表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/65

第9話 男の娘な俺は誘拐される・5

R15作品です。


Twitter始めました!

@akira_kouno0918


面白い!先が気になる!と思って下さる方は良ければブックマーク・感想・レビュー・評価よろしくお願いします。


「あれはハヤトがやったのか?」

 クラガお父様の設問である。


 はいそうです。というわけでクラガお父様に俺の実力の一端がバレた。

 俺は正直に答える。


「はい、俺がやりました」


「そうか……メニルはハヤトがここまで出来る事を知っていたのか?」

「ええっと……そんなにとは思ってなかったけど知っていたわ」


 クラガお父様はまた一言「そうか……」と洩らしたまま難しい顔をして考え込む。


 俺はその間に何と無くピシッと正座をして、身構える。考えが纏まったのか、クラガお父様が俺に問い掛けてくる。


「八主要のうち、何が使える?」


 これも正直に答える。


「全部使えます」


「全部? ……なるほど……今日はもう遅いから、明日ゆっくり話そう」


 既に時刻は23時を過ぎた頃だろうか。正直物凄く眠い。なのでクラガお父様のこの提案はとても助かる。


 俺は寝る前にクラガお父様に謝罪する。


「わかりました、今日は心配掛けてすいませんでした……」


「あぁ……今日はもう寝なさい」

「はい、おやすみなさい」


 こうして俺は眠りについた。




 ーーーークラガ視点ーーーー


 今日は疲れた……仕事が終わって家に帰ったらハヤトが家に居なかったのだが、メニルに聞いても狼狽えながら何処に居るか知らないと答える。


「とりあえず落ち着け! 俺が詰め所に行って捜索隊を編成してもらう!」


 そして俺はメニルに、もしも家にハヤトが帰って来た時は家の戸締まりをしっかりしてから、詰め所に報告しに来てもらうように頼んで家を出た。


 辺りはもう真っ暗だ。時間にして夜の7時くらいか。


 せめて詰め所へ向かうまでにも、その道すがらに俺はハヤトの影を探す。しかし見付からないまま、詰め所に到着する。


「これはクラガ様、このような一般の詰め所にクラガ様のような本部勤務の騎士様がお出でになるとは……何かございましたか?」


「あぁすまない、畏まらなくて結構……実は……」


 俺はハヤトが家に戻っていない事、それ故に捜索隊を派遣してもらう事、ハヤトがもし自力で家に帰った場合には妻のメニルが此処に報告に来る手筈になってる事を詰め所勤務の騎士に伝える。


 実はこのインラ帝国にはかなり規模の大きい非合法な裏組織が存在する。『ササナギ』と呼ばれるその組織は、武器の密輸や奴隷売買、麻薬の流布になんでもやるような組織だ。


 しかしオン法皇国と密接な関係を持つらしく、インラ帝国の一部の貴族にも癒着しており、小規模な摘発はあっても組織自体には手を出せずにいるのだ。


 何故今そんな話をするのか。ハヤトはとても可愛い子供だ。男の子ではあるが、パッと見美少女にしか見えない。


 もしかしたらハヤトはササナギの構成員に誘拐されたのかもしれない。


 俺は予感めいた不安を抱えながら、編成された捜索隊と共にハヤトを捜しに向かった。


 それから2時間程経った頃だろうか。捜索隊に伝令が届き、ハヤトが無事に帰って来た事が伝えられた。そしてもう一つ情報があった。


 ハヤトはやはり誘拐されていたらしい。


 しかし、ハヤトはそこから自力で戻って来たという。更に森にある小屋の地下空間に、誘拐犯共を拘束までしたとか。


 メニルが地図を伝令の騎士に手渡してたみたいで、捜索隊はそのまま森の中へと踏み込む。



 ある程度進むと地図の通りに小屋があり、その直ぐ近くに目印のパイプを発見する。そして土魔法を使える騎士が、その地下空間の蓋を無理矢理開けたのだが……


 そこには足を血塗れにした誘拐犯が二人居た。よく見ると刺々した岩のロープのような物が足首に絡み付いている。


 これはなんだ?

 俺はこんな魔法は知らない。


 これをハヤトがやったのか?


 一同が皆それぞれにこの状況に驚いていた。さらに土魔法を使える騎士は、誘拐犯に付けられた口枷を見てまた驚いている。


 口枷を外してやり、誘拐犯に話を聞く。


「いてぇ……くそが……あのガキは人間じゃねぇ……あのガキ……確認した訳じゃねぇが無詠唱魔法まで……」


 無詠唱魔法だと!?

 ハヤトがか!?


 事情を一緒に確認していた他の騎士も、誘拐犯の供述に驚きを隠せずに居た。


 ハヤトの事もあるが、一先ずは誘拐犯を連行する事となった。ササナギの構成員と見られるこの誘拐犯共は、ササナギという組織にメスを入れる事に一役買ってくれるかもしれない。


 こうしてハヤトの誘拐事件は一先ずの解決を見せて、俺は詰め所に待機していたメニルと共に家路についた。



 ハヤトには色々確認しなければならないだろう。

 試しに八主要のうち、何種類の魔法を使えるのかを聞いてみたのだが。


 まさかだ。ハヤトは「全部使えます」と答えた。


 全部だと!?

 八主要をか!?

 そんなの世界最強のペンドラ騎士団の団長しか聞いた事がない!


 本格的に頭が痛くなってきた俺は思考を放棄する事にした。きっと疲れてるんだろう。

 明日はちょうど仕事が休みだし、明日ゆっくりハヤトから話を聞こう。


 そう考えてからハヤトを寝かせる。今日は本当に疲れた。メニルも疲れてるだろう。


「俺達も寝ようか」

「はい」


 こうして俺達家族は皆眠りについた。



Twitter始めました!

@akira_kouno0918


面白い!先が気になる!と思って下さる方は良ければブックマーク・感想・レビュー・評価よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