「お前が言うな」
俺の名前は薄田 幸夫
自分で言うのもなんだが成績優秀、スポーツ万能、友人も多くクラスメイトからの信頼も厚い。
今日は意中のあの子に告白をする
「好きです!付き合ってください!」
告白した相手は違うクラスだが容姿端麗、成績優秀、The清楚美女!の香純さん。同じく図書委員でほんの趣味もあい話が弾みどんどん惹かれていった。
放課後も2人で勉強をしたりたまに本屋にデートに出かけたりなど仲はいいし自信があった。
「ごめんなさい!とてもいい人だけども友達としてしか見れないの」
僕の自身は間違いだったようだ…
「友達を待たせてるからごめんね?」
遠くから声が聞こえる
「ごめーんまった?」
「香純おそーい!何があったの?」
「告られてたの笑」
「え?誰から?」
「薄田くん笑」
「え?マジか笑鏡みてから告れば良いのに笑」
「さすがに言い過ぎだよ笑性格いいし優しいんだよ?」
「「ただ顔がねぇ笑」」
そう俺の容姿は決して褒められたものでは無い…
例えるならば野生のゴリラのような顔と言えば分かりやすいだろうか
太い眉毛、剃っても青くなる濃い髭、ニキビ、柔道部のようなガッシリとした体型
現在のいい男の条件には当てはまらない。
???「元気ないね笑また振られたの?笑」
???「鏡見ないからさぁ笑」
このうるさい声はよーく知っている。
幼なじみの急登 アリス(きゅうと ありす)だ。
アリスは同じクラスで幼稚園からの腐れ縁だ。容姿は150cm程度の小柄でウェーブがかった金髪ショートヘアー、青い瞳をしている。イギリスと日本のハーフで世間一般的に可愛いと言われる容姿をしており男子からの人気も高い。因みに英語は赤点ギリギリ。
「こんな人気の少ないところでなにしてるんだ?」
呆れながら声をかける。
「別にあんたに言うようなことでは無いんだけどさ笑」
「サッカー部のチャラついた男から告白されたのよ笑」
「一目惚れです付き合ってくださいってね笑」
…なんだ自慢か
「んで?付き合ったの?」
一応聞いてみる。
「そんなわけないじゃない笑」
「あんたみたいな自惚れ屋が他にもいたから笑い話をしてあげたんじゃない笑」
…ほんとに余計なことばっかり言う。こいつは顔だけがいいのだ。性格は最悪。
「ん?サッカー部のチャラついた男?」
「佐藤くんか?」
「あ〜そんな名前だったわね」
「クラスでも人気だろ!爽やかイケメンって!!」
「言われてみれば?」
「言われてみればってお前な」
呆れて力が抜けてくる。
「でも見た目がいくら良くても中身がスカスカなら意味ないわ」
「可愛い私に釣り合わないもの」
ん?慰めてくれてるのか?それとも
「まぁ顔も大事だけどね笑」
うんだと思った。
「さっきから顔顔うるせぇよ笑」
ただ弄ってくれて気持ちが軽くなったのは事実。なんやかんや憎めない性格をしていて俺は嫌いでは無いのだが…
「ねぇねぇ!佐藤?の話もっとしたいからどっかご飯行きましょ?」
「あんたの奢りで!」
「え?おかしくない?振られて傷心中なのに奢りまで?」
「あったりまえでしょ?こんな可愛い私とご飯に行けるんだからありがたく思いなさい笑」
まぁ俺の気分転換にもなるしいいか…
「仕方ない。行きますか笑」
「ただ俺の愚痴も聞いてもらうからな?」
「手短にしなさいよ?」
「そうそう振ってやった佐藤ったらね?…」
悪口のオンパレード。佐藤くん好きになる相手が間違ってたよ…
ただイケメンは腹立つから今度会ったら教えておいてやろうアリスはいい女だよ(顔だけがな)って