第49話 イオ第2学園に入学・4
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読者の皆様ありがとうございますm(_ _)m
まだ掲載予定は先になるのですが、新作を作ってるので良ければお楽しみにしていてください(^^)
ぶっちゃけ……めっちゃ面白いと思いますよ?笑
「次、114番と214番」
やっと俺の番が来たか。この魔力測定は他の受験生に魔力測定の結果が伝わらないよう、記録係をする人は一応個室のような囲いの中で記録している。魔力測定具近くに行かないと結果は聴こえないし、見えもしないだろう。
……そういえば最後に魔力測定したのっていつだったか? あ、地獄の遠征で終わって、リアンが誘拐される前にアクアラの冒険者ギルドで測ったのが最後か。
確かあの時は2万6千だったかな? 今ではどのくらいあるんだろうか。あの時より多少増えたとは思うんだけど。
「ではこちらに手を添えてください。準備が出来たらいつでも魔素を流していただいて大丈夫ですよ」
係の人に誘導されて、俺は魔力測定具に手を触れる。そしていざ魔素を流そうとすると……
「ああ、お前ユーエの弟子だろ? あいつから話は聞いてる。全力でやれよ? 言ってる意味伝わってるよな?」
だらしない無精ヒゲのおじさんがそんな事を言って来た。
確かナグルドって名前だったか。俺は師匠から何も聞かされていない。けど、これは明らかに『限定解除』を使えって言ってるよな。
俺が魔素を流さずに固まって考え事をしていると、ナグルドが口を開く。
「お前筆記試験の魔学で最後の問題解いただろ? あれはお前の為に用意された問題だ。今更気にしても遅いんだからさっさとやっちまえ」
あんのっっ馬鹿師匠がっ! 何勝手に人の魔法を教えてんだよ! 何も言って来なかったのは、俺に怒られると思って黙ってやがったな。
…………はあ……この人の言う通りに今更気にしても遅いか……でも帰ったら師匠には説教しなければな。
「わかりました。ただし、先に普通に魔素を流すので、公式な記録はそっちにしてもらっていいですか?」
ぶっちゃけ『限定解除』はズルみたいなものだと思う。そこまで気にする必要は無いのかもしれないけどさ。
「先にそれやってからでも次の魔力測定に支障は無いのか?」
「ありません。細かく言うなら先に減らした分の魔素は足りませんけど、誤差の範囲だし気になるなら先に測定した分と足して計算すればいいですよ」
「わかった。じゃあやってくれ」
俺は今度こそ魔素を流し始める。通常時の全力だ。
「さ、……3万……5千です……なんですかこの子……」
記録係の人がそんな事を言う。
3万5千か。師匠が5万くらいのはずだから、まだ届かないな。
「言ったろ?このガキはユーエの弟子だよ。じゃあ例のもやってくれ」
一度頷いてから俺は口を開く。
「限定解除」
周囲の魔素がごっそりと消え失せる。その全てが今俺の中にあるのだ。
「はっはっは! こりゃすげぇ!」
やはりペンドラ騎士団レベルの人間になると、俺の体内に渦巻く膨大な魔素がわかるのだろうか。ナグルドは俺を見ながらはしゃぐように笑っている。
さて、俺もずっと気にはなっていた。『限定解除』を使ったらどれほどの数値になるのか? 今日が初測定だ。
「流しても大丈夫ですか?」
俺は念の為に記録係の人に確認する。
「え? え、えぇ大丈夫です。どうぞ」
まだ動揺が抜けてない声だが、オーケーは貰えた。さあ行くぞ!
俺は体内の魔素を全力で魔力測定具に流し込んだ。
「…………け……」
け? 記録係の人が続きを口にせず固まる。そして数秒後に口を開いた。
「け、……計測…………不能です…………」
計測不能?
