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第41話 王都に帰還する・10

R15作品です。



Twitter始めました!

@akira_kouno0918


面白い!先が気になる!と思って下さる方は良ければブックマーク・感想・レビュー・評価よろしくお願いします。



「良く来たなユーエ・スフィアの弟子よ」


そう言ったのは執務室の奥の椅子に座る金髪で立派なヒゲを携えた人物だった。



俺とリアンは屋敷に入った後、執事長のセウスタに案内されて当主のガウルが居る執務室まで案内されたのだ。



そして出迎えたのが、ガナエリ家現当主であるガウル・ガナエリだった。



「お初にお目に掛かりますガウル・ガナエリ様。私はハヤト・ヴァーチと申します」


俺は軽く自己紹介をする。


師匠の弟子だとわかっているのなら話はスムーズに行くかもな。



「それで?今日はどのようなご要件かね?小さな騎士くん?」



ガウルはリアンの存在を無視するかのように俺だけしか見ない。


その目は俺を品定めするように細められていた。



「単刀直入に言ってもよろしいですか?」



ガウルは少し訝しむような顔をしながら続きを促してくる。


「リアンをくださいませんか?」


それを聞いたガウルは一瞬目を見開いてから高笑いを始める。



「ふふっ…ふはははっ…はっはっはっはっはっ!!」


ほう…これが笑いの三段活用か。

生で見るのは初めてだな。



ちなみに横に居るリアンは何故か顔が真っ赤になっている。



「小僧」


ガウルが真面目な顔をして俺を呼ぶ。


俺が男だとちゃんと伝わっているのだな。


「貴様はリアンと結婚すると、そう申しているのか?」



結婚!?!?


俺はガウルが何を言っているのかわからずにリアンを見る。



するとリアンは顔を真っ赤にしながらそっぽを向いてしまった。



………あっ!!!


あの言い方だとそりゃ勘違いもするか…ミスったな。


「いえ…そういう訳ではありません。率直に言うならガナエリ家にリアンを手放してもらいたいのです」



「ほう?それは何故だ?」


ガウルは顎に手をあてながらまた品定めするようにこちらを見ている。



「リアンは此処で暮らすべきではないと判断しただけです」


ガウルは一度目を瞑って何かを考えてから口を開いた。



「ダメだな。リアンは魔眼を持っている。つまりガナエリ家の血が濃いという事だ。本人は未熟で使い物にならなくとも、10年後には母胎として使えるだろうからな」



………本当に。


この世界の汚い人間達はどれだけ俺を不愉快にさせるのだろうか。


いや……俺が知らないだけで日本でも汚い人間は腐るほど居たのだろうけど。



リアンを母胎に…つまり子供を産む道具として生かしていると?



「まったく………リアンが産まれてなければ恐らくは双子の兄であるタニストに魔眼が宿ったであろうに……」


双子の兄のタニスト?


それがリアンよりも優秀だと言われるガナエリ家の息子か。



それにしてもリアンが産まれたから魔眼が息子に宿らなかったとも取れる言い方だよな。


「すいませんちょっといいですか?」



ガウルは溜め息を吐きながらこちらを見る。


「なんだね?」


「まるでリアンが産まれたからご子息に魔眼が宿らなかったみたいな言い方ですが、ご子息に魔眼が宿らなかった事とリアンが産まれた事は関係が無いのでは?」



「知らぬのか?双子は本来一人が持つべき魔素と才能を奪って産まれる忌み子であろうが」



うん?


何を意味のわからない理論を言っているのだろうかこのおっさんは。


「そんな事実は無いと思うのですが?」



「何を言っておる。事実、タニストが持つべきだった魔眼をリアンが持っておるではないか」



ああなるほど。


この理論を前提にして考えたなら、双子だから比べられて片方が優秀ならもう片方は優秀な方から才能や魔素を奪った忌み子として扱われるのか。



そこには親の身勝手な理想と願望が含まれているのだろう。


自分の子供はもっと優秀なはず。


もっと出来るはず。


でも出来てない。


それは忌み子の所為だと決め付けて親のストレスの捌け口にされる。



そして俺は知らなかった事だけど、それが当たり前だと伝わっているのだろう。




知らないが故に都合の良いように解釈する。

そして都合の悪い部分は見ない。


見ないだけに飽き足らず、排除しようとする者も出て来る。



この件に限った話じゃないな。


日本でもそんな事はザラにあった。




そしておそらく。


何を言っても無駄なのだろう。


今の俺には明確に示せる根拠など無い。



日本に居た頃にネットで学んだ事だが、こういう輩は証拠が無ければ全く聞く耳を持たない。



だからもう話すだけ無駄だろう。


俺は面倒になって切り出した。


「もういいです…面倒なやり取りは抜きにしましょう。どうすればリアンを手放してくれますか?」



ガウルは待ってましたと言わんばかりに汚い笑みを浮かべる。


母胎だのなんだの言ってはいたが、最初からこの話をしたかったのだろう。



「小僧は何を出せるのだ?」


値踏みするように質問してくる。


「お金ならある程度は俺(・)が出せます」



ここで師匠の名前を出したら吹っ掛けられる可能性が高い気がするので、俺が出すという部分を強調する。



「ふむ…それはどの程度かね?」


なんて答えるべきだ?


本当は出来るだけ師匠に迷惑を掛けたくない。


なら出来るだけ少ないお金で済ましたい。




そう考えながら俺は横目にちらりとリアンを見る。


自分がどうなるのか不安に思いながらも、ジッと俺を見ていた。


その瞳には俺を信じているという強い意思が感じられる。



……そうだな。


俺はリアンに何とかしてやると言った。


そしてリアンはそんな俺を信じてくれている。


そんなリアンを俺は裏切れないよな。



そう思って俺はガウルに視線を戻して口を開いた。



「3000万ファジーが限界です」






…………師匠ごめんなさい。


出来るだけ値切るつもりだったけど、そんな事を俺はした事無いし。


貴族の当主と腹の探り合いとか無理です。


リアンを裏切れないなんてカッコイイ理由を考えたけど、単純に自信がありませんでした……



そんな事を思っているとガウルが口を開いた。


「よかろう。その話に乗ってやる」



俺はその答えを聞いて遠い目をしながら心の中で再度師匠に謝る事にした。


さよなら師匠の3000万ファジー。

次の更新も明日の19時となります。


ここ数日自分の作品が面白いのか少し疑問に思っております。


アクセス数は確かに増えてます。

それに比べてブックマークやレビューに感想はあまり増えてませんし、評価もあまりして貰えてません。


それはつまりアクセスしていただいてもブックマーク・感想・レビュー・評価がされてないという事で、面白く無い作品だからページを閉じられてる可能性が高いかもしれないという事で…



面白い!先が気になる!と思って下さる方は良ければブックマーク・感想・レビュー・評価よろしくお願いします。


本当に作者の励みとなり、モチベーションに繋がりますので是非お待ちしております。

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