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第30話 魔人との初遭遇・1

R15作品です。


アクセス数4000突破、ユニーク800人突破です!!

読んでくださる皆様ありがとうございます!


良ければブックマーク・感想・評価・レビューもよろしくお願いします!


4月27日21時過ぎに誤字修整しました。



魔物を殺す事に関して悩んでから翌日。



スッキリとした目覚めで俺と師匠はまた、また魔物を狩り始める。


なんていうか、身体が軽い。


思考がクリアーになったというか、思った通りに身体が動く感じというか。



心と身体がマッチしたとでもいう感じかな。



とにかく調子が良い。



「動きも顔付きも見違えたわね」


師匠が魔物を狩る俺を見てそう言う。



他人から見てもわかるレベルで違っているのだろう。



「これなら魔人とか出ても平気な気がしますよ」


ちょっと調子に乗ってしまう。


でも仕方が無い。


それほどに俺は今、絶好調なのだ。



「慢心は駄目よ?調子に乗って命を散らす者達を私は腐るほど見てきたわ」


流石三百歳超えのおば……


おっと、師匠がこちらを睨んでいる。

相変わらず勘の鋭いお姉さんだ。



俺はノリに乗っていた。



魔人でもなんでもかかってこい!なんて思っていた。



思っていたからだろうか。



「ほう?感じ慣れぬ魔力を見付けて見に来てみれば…こんな所に人族の女と娘がいるとはな」



出たよ。


仮面とかしてて顔がいまいちわからないけど、肌の色が物凄く白くて生気を感じられない。


魔人…だよな?


「…いい?合図したら直ぐに走りなさい」


師匠が小声でそんな事を言う。


そんなにヤバイのだろうか?

感じる威圧感はそれ程でも無いのだが…大丈夫なのではないだろうか?



「いや、俺でもいけます」


そう言って俺は一歩前に踏み出した。


師匠が驚愕の顔をして止めに入ろうとした瞬間、魔人が話し掛けてきた。



「まあ待て、久しぶりの人族だ。お互い自己紹介くらいしようではないか?」


そう言って魔人は仮面を外す。


意外と…いや、かなり美形の若い青年のように見える。


「我が名はファセス。吸血鬼族の者だ」


吸血鬼ファセスはそう宣言したまま動かない。



………これはどうすればいいのだろうか?


もう攻撃していいのだろうか?



迷って俺も師匠も動かず固まっていると。


「人族はこちらが名乗っても名乗り返さぬのが礼儀なのか?お主等も早く名乗らぬか」



俺と師匠は顔を見合わせる。


これは一応名乗るべきなのだろうか。


「私はペンドラ騎士団団長のユーエ・スフィアよ」


迷っていると師匠が先に名乗る。



「なんと…あのペンドラ騎士団のか?魔族の間でもその名はとどろいているぞ」


吸血鬼ファセスは感心したかのように頷いている。


「して、そっちの娘はなんだ?」


俺は魔人から見ても女に見えるらしい。


「俺は団長の弟子で、ハヤト・ヴァーチ…男だ」



吸血鬼ファセスは「なんと…」と言いながら驚いている。


何に驚いているのだろうか?


どうせ俺が男だと言った事にだろうが、慣れたとはいえ種族を超えてまでこれだと少し悲しくなる。




「さて…自己紹介も終わったが…人族よ、この魔物の領域で何をしておるのだ?大体予想はしてるがな」



吸血鬼ファセスがそう問い掛けてきたのだが、ここからの対応は師匠に任せた方がいいのだろう。


「私達は魔物の間引きをしてるわ」



それを聞いた吸血鬼ファセスは少し不機嫌そうな顔をする。


「やはりか、ならばお主等はここで殺さねばならんな」



そう吸血鬼ファセスが言った瞬間。


今まで感じていた軽い威圧感はなんだったのかと思うほどに、吸血鬼ファセスは重苦しい威圧感を放つ。



……なるほど…これが魔人か。


俺はまた調子に乗っていたのだろう。



師匠に模擬戦で負けた時に学んだはずだったんだけど…俺は学んでなかったらしい。



でもこの威圧感ならばおそらくは俺でも通用する…


俺は今どの程度戦えるのだろうか?


吸血鬼ファセスはどのくらい強いのだろうか?





……試してみたい。


俺が今、どの位置に居るのかを知りたい。



俺はこの吸血鬼ファセスと…戦ってみたい。



「師匠」


師匠が俺の呼び掛けに振り向く。


「俺にやらせてくれませんか?」



再度師匠は驚愕の顔をする。


「わかってるの!?これは命が賭かってるのよ!?」



確かにその通りだ。


俺は負ければ死ぬのだろう。


そしておそらく師匠に任せれば何も問題無いのだろう。



でもさ。


俺は自分の力を知りたいんだよ。


周りの人達が俺を凄い、強いと言う。


師匠に至っては国の中でも俺を止められるのは私くらいなんて言っていた。




でも俺はそれが本当なのかがわからない。


自分は他の同年代に比べれば格段に強いだろう。



大人でも一般的な強さの人達にも負ける事は無いだろう。


でも師匠には負けた。



ペンドラ騎士団の強さも見た。



地獄の遠征前の俺は…魔素量が多くたって、凄い魔法が使えたって、それを活かす為の戦闘経験が俺には圧倒的に足りてなかった。



でも…俺は魔物とここまで戦い続けてきた。


戦闘経験を積んできた。



だから………試したい。



「わかってます…でも、それでもやらせてください」


「………駄目よ。私は君を死なせる訳にはいかない」


「師匠!!」


「………」


「お願いします師匠!!」


「………あ〜もう…わかったわよ!ただし、私が危ないと判断した時には手を出すからね!?」



「わかりました!」



良かった、師匠からの許可は貰えた。


あとはこの吸血鬼ファセスと戦って……勝てばいいだけ。



「話し合いは終わったか?我の相手はそちらの小僧で良いのだな?」


吸血鬼ファセスが師匠に向けてそう問い掛ける。



「ええ……不本意だけど、この子が危なくなるまでは手を出さないわ」



師匠が諦めの表情でそう答える。


「よかろう。では小僧、いつでもかかって来るが良い」



俺は黒刀・羅刹を構えて吸血鬼ファセスを見る。


俺はこれから殺し合いをするのだ。



本当に命を賭けた戦い。


負けたら死ぬ。


それは怖い。


でも……



俺は恐怖を置き去りにして吸血鬼ファセスの後ろに転移した。

明日も19時投稿予定です。


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