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五章 第11話 臨時依頼

 水魔法の座学を終えてから放課後、俺はヴィア先生に突撃した。俺とエレナに魔法の英才教育を施した雷嵐の賢者レメナ、その教育方法について感想を貰うために。まず教室を出た先生を追いかけ、追いついたら人気のない空き教室に連れ込んだ。俺の悪名が災いしてかヴィア先生は若干身構えていたが、授業についてだと言うとあっさり警戒を解いた。


「ちょ、ちょっと調べさせてね!」


 緊張のほぐれたところにレメナ式の説明をして感想を求めたところ、ヴィア先生はそう言って図書館の方へ走り去ってしまった。どうやら彼女の常識と食い違いすぎて裏取りに行ってしまったらしい。

 まあ、そうだろうよ。この国じゃね。

 一通りの説明を聞いた瞬間、調べにダッシュするとは思わなかったが。彼女は真面目そうな先生だ、きっと徹底的に調べて分からなかったとなれば戻ってきて続きを聞いてくれるだろう。俺の学院での布教第一号はヴィア先生になりそうだ。

 そんなこんなで芽吹きが楽しみな種を蒔きおわって寮に戻ってくると、エレナがなぜか商店街のお菓子セットを持って待っていた。なにかやましいことでもしでかしたかと思って話を聞く。すると図書館でとある先輩から決闘を申し込まれたのだという。


「魔眼研究者の人に紹介してくれるっていうから……ダメかな?」


「いいよ」


 エレナの知識欲は俺の戦闘欲求と同じくらい強い。それが魔眼についての珍しい研究者だ。自分が「空白」というとびきり珍しい魔眼を持っていることも相まって彼女の好奇心は爆発寸前だ。しおらしく振る舞っているが、目が爛々と輝いている。


「決闘を非公開にしてくれるなら、ね」


 今はまだ力を大々的に見せびらかすつもりはない。だが俺としてもその先輩と戦ってみたいという気持ちがある。そんなわけで取引成立の返事を書いて、先輩と同じ寮だというアティネに託した。

 ふふ、どんな面白い相手か楽しみだね。


 ~★~


 アティネに手紙を託した後、俺とエレナは雑居棟1階のギルド出張所へ向かった。先輩から返事が来るのは今晩か明日の朝、決闘は明後日の昼間くらいだと予想している。そうなると色々準備をしたい。具体的には新装備の肩慣らしができそうな簡単な依頼などを受けたいのだ。


「こんにちは、カレムさん」


「依頼ある?」


 2人でそろって窓口に顔を出す。今日も今日とて待っている学生は誰もいなかった。出張所窓口の前どころか1階に1人もいないのだ。例年のことなのか、2つある窓口も片方が閉まっていた。


「あ!」


 窓口の奥でなにやらいそいそと書き物をしていたカレムが目を見開いて顔を上げる。驚きと喜びの混じり合った強い視線だ。


「ど、どうしたんですか?」


「ちょうど呼びに人をやろうと思ってたところなんです!」


「私たちに用事?」


「はい、臨時依頼です」


 臨時依頼とはただ事じゃない。なにせあれは原則断ることのできない依頼で、ほとんどの場合が指名されたパーティーによって遂行される。魔獣討伐者で裏書き持ちとはいえ、王都での実績は皆無の俺たちにそんな依頼がよこされるだろうか?


「なんで私たち?」


「あー……えっと、とりあえず個室に移動しましょう」


 なぜかそこで少し気まずげな顔をしてカレムは提案した。俺とエレナは互いに顔を見合わせて、どっちみち臨時依頼を人に聞かれるわけにもいかないと頷く。つい昨日、立ち聞きされたことが判明したばかりなのだし。


「ではこちらにどうぞ」


 カレムは窓口に外出中の札と魔道具のベルを置いてから外に出てきた。そして廊下をまっすぐ進んで4つめの扉を開き、俺たちを中に通す。彼女の話ではこの雑居棟の1階はほとんどギルドが押さえていて、こうして密談をすることにも使っているのだとか。学生のパーティーが作戦会議や依頼の取捨選択のために借りることもあるらしい。


「さ、どうぞ」


 勧められるまま椅子に座る。部屋の広さはあまりなく、机とそれを取り囲む6脚の椅子のみがある。そんな殺風景な部屋で対面に座ったカレムは数枚の書類を取り出して並べた。


「まず今回の依頼は王都ギルド、まあいわゆる下ギルドが依頼人になります。臨時依頼だから当たり前だけどね」


「ん」


「内容はとある魔物の群れの討伐。条件は群れの全滅ですが、この依頼に関しては追い返すだけでも失敗にはならないよう特別措置が組んであります」


 臨時依頼で群れの討伐が内容なのに追い返すだけでもいい?ちょっと意味が分からない。


「この依頼を「雪花兎」のお2人にお願いするのはギルドとしても苦渋の選択であること、そして今申し上げた特別措置が組まれているのでもし身の危険を感じたら即逃げてくださっていいということを先にお伝えしておきます」


