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第21話 地獄の遠征に行く・7

R15作品です。


Twitter始めました!

@akira_kouno0918


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チリリーン


屋敷の呼び鈴が鳴った。



メニルお母様が対応に向かう。


俺も後ろを付いて行く。



普段は付いて行ったりしないのだが今日は違う。


なにせ刀が届く日なのだから。



「は〜い、今出ますぅ」


玄関を開けるとそこにはガイアス副団長様…ではなく、何故かユーエ団長様が居た。



「弟子に会いたくて来ちゃった…てへっ」


何言ってんだこの団長様は。


ていうかもう直ぐに地獄の遠征なのに仕事は無いのか?

3日後だぞ?



見ろこの固まったメニルお母様の困惑顔を。


何が起きてるのかわからないメニルお母様に説明しよう。


「メニルお母様、こちらの方がペンドラ騎士団団長で、俺の師匠になる事になったユーエ・スフィア様です」



あれ?

メニルお母様の困惑顔が晴れない。



…あぁなるほど。

俺と同じようにこんな組織の上の人物が仕事を放り出して来たのか?と思ってるのか。


そりゃそう思うよな。



「ハヤトくんのお母さんのメニル・ヴァーチさんですね?初めまして、ペンドラ騎士団団長のユーエ・スフィアと言います」


困惑顔で固まるメニルお母様に見兼ねた団長様が挨拶をした。


「はあ…どうも…それで今日はどのようなご用件でしょう?」


なんとか再稼動したメニルお母様である。



「ええまぁ、一つは武器が完成したのでそれをお届けに、もう一つが転移魔法をガイアス副団長に習ったそうなので様子見をしに…ですね」


その後にボソッと小さく「後はまぁサボりに…」と呟いたのを俺は聞き逃さなかった。



このお師匠様は弟子を口実に仕事を放り投げて来たのだろう。


まったく…俺の師匠はだらし無いらしい。



「これが完成した武器です」



そう言って団長様が手に持ってる刀袋から完成した刀を取り出す。



ザッ日本刀って感じだが、俺に合わせたのか?

脇差しと呼ばれる少し短めの日本刀である。



団長様は俺にその脇差しを手渡す。


「抜いてみてもいいですか?」


こくりと頷いてくれたので、その場で確認する。


おお…これはなかなか。


刀身が真っ黒だ。

真っ黒でありながら、傾けると見える光が磨き抜かれて鏡のようになっているのだとわかる。


刀の良し悪しなど判断出来ない俺だけど、素人目に見ても素晴らしい出来栄えだと思う。



「その刀の銘は「黒刀・羅刹」ね。君のあの技を見たイメージから作ってる。大事にするんだよ?」


黒刀・羅刹。


名前も見た目もなかなか中二病な刀だが…俺は嫌いじゃない。


むしろ好きだったりする。



「はい!大事に使わせていただきます!」


素直にそう言葉が出た。


そうすると、団長様がにっこりと微笑んだ。


あれ?

この団長様こんな可愛いかったっけ?



いやまぁ元々美人だけどさ。



今まで見てきたのが少しアレな感じだから、こんな笑顔はギャップで可愛く見えるんだろう。


そういう事にしておく。



「メニルさん、少しハヤトくんを借りても大丈夫かな?」


メニルお母様は突然そう言われてどうすべきかわからずに俺に目を合わせる。


多分俺が決めろという事なので頷いておく。



「はい、構いませんよ」


「じゃあハヤトくん、少し庭に出ようか」



そうして俺と団長様は二人で庭に出る。



二人きりになった段階で師匠が突然に、俺がずっと隠して来た事を質問する。



「君、転生者だよね?」


一瞬何を聞かれたのかわからずに俺は固まって、そして直ぐに周囲に他に聞いた者が居ないか確認する。



「心配しなくても誰も聞いてないよ。それで、転生者なんだよね?」


これは…どうすべきだ?


今まで何と無く隠して来たのだが…話す事で俺のデメリットになる事はあるのか?



いや、多分この人は既に確信しているのだろう。


隠すだけ無意味か。


「確かに俺は転生者ですが…よくわかりましたね」


「君は一度私の執務室に来ているだろう?転生者は私のフィギュアを見る目がこの世界の人達とは違うのさ」



あぁなるほど。

確かに違うかもしれない。


「まぁ転生者はたまに居るから気にする事も無いよ?わかってると思うけど私も転生者だし、私が知るだけでも君を含めて3人の転生者は話した事があるし」


ふむ、まぁ俺や団長様のような人物が居るわけだから他にも居るとは思っていた。


「ちなみに私と私が出会った君以外の二人も日本人だったけど、君も日本人だったの?」



俺は頷いておく。


「やっぱりね〜、オタク文化に興味を示すんだからそうだとは思ってたよ」


「団長様はそれを判断する為にフィギュアを飾ってるんですか?」


疑問に思ったので聞いてみる。



「その前に、これからは私の事を師匠と呼んで欲しいかな?団長様って呼ばれるとなんか距離を感じるんだよね〜」



「わかりました」


「それでフィギュアだけど、作って飾る理由は8割趣味で1割が魔法の練習でもう1割が転生者にわかる目印として…かなぁ?」


なるほど。

やはり思ってた通りオタクの方なのか。


「そうなんですか、ところでだん…」

「師匠」


そんなに師匠呼び大事か。


「……師匠は何をしにわざわざ自らこちらへ?お仕事なども忙しいはずだと思うのですが」


だって3日後に地獄の遠征だよ?

仕事がない訳が無い。


「敬語もなんか嫌だけど…まぁそれは後々でいいか。さっき君のお母さんの前で話したのが主な理由だけど、君が転生者なら少し説明もした方がいいかなと思って一応確認しに来たんだよね」



説明?

転生者だからする説明か。


気になるな。



「まず君はどうやって転生したかなんだけど、多分神様とかに会って転生してるよね?」


俺は頷く。


「私もそうだったんだけど、この世界って神様が居るんだよ」


神様が居る?

そりゃ転生なんて事をしたんだから当たり前だろう?



疑問に思ってたのが顔に出たのだろう。

師匠が続ける。



「多分君がイメージしてるのとは別で、この世界に実在する人物として居るんだよね」


神様が実在する人物として居るのか?





「それで、この世界に居る神様は世界を滅ぼそうとしてるんだよ」


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