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ローカル  作者: 不機猫
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待ち合わせ

 8月2日午前9時。僕と明日香と明日香のおねえさんが駅で、9時12分発ののぼりの列車を待っていた.

「今日は、良い天気でよかったね。」

「はい。12時に、東京駅で母が待っているはずなので、次の電車に乗りましょう。」

 明日香が、さっきから無口なのは、おねえさんの服が派手なのと、いきなり僕にハグしたからだ。

おねえさんいわく、海外なら当たり前だとのこと。

明日香もすればいいじゃん。が気に入らないみたい。

 やってきた電車に乗ったのは良いけど、僕を真ん中に左右に分かれて座る姉妹のどちらと話せばいいのか?

結局ぼくは、どちらとも話せず、新幹線に乗ることになった。

 新幹線では、結構込んでいたので、うまく空いていた二人掛けの席に彼女たちを押し込み、僕は、通路で立っていることにした。美人姉妹が、並んで座っていると、通路を通る人は必ずと言っていいほど、見ていく。

あの、僕も、居るんですけど。

いつまでも、黙ってる二人に、僕はお菓子を差し出した。

「あの、お菓子食べます?」

「ありがとう。」と言って、一緒に手がでてくるのは、双子みたい。

 やっと着いた東京駅の丸の内北口の改札の前に、母の姿がなかった。

「まだ、来てないみたいですね。」

「明日香さん、もしよかったらおねえさんと駅のまわりを散歩してきたら?母が、来たら連絡します。」

「明日香、色々教えてあげるよ。」

「わかった。」

 明日香も、東京が初めてなので色々興味があるみたいでよかった。

これで、おねえさんと仲直りしてくれたらいいけど。

 5分ぐらいたったところで、携帯が鳴った。

「あっ、おかあさん。今、どこ?丸の内の北口で待ってるけど。」

「ごめんね。ちょっと、仕事が入っていけないのよ。」

「代わりに、会社の人間にいかせたから。ゴリラみたいだから、すぐわかると思うけど。」

「もしかして、胸にバラの花挿してる?」

「そうなのよ。美人姉妹が来るって言ったら着飾って、出て行ったのよ。車の運転は確かだから、安心して。」

「わかった。見つけた。」

「今日の夜は、とりあえずおじいさんの所に行ってて。わたしも会長に用があるから夜に合流するね。」

「わかった。」

 ぼくは、電話をきって、さっきから丸の内の北口前をぐるぐる回っている、胸ポケットにバラを挿したゴリラがスーツを着ているような姿の男性に、声を掛けた。

「ボス、こんなところで何してるんですか?」

 びっくりして振り向くゴリラいや、ボスの顔を久しぶりに見た。

「おっ、海人じゃん。久しぶり。」といきなりハグしてきたので、思わず飛びのいた。

「もしかして、ボスも海外で暮らしてたことある?」

「いや、無いけど。」

「で、海人、ここで何してるんだ。」

「東京見学。」

「そうなんだ。」とボス。

「ところで、ボスは何してるの?」知ってて聞くのって、わくわくする。 

「いやね、うちの社長が、八重洲口にうちの息子と美人姉妹がいるから、車に乗せて送迎しろって言われてきてるんだけど。美人姉妹なんていないよね?」

「社長の息子なんて、ボンボンだから時間通りに来るかどうかも分からないし、いけ好かないやつだと思うんだけど。美人姉妹に興味があって来てみた。」

「そんなこと言っていいの。助っ人のおねえさんに言うかも。」

「あのおねえさん、あれから大丈夫だった?」

「ああ、由紀さんは、相変わらず元気だよ。」

「うまくいってる?」

「結構あれから、飲みに行くようになったよ。なんか、君が気に入ったみたいで、よく話に出てくるよ。」

「海人、知らない人と何話してるの?」

おねえさんが、ボスの後ろから声を掛けてきた。

「散歩、どうでした?」

「結構、この辺も変わったわね。明日香に、逆に教えてもらった。」

 僕は、おねえさんの後ろで嬉しそうにアイスクリームを食べている明日香に視線を向けた。

「子どもよね。アイスクリーム買ってあげたら機嫌よくなった。」

「ボス、美人姉妹探してるんなら振り返ってごらん。」

僕の言葉を聞いて、恐る恐る振り返るボス。

明日香は、そのボスの顔を見るなり

「お姉ちゃんこの人だよ。海人にサーフィンで、喧嘩売ってきた人。」