「おいおいマジかよ!? その魔力測定具って確か30万まで計測出来るだろ!?」
「…………つまり……最低でも30万以上かと……とても信じられない事ですが……」
ナグルドは俺に近寄って頭を雑に撫で始めた。
「がっはっはっは! ユーエの弟子っていうからどんなのかと思っていたが、お前すげぇな! 吸血鬼を俺以外に素手で倒した馬鹿が居るって聞いてたけど、予想以上に馬鹿げたガキだったわ」
なんだこいつ馴れ馴れしい。ていうかこいつも吸血鬼を殴って倒した事あるのか。
「あの、終わったならもういいですか?」
俺は笑いながら頭を撫でる事を止めないナグルドにそう伝える。
「ああもういいぞ」
やっと俺は解放されて元居た場所に戻った。程なくして全員の魔力測定が終わり、次は体力測定だと説明される。
俺は体力測定も満足出来る結果を残せた。そして……次は模擬戦闘だと説明される。
「お前らには受験生同士で今から模擬戦をしてもらう。こっちで組み合わせは用意してあるから相手は決まってるぞ。そして、この建物は特殊な魔法領域となってる。魔法で怪我をする事は無いが、しっかりと防ぐか避けるかするように」
そう言ってナグルドは模擬戦をする順番とルールに、ペアが記載された紙を受験生達に配る。
俺はその紙を受け取ってルールを確認する。
ルール1、どちらかが負けを認めるか、試験官の判断にて模擬戦は終了。
ルール2、武器の使用及び殺傷目的である魔法以外の技術は使用禁止。
最後に勝敗によって評価が変わる事は無いが、正々堂々全力を尽くすようにと書いてある。
俺が気を付けるべき事は肉体的な接触は避ける事だな。特殊な魔法領域とやらで何かしら魔法の効果を無効化しているんだろうけど、ルール2を見るならばそれ以外は防げないという事だろう。
さてと、俺は何番目かな? 模擬戦の順番が書かれている部分に俺は目を向けるが、俺の番号が無い。見逃したかと思って再度目を通すが、やはり無い。
俺が番号を必死に探していると、ナグルドが口を開く。
「それと、ハヤト・ヴァーチは受験生の人数的な問題にて順番は最後、そして相手は俺だ」
凄いニヤニヤしながらそんな事を口走る。
こいつアレだ。多分戦闘狂だ。師匠と同じタイプで脳筋っぽい。
懐かしいな……師匠と初めて会った時もいきなり模擬戦させられたっけ。あの時は負けたけど、今回は負ける気がない。
「わかりました」
俺は一言そう口にしてから、先に始められた他の模擬戦を眺めながら自分の番が来るまで待つ事にした。
ん? 次はタニストか。タニストの相手は……いかにも騎士爵家で育ったっぽい礼儀正しそうな男の子だな。
昔のヨガル兄みたいな雰囲気があるから跡取り息子として育てられてるのかな? よし、心の中で応援しようじゃないか!
頑張れヨガル兄っぽい人! そんなクズぶっ飛ばしちまえ〜!
「では87番と128番の試合……始め!」
「火より彼の者を焼き、風より火を覆い尽くせ、我が求めるは炎の風!」
試合が始まる。タニストは直ぐに距離を取り、詠唱を始めて式の構築をする。二属性魔法だし詠唱も式の構築もなかなか早いじゃないか。
「くっ……土より我の前に壁を、水より土を覆い守れ、我が求めるは…………」
それに対してヨガル兄っぽい人も慌てて詠唱を始めて式の構築に入る。遅くは無い……遅くは無いけど、後出しで二属性魔法でそれだと間に合わないぞ?
「焼き尽くせ、ファイアストーム!!」
ああ……言わんこっちゃない。先にタニストが魔法ぶっ放しちゃったよ。
しかも、地味に選んだ魔法がいいね。直接ダメージじゃなくて炎の竜巻で相手の周りの空気を焼いている。
流石に魔眼持ちのリアンじゃなく、ガナエリ家の次期跡取りとして選ばれた双子の兄だけはある。込められた魔素もそこそこ高い。俺にはまるで届かないけどね。
そのままヨガル兄っぽい人は酸欠状態となり負けてしまった。試合が終わった後にタニストは俺の方に向かって歩いてくる。
「見たか?ガナエリ家の神童と呼ばれる俺の力を。アレは必ず返してもらう」
タニストは俺の前で止まり、少しも負ける可能性を考えていない自信満々な顔でそんな事を口にする。
まあこの年齢であれだけ出来るなら凄いのかもしれないな。でも……
「言ったろ?お前みたいなやつにリアンは絶対渡さない」
リアンをアレ呼ばわりするこんなクズに絶対負けてなんてやらない。
「ふっ……どうせ結果が出ればアレは俺の物だ。せいぜい無駄な努力でもするんだな」
そう言ってタニストは俺から離れていった。ホントあのクズムカつくな。
俺はイライラしながら自分の順番が来るのを待った。
明日も19時頃更新となります!19時ピッタリじゃなくて19時〜19時20分の間に更新する事が多くなると思いますのでよろしくです!
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