 えらく事務的にそんな注意事項を読み上げるカレム。彼女はなかなかこちらに視線を向けようとしない。


「……肝心の魔物は?」


「……その、怒らないでくださいね?」


 ギルドがここまで予防線を張る、俺たちが怒りそうな魔物。群れを成して王都のギルドから臨時依頼、つまり急いで駆逐しろとお達しがくるほどの種類……すぐには思いつかない。


「怒ろうが怒るまいが、臨時依頼なら受けるしかない」


「それはそうなんですが……はあ、なんでよりにもよって私がこれを伝える羽目になるのでしょうね?」


 韜晦を通り越してとうとういじけ始めてしまった。


「いいから教える」


「うぅ……はい。討伐対象はこちらです」


 諦めたように見えてそれでも自分で言わない。そんな態度に一体何を討伐させられるのかと、彼女が差し出す依頼票に目を通す。


「ん、理解」


「なんだったの?」


「ユニコーンの群れが街道に出た」


「ユニコーン?」


 ユニコーンは真っ白な毛並みと金の長い鬣を持つ馬に似た魔物だ。額から鋭い角が伸びているのが名前の由来であり、捨てる所がないと言われるほどに有用な部位で構成された獣でもある。見た目だけなら非常に優美で絵になるのだが……。


「うわぁ」


 エレナが言葉にしがたい表情を浮かべる。嫌悪感と怒りに好奇心と羞恥を混ぜたような、本当に言葉にしがたい顔だ。


「うん、その、すみません」


 カレムは机に額がつきそうなほど頭を下げる。


「いろんな意味ですみません」


 なぜここまでカレムが平身低頭しているのか、なぜエレナがなんとも言えない表情になっているのか。ユニコーンがおそらく嫌われる魔物ランキングトップ3に入る魔物だからだ。

 外見だけなら優美だが、その性質は残忍。角で何かを貫くことに快感を覚える厄介な習性を持ち、縄張りの木から目に入った動物までなんでも貫こうとする。さらに異様な悪食であり、毒物以外ならなんでも貪り食うほど食欲も旺盛。

 まあ、これだけなら似たような魔物はいるんだけどね……。

 彼らは他種族の雄を嫌悪している。種族に関係なく雄を見ればそれまでしていたあらゆる行動を止めて刺殺しに走ってくる。馬型らしい凄まじい速度と走破性で追い回されて逃げ切れる生物はそういない。しかもユニコーンは女に残る男の気配にまで反応する。一度でも男女の関係を持ったなら、それがむさ苦しい筋骨隆々な女冒険者であろうと可憐な姫であろうと区別なく刺殺対象だ。つまり男と交わったことのない女以外のあらゆる生命が彼らを狂乱させるのである。


「狂乱状態になったユニコーンは手が付けられません。一体一体はDランクですが、狂乱するとCランク以上になります。それが群れで命も顧みず突撃して来たら……王都の騎士団でも中隊の1つ2つは壊滅しかねません」


 雄が絡まなければ連中は狂乱状態にならない。狂乱状態さえなければ普通のDランク魔物の群れだ。


「それで撤退が自由なんですね」


 顔の赤みを増してエレナが確認すると、カレムは本当に申し訳なさそうに視線を逸らす。ユニコーンが嫌われる最大の理由は雄に反応して狂乱するからじゃない。あいつらは種族的に雄しか生まれず、繁殖に他の種族の雌を使う。言ってしまえばゴブリンなどの低級で嫌われ者の種族と同じ性質を持っているのだ。

 単体でDランクなのに狂乱するとCランク。群れで行動し、作物も建物も穴を開けようとする。男は殺し、処女は犯す。ゴブリンより嫌われるのも道理だよ。

 ちなみにユニコーンは生まれたときから角を持つので、出産に際してほとんどの母体は死んでしまう。これが大都市の近くではなく小さな村に出た場合だと、外部の人間が事態を察知する間もなく滅んでしまうこともある。そのくらいに厄介極まりない魔物だ。


