって。」
「僕の情報網でわかった。しかも、彼氏がいるみたい。学校の図書館でいつも一緒に勉強してるって。」
「へぇ、そうなんだ。いつも、一人で勉強してると思ったけど。」
「えっ、海人も知ってるの?星野さん。」
「先日、偶然わかった。」
「だったら、僕にも教えてよ。」
「ごめんね、夏休みだったから。」
「そうそう、夏休みといったら、バイト先の店長、明日香さん、来ないの?って毎日のように聞かれるんだけど。仕方ないから、明日香さんコスプレの集合写真使って、等身大のパネル作って飾ってるよ。」
「へぇ、そうなんだ。今度、写真撮って送ってよ。明日香、喜ぶよ。」
その時、ちょうど始業のベルが鳴ったので、今度は、本当に自分の席に戻っていった。
そうなんだ。他の日は、彼氏と一緒に他のテーブルで勉強してたんだ。
彼女、かわいいから彼氏いるよね。
そんなことを考えながら、1限目の数学をまじめに聞いていた。




