第4話 転生したら男の娘だった・4
R15作品です。
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@akira_kouno0918
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あれから……
そろそろこれもういいかな。
この俺ハヤト・ヴァーチは5歳になりました。
ついに俺もメニルお母様の魔法講座を受けられるのだ。
まぁ基礎の内容はもう知ってるんだけどね。
ヨガル兄が勉強してる時に近くで聞いてたし。
問題はそこじゃないのだ。
これで俺は大手を振って魔法の練習が出来るようになる。
ちなみに魔法の基礎は簡単に説明するとこんな感じ。
第1段階・魔素をイメージによってコントロールする。
第2段階・コントロールした魔素をイメージで属性に変換する。
属性は基本とされる無・火・水・土・風・雷・光・闇の種類がある。
第3段階・式を構築して、そこに属性変換させた魔素を通す。
第4段階・式を通った魔素が、魔法として外に放出される。
こんな感じで魔法というのは発現する。
ちなみにヨガル兄は最近第3段階の式の構築を練習中だったりする。
ちなみに俺は第2段階の属性変換までを練習してきた。
俺が属性変換出来るのは全属性である。
毎日練習した甲斐があるってもんさ。
「それではハヤトちゃんにも遂に魔法を教えたいと思います!」
「パチパチパチパチ」
さぁ始まりましたメニルお母様の魔法講座!
先ずは魔素運用の説明が……
「ハヤトちゃんは今どこまで出来ますか?」
あ……あれぇ?
俺がキョトンとしているとメニルお母様は続けて話し掛けてくる。
「ヨガルお兄ちゃんと一緒にお勉強してたの知ってるんですよ? パパにはまだ話してないけど、ママの目は誤魔化せません! えっへん!」
バレてらぁ……
まぁ別にバレてても問題無いというか、むしろ今に関して言えば好都合である。
既に知っている基礎を素っ飛ばせるのだから。
「えぇと、魔素運用はもう出来てて属性変換も出来るようになってる」
「え?」
一瞬メニルお母様はキョトンとする。
「ハヤトちゃん属性変換もう出来ちゃうの?」
「うん」
「ちなみにどの属性が出来るようになってるの?」
「基本は全部」
「……ん?」
あぁこれは流石に驚かれるよな。
メニルお母様は先程とは違って引き攣った顔のまま固まっている。
「……こほん、基本の全部っていうのは八主要の全てって事?」
八主要とは魔法の基本属性を総称した呼び名だ。
「はい全部です」
「ハヤトちゃん……本当に全部なの? 見栄張ったりもしてない?」
「本当に全部です」
メニルお母様は徐に立ち上がった。
そして……
「パパぁぁ!! 緊急事態よぉ!!」
魔法騎士団のお仕事で今の時間は居ないクラガお父様に対して、叫ぶメニルお母様である。
「あの、メニルお母様?」
「ハヤトちゃん! ハヤトちゃんにはママは教えられないわ! パパに習った方が絶対いいはずよ!」
これは……少し不味いかもしれない。
何が不味いかっていうと、俺の家は貴族だ。
そして今のところ次期当主はヨガル兄である。
ヨガル兄であるわけだが、ここで俺が突出して優秀だとわかると、そうとも言い切れなくなる。
つまり俺とヨガル兄で貴族の当主を巡って競う事になり得るのである。
俺はそんな事など御免被りたい。
ヨガル兄は好きだし、とても優秀だと思う。
俺みたいな転生者というズルをしてる人物が、ヨガル兄の人生を奪うような事など許されないと考えてる。
だからここで俺が言うべき事はこれだと思う。
「メニルお母様、俺はヨガル兄の弟でヨガル兄はこの家の次期当主ですから、クラガお父様にはこの事はしばらく話さないで欲しいのです」
メニルお母様はまたキョトンとした顔で一瞬固まり、そして難しい顔をして考え込み始める。
そして俺は駄目押しの一手を打つ。
「それに俺は当主よりも冒険者になりたいんです」
メニルお母様は俺の顔を真剣に見る。
それが本心かどうか探るように目を見据えて……そして微笑んだ。
「ハヤトちゃんは冒険者になりたかったのね? わかったわ! パパにはしばらく内緒にしときましょう!」
どうやら信じてもらえたようだ。
この世界には魔物が存在する。
そして魔物は人を襲う。
冒険者はそんな魔物から人や街を守っているのだ。
俺はこの世界に来れると知った時から考えていた事がある。
(理不尽の権化である魔物を倒す冒険者に俺はなりたい)
転生したばかりの頃は魔物が実在するのかもまだわからなかった。
GFOに似ているとはいえ、全てが同じ訳ではないのだから。
そして魔物が実在したとして、その魔物が俺のイメージ通りであるかもわからなかった。
しかし魔法騎士団に所属するクラガお父様のお仕事の話と、もう少し幼い頃にメニルお母様に読み聞かせてもらった絵本などから考えるに想像通りだと思う。
想像通りに理不尽の権化。
幼いながらも俺は冒険者になりたいとずっと考えていた。
そして今日それをメニルお母様に打ち明けた。
反対されるかもと思っていたが、どうやら大丈夫らしい。
「ハヤトちゃんは賢いし凄いから大丈夫ね! ママ応援しちゃう!」
「メニルお母様……ありがとうございます」
「でもどうしましょう?私じゃ式の構築は上手く教えられないかも……ヨガルお兄ちゃんもパパから本格的に習い始めてママが教えれる事も無くなってるし……」
そこは既に俺に考えがあったりする。
というかメニルお母様に習いながらもやる予定だった事である。
それは……
「図書館に行こうと思っています」
という事である。
図書館に行けば魔法に関する書物も大量にあるはずで、その中には教科書のような書物もあるはずである。
「なるほどねぇ、ハヤトちゃんならそれでも大丈夫かな? ただ、図書館に行く時はしばらくママも一緒に行くわよ?」
「ミレニーもハヤトにぃと一緒に行く〜」
いつの間にかミレニーが後ろに居た。
多分さっき家に居ないクラガお父様に向けて叫んでいたメニルお母様の声で、様子を見に来たのだろう。
「ミレニーも一緒に勉強するか?」
「する〜」
「あらあらミレニーはハヤトお兄ちゃんが大好きなのねぇ」
「ハヤトにぃすき〜」
ミレニーたんマジ天使。
俺はミレニーと手を繋いでメニルお母様と一緒に図書館に魔法の書物を借りに行った。
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