第12話 俺の師匠はオタクだった件・3
R15作品です。
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さて。
ペンドラ騎士団の団長であるユーエ・スフィア様と面しているわけなのだが……
「ねぇバルト! この子持ち帰っちゃダメ!? ねぇダメ!?」
「いや……流石にそれは……ダメなのではないでしょうか……とりあえずユーエ様は落ち着いてくだされ」
この団長様は銀髪で美しい見た目をしているのだが……少し、いや、かなり残念な女性みたいだ。
「ユーエ様、こちらが先程お話した魔力測定結果です」
「ん? どれどれ……うっそマジで!? 何この子!」
どうやら俺の魔力値は相当に凄いのかもしれない。
ちなみに実は全力と言っても、俺の奥の手のような魔素運用の極致とも言える技法は使っていなかったりするのだが……
「えっと、あなたがハヤトくんのお父さんのクラガ・ヴァーチでいいのよね?」
「はっ!」
そう返事をしながらクラガお父様は畏まって跪く。
「こんな魔力値になるまでどうやって育てたのかな?数値にして2万6千オーバーなんて私の半分近くあるんだけど……」
「いえ……それが……妻が基礎を教えた程度で特に何かを教えたりはしておらず、図書館に通いながら独学で学んでいたみたいです」
ふむ。
俺の魔力値は2万6千オーバーらしい。
そして団長様は俺の倍ほどの魔力値があると。
「ん〜……困った……バルト? 来週からのペンドラ騎士団遠征予定って私無しでも大丈夫かな?」
「いや、流石にユーエ様無しでは厳しい物があると思われますぞ」
「だよね〜……どうしようかな〜」
なんかペンドラ騎士団は来週から何処か遠征に行く予定らしいです。それと俺が何の関係があるのだろうか?
「ん〜……よし! ハヤトくん、今から一緒に練兵場に行こうか」
「「ユーエ様!?」」
ん?
バルト様とクラガ様が一瞬にして狼狽えるというか、あからさまにビビってる。
どういう事だ?
「だ〜いじょうぶだってば! 子供相手にガチでやったりしないから心配しなさんな」
「は……はぁ」
「ホントですよね? 信じますよ? 私の息子ですからね?」
なんかこれは危険な気がする。俺の危険センサーがビンビンに反応している。
「じゃあハヤトくん一緒に行こうか」
そう言って団長様は部屋を出るのだが、バルト様とクラガお父様、特にクラガお父様は物凄い不安な顔をしながら俺を見ている。
そして俺も含めて測定員のお兄さん以外は団長様と一緒に練兵場に向かった。
練兵場に向かう途中、隣を歩くクラガお父様がボソッと俺に呟いた事がとっても気になる。
「無事に生き延びろよ……」
ホワイ? 無事に生き延びろ?
え? 命の危険があるって事?
俺これから何するの?
俺も不安になりながら歩いていたら練兵場に着いた。着いてしまった。
「さてハヤトくん! 君には此処で今から私と戦ってもらいます!」
着いた途端に団長様は意味のわからない事をほざきやがりました。
戦う?
誰と誰が?
俺8歳のガキだぞ?
それに対して相手は世界最強と呼ばれるペンドラ騎士団の団長様だぞ?
どうなってんの?
俺はクエスチョンマークを頭に浮かべながらバルト様とクラガお父様の方を向く。
バルト様にはサッと目線を逸らされた。
クラガお父様は目をウルウルさせながら手を組んで祈りを捧げていた。
やばい。これはガチでやばいかもしれん。
命の危険? 冗談だろ? だって俺子供だよ? とか甘い事を少しは考えていたのだが、クラガお父様のこんな行動は初めてみる。
本当に命の危険があるっぽい。
俺は辞退しようと思って団長様に向き直り、目を見開く。
なんだあれ? 光の剣? 団長様の手には光で出来た神々しい剣が握られていて、構えたと思った次の一瞬。
団長様の軽い踏み込みから、その切っ先が猛スピードで目前まで迫ってくる。
あれ?
これ俺死ぬんじゃないか?
なんか景色がゆっくりに見える。
走馬灯ってやつか?
……って何俺悠長にしてんの!?
やばいやばいやばい!
どうすべきだ!?
あの剣は……マジでヤバそうな感じする!
魔法障壁を展開して防げるか?
いや、無理だ。
じゃあどうする?
奥の手を使うしか無いのか!?
もう考えてる時間がない!
俺は一瞬とも言える短い時の中で決断する。
そして叫んだ。
「限定解除!!!」
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