「条件に合う冒険者で下ギルドがすぐ動かせるのがお2人だけなもので……」


 カレムの歯切れが悪い説明に俺たちはため息を返すしかない。この場合の条件とはDランクの群れを狩れて処女の冒険者というとこで、かなり希少なのは成人前のエレナにも理解できることだ。女の冒険者は少なくないが、いつ死ぬかもしれない仕事柄男女問わずに夜の店を嗜む者は多い。Cランク以上の力をつけるまで一度も関係を持ったことのない冒険者なんて、それこそエルフの価値観を色濃く継ぐ「夜明けの風」の弓使いアペンドラくらいかもしれない。


「どうせ臨時依頼だし、断れない」


「はい。出没したのが街道のすぐそばでして。それに逸った上ギルドの貴族が受注してしまわないよう手を回すにはこれしかなくて」


 ギルドが臨時依頼としてパーティーを指定した場合、他のパーティーはギルドの許可がないと参加することができない。なのでユニコーンを舐めてかかった貴族のお坊ちゃまが全身を風通し良くされてしまわないように臨時依頼扱いにしたわけだ。しかし臨時依頼は緊急の依頼だ、指名されたら即座に対応しないといけない。


「ポーションまでは領地から持って来てない。どこで買えばいい?」


「それでしたら商店街ですね。一応上級まで扱っています。その他薬草など必要な物も全て手に入ります」


 冒険者の必需品もきちんと学院内でまかなえているようだ。


「依頼を受諾してからカードを持ってお店に行ってください。ギルドが冒険者用に確保している在庫から出してもらえるので、品物がないと言われることはないはずです」


 これが街なら入った店になくとも他の店にいけばいい。だが学院でそれは無理だ。なにせ店が圧倒的に少ない。そこをなんとかするためにギルドは在庫を一定数確保している。消費期限までに買い手がつかなければギルドで買い取ってしまうそうだ。贅沢なシステムだが、そこは学院から補助金をもらっているらしい。


「討伐はいつ?」


「できる限り早くお願いします」


「場所の具体的な位置はどこですか?」


「街道を下って半日のところです。馬を手配してもいいのですが……」


「止めた方がいい。未通の雌馬を探してきて、それを守りながらなんて手間がかかりすぎる」


 ユニコーンは別に相手が馬でも人でも関係ない。雄なら殺し、未経験の雌なら犯す。その本能のためなら生存のための戦闘すら捨てる頭のおかしい生物だ。


「今から準備して早朝に出発、明日の夕方に交戦して野宿して帰ってくる」


「ハ、ハードスケジュールだね」


「討伐前に野営したい?ユニコーンの群れの近くで一晩」


「絶っっっ対に嫌!」


 力を込めて拒否するエレナに俺は「でしょ?」と言い、そのままカレムに目を向ける。


「そのスケジュールでお願いします。下ギルドには今日の内に知らせを送りますから、もし伝えたいことがあれば今お願いしますね」


「ない。報酬もいいし」


 ギルドとしても不本意ではあるのだろう。直接実力を確認できていない少女2人に淫獣の群れを頼むのだ。撤退もアリで払いもいい。相当気を遣ってくれているのが分かる。


「ん、やっぱり一つあった」


「なんですか?」


「帰りは馬車で迎えに来て」


「あー……そうですね」


 ということで迎えは朝方に決まった。全滅させられれば現地で拾ってもらって素材ともども帰宅、できなければ夜通し歩いて報告に戻ることになる。


「それではくれぐれも気を付けてください。もしお2人に何かあったらビクター様が王都に攻め込んできそうですから……」


「さすがにないと思う」


 呆れ声で言う俺たちにカレムはどこか暗い笑みを浮かべて言った。俺たちが誘拐されたときのビクターの捜査手腕は誘拐事件を専門にしている衛兵よりすごかった、気迫がBランクの冒険者くらいあった、と。

 ビクター……。

 親馬鹿な家宰になんとも微妙な気分だ。もちろん、嬉しさを多く含んだ微妙な気分だが。


 ~★~


 商店街の一角に店を構える薬屋に俺たちは移動した。建物は石で広さはかなりのものだが、棚と商品の数が凄まじくてとても狭く見える。客入りはまあまあといったところか。生徒が数名商品を見ている以外は教師が店主となにか話しているくらいだ。


「その薬なら一応用意できますけど、調合に3日はかかります」


「どうにか2日で間に合わせてはもらえないか?」


「うーん……追加料金をもらいますけど、いいですか?」


「2日で手に入るなら構わない」


 どうやら彼らは常備していない薬の調合について相談をしている最中のようだ。邪魔をしないよう少し距離を取って見ていると、教師は値段の交渉を終えて立ち去った。交渉結果を書き留めている店主に近づいて声をかける。


「ポーションを買いたい」


「はいはい、下級なら1つで900クロムですよ」


「上級を2つ、中級を4つ、マナを火と水で2つずつ