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第13話 俺の師匠はオタクだった件・4

R15作品です。


Twitter始めました!

@akira_kouno0918


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 ガッギィィンッッ


「これは……驚いたね……まさか反応するだけじゃなく、更には避けるでもなく、私のエクスカリバーを真正面から受け止めるなんて」


 団長様の光の剣は俺の手に持たれた布のような物で完全に防がれていた。


 これが俺の奥の手の1つ。



 俺が唱えた詠唱は『限定解除(リミットブレイク)』の一言。

 限定解除と言うからには何かしら解き放つ魔法だと予想出来ると思うのだが、俺の場合で言えばそれは魔素である。


 正確に言えば使用可能な魔素の限定解除で、その内容は自らの魔素使うだけじゃなく、体外に存在する魔素を吸収する事にある。


 そうすると可能になるのがこれ。


 俺は魔闘衣と呼んでいるが、体外の魔素を瞬時に取り込む事で、純粋なエネルギーとして莫大な力を持ったまま実体化する。


 これによる効果は凄まじい密度の魔素により、防御能力と直接的な攻撃能力は超絶な性能を発揮する。


 しかし現時点での欠点がいくつかある。

 まず1つ目が俺が操れる魔素量の限界を超えた技であるが為に、長時間の使用は不可能である。

 そして2つ目が脳と身体に過剰な魔素を集中させなければ発動自体が困難であり、肉体的ダメージがとてもデカイ。

 副次的な効果として、思考能力の著しい向上、及び身体能力の大幅な強化がある。


 そしてこれが最大にして最後の欠点。

 周囲から魔素を集める事で、使用した場所から周囲はしばらく魔素の回復が望めない。


 つまり俺はこの魔闘衣を使うだけで湯水のように魔素を消費しながら、肉体的にも大ダメージを受け続け、更には戦闘後もしばらくは魔素を回復出来ずに、自力では動けないし回復も出来ないほどの満身創痍を強制される。



 後先を考えずに全力を尽くした場合の奥の手なのである。これを使ったからには速攻でケリを付けなければ俺の身体がヤバイ。


 という事で俺は手に発現させた魔闘衣を身に纏う。団長様はご丁寧に待っていてくれたようだ。


「準備はいい? じゃあ行くよ」


 俺は無言で頷き構える。


 そうして団長様を見据えた刹那。


 団長様が俺の視界から消えた。気付いたら首の後ろに凄まじい衝撃を感じて、俺は前のめりに倒れてしまう。


「ん〜凄まじい子だね〜、そんでもってごめんね? そんな魔法まで使わせちゃって……とりあえずダメージが大きいだろうし、今は眠って休んでてね」


 そう言って団長様は俺に魔法を掛ける。

 多分睡眠系の魔法だとは思うのだが、俺は知らない魔法だった。


 そこまで思ったところで俺の意識は闇に沈んだ。





 ーーーーユーエ視点ーーーー


「クラガ・ヴァーチ」

「はっ!」

「お前の息子を虐めて済まなかったね。ここまでなるとは私も思っていなかったんだよ」


 クラガ・ヴァーチは心配そうに、私がお姫様抱っこしているハヤトくんを見る


 凄まじい子だった。あの技は私にも真似出来ないだろう。


 周囲の魔素がごっそり消えたから、龍人種の秘奥義である龍化に近いのかな?

 私も長生きしてるけど一度しか見た事がないから何とも言えないわね。


 それにしても……使用者自身に相当なダメージがある自爆技でもあるみたい。


 肉体的なダメージは粗方私が治しはしたけど、魔素の酷使による目に見えない疲労は大分残るだろう。


 私はクラガ・ヴァーチにハヤトくんを引き渡し、バルトと一緒に練兵場を後にする。


 クラガ・ヴァーチは眠らせたハヤトと共に医務室で、しばらく一緒に居る事にしたようだ。



 ていうか転移魔法で不意打ちみたいな事しちゃったけどしょうがないよね?

 だってあの衣、全力じゃなかったとはいえ私のエクスカリバーの直撃でダメージゼロなんだもん。


 あれが全身展開だったらちょっとどうしようも無かったかもしれない。


 まだ色々と未完成なんだろうね。


 ん〜どうしようか?

 あの子をこのまま放置する選択肢はもはや無い。この力の強大さは監視しなければならないだろう。


 最悪殺す事も視野に入れなければならない。しかし……あの子ホントに男の子?


 どう見ても美少女にしか見えないんだけど。

 あぁぁ……あんなリアル男の娘なんて……尊すぎる……


 あんな子を監視、もしくは殺さなければならないなんて……


 そうだ!


「ねぇバルト、私あの子を弟子にするわ」

「は? 今なんと?」

「私ユーエ・スフィアはハヤトくんを弟子にします!」

「は……はぁ……そうですか」


 なんかバルトが心ここにあらずである。差し当たっては来週の遠征にあの子も連れて行こう。


 どうせ私以外にあの子を止められる者なんてこの国には居ないんだし、そんな子なら遠征に連れて行っても問題無く生き残るでしょうし。


 という事で早速バルトに伝えなければ。


「来週の遠征にあの子も連れて行くからガイアス副団長に伝えておいて」

「ユーエ様!? 正気ですか!?」

「大丈夫よ? あの子現時点で既にこの国では私にしかどうしようもないと思うし」


 バルトは驚愕の表情をしたまま頷いて、ペンドラ騎士団ガイアス副団長の元に向かった。


 それにしても……長生きはするものね〜。お陰であんな凄い子に出逢えるんだから。



 前世では20そこそこで死んじゃったけど、今世では既に300を……おっとなんでも無いわ。


 まぁエルフである私が長命なのは普通なんだけど、前世の価値観バリバリな私からするとこの年齢は少し思うところもあるのよね。


 さて、あの子を迎える準備をしなければ!


 目が覚めたらあの子達が私の執務室に来るように後でバルトに頼んどこう。



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