【剣技】
カーンカーン…
先程から鳴り響いている音。
はい、只今音声が鳴り響いている現場はパン屋の裏口にて候。
この場合の候は、手紙の候の意味でもあり、身分の高い人の側に居る場合でもあったりします。
「すいません、お嬢さ…んの手を煩わせて」
「いえいえ~」
私にこう喋ったのはオルフリオさん。
今、オルフリオさんの口の形が【お嬢様】になりそうになったようだけど、私現在は一般市民ですよ~。
アレイ家三女のレッティーナでもなければ、ジーニアス兄さんの養子(養女?)のレッティーナ・アルセーヌ・ガルニエでもありません。
と言うか、許可を得ずに勝手に養子として迎えようとするなジーニアス兄さん。
会ったら絶対に一発蹴り入れる。
無許可での養子縁組は制裁対象デスヨ。
さて。
あの勝負、いや賭け事?の後。
破壊されたパン屋の裏口だけは泥棒防止のため、早急に直して欲しいとパン屋の女将さんに叱られた後にお願い?いいえ、脅迫をされたニキ様とオルフリオ様。
ニキ様は早急に裏口に使えそうな板を購入しに行き、オルフリオ様はドアに付いていた蝶番を修理中。あらぬ方向に向いてしまった金具の部分を現在金槌で叩いて叩いて、更に叩いてと荒いようなそうでないような???修理をしています。
って、それで直るの?
「へ~…てっきりもう二度と使えなくなったかと思ったけど~」
とは、横で見ていたケイン様談。
そして、候う。
はい、この場合の身分の高い人はケイン様でした。
オルフリオ様は小説版で出て来た時は『騎士』でしか無かったから、身分とか良く分からないのですよ、残念ながら。一応この国は騎士爵は無かったような、そうでないような…御免、実家で女子供は学を学ぶな方式の弊害がっ!
おのれ、クソオヤジめ~!
…落ち着こう。
多分私の実家の男爵が下から二番目、そして最下位が準男爵だった筈。
自信無いけど。
話は変わりますが、私は現在壊れたドアの周囲の掃除です。
いやはや、細かい破片とか意外と散らばっていて危険かな、と。
意外と子供とかパンの購入しに来たりするから、先端が尖った木片とか飛び散って居ると子供達が妙な遊びをやり始めたりするらしく、こうして掃除をしておかないと危険なのです。
それにもし、パン屋のお客さんが何かの拍子に転んだ時とか、うっかり破片が刺さったりしたら嫌だからね。危険物は早々に掃除しちゃうのが一番です。
「レナちゃーん、一応大丈夫だとは思うけど~此処が終わったら自分の部屋も確認しておいてね~。アホ馬鹿ニキの剣技とか覇気とか、無駄に広範囲に飛んでっちゃったみたいだから。壊れていたらニキに全額請求しておいてね~!」
ケイン様が塵取りを持ちつつ、ブツブツと「本気でやり合う馬鹿いるかっつーの~!」と、プリプリ怒っている。ヤバイ、ちょっと可愛い。
「あ、そうだ~!レナちゃん、今晩もお仕事に行くの?」
「はい」
「ふむふむ~、となると、ン~」
何だろう?
更新遅くてすいません。