急に小さくなるボス。10㎝は、縮んだ。

そして、僕の方を振り返る。

「いけ好かないボンボンです。」

わっ、また縮んだ。

「あなた、由紀のところの丘サーファーでしょ?」

と明日香のおねえさん。

「由紀と飲んでいると、いつも車で迎えに来てたでしょう?」

更に縮んだ気がした。

「坊ちゃん、先ほどの話はなかったことにして下さい。」

「えっ、どのこと。」

「社長の息子をいけ好かないやつと言ったこと。美人姉妹と聞いて、おめかししてきた事。

 それとも僕にサーフィンで喧嘩売ってきたこと。」

「全部、無かったことにしてください。」

「ダメよ。」姉妹が、ハモった。

「ダメだって。」

「あの、お昼まだでしょう?豪華なところに連れていきますので。」

「それって、玲子さんの行きつけのところでしょ?」

「はい。」

段々声が小さくなる。

「わかったよ。」

「とりあえず、ここではほかの人の迷惑になるから、荷物を車に積んでいきましょう。」

ゴリラと美人姉妹。何事が有ったのかと徐々に人が集まりだしていた。

僕もいるんだけど、この3人だと影が薄くなる。

それから、僕たちはボスに荷物を全部持たせて、車の所まで案内させた。

 ボスは、最初そんなに持てないというような顔をしたので、仕方なく僕は、自分の荷物を持っていこうとしたら、明日香が、それなら私が海人の荷物持ってあげると言ったものだから、結局ボスがすべて持つようになったしまった。

 僕のバックを肩にかけ、キャリーケースを両手で引いているボスの姿がおかしくて、みんなで写真を撮りまくった。

 この人も、なんか憎めないんだよね。

毛嫌いしていた明日香も、すでに馴染んでる。

ボスは、駐車場に止めてあった車に荷物を載せて、

「坊ちゃんは、助手席に乗ってください。それとサングラス。」

「美人姉妹は、後席にお願いします。」

「では、出発しますのでシートベルトをお締めください。」

ボスが、運転席に座ると、都会もサバンナに見える。

「とりあえず、昼食にします。新宿にレストランを予約してますので。」

 皇居のそばを通って、東京の街を新宿方面に滑らかに車を走らせるボス。

でも、さっきから見ていると、周りの車を顔で威嚇して近づけないようにしている。 

 新宿に着くとビルの地下駐車場に入っていった。

「ここの屋上のレストランになります。新宿御苑が見えるので、景色は良いと思います。」

 レストランに入るなり、僕たちは窓際の席に案内された。

「結構いいところですね。」

「まあ、私の行きつけのところですから。」

満更でもないボス。

明日香は、なんかさっきから緊張しているみたい。

おねえさんは、貫録です。

「ここから、大学も近いので歩いて大学まで行きましょう。」

「見学の話は付けてあります。」

「ボス、もうサングラス外していい?」

「あっ、失礼しました。外していただいて大丈夫です。」

「で、サングラスは、何の意味が有ったの。」

「政府の要人を送迎するボディーガードみたいで、かっこいいじゃないですか。」

ああ、それで運転中に窓から手を出したり何かしてると思ったら、成りきっていたんだボディーガードに。

確か、ケビン・コスナーだっけ。

「みなさん、フルコースで良いですか?」

明日香が、急に

「フルコースは無理。何かほかのものにして。」

僕も、そんなには食べれないので

「ボス、ランチか何か無いですか?軽いもので良いです。」

「みなさん、お嫌いなものはないですか?」

「ないでーす。」と3人。

「では。」と言って、手際よくメニューを注文するボス。

「デザートは、お好きなものを選んでください。」

とメニューを渡された。

僕と明日香は、チーズケーキとアイスティー、おねえさんは、ティラミスとアイスコーヒーを注文した。

ボスは、その後ちょっと失礼と言って席を外した。

 しばらくして、料理が運ばれてきた。

それは、ちょっとしたコースににはなっていたが、量が少なくお箸でも食べれるような料理だった。

高校生の僕と明日香は、それで十分だったけど、おねえさんとボスはちょっと物足りなそうだった。

食事が終わって、そのビルの玄関まで下りて行った。

それから、僕たちは、K大まで歩いて行った。


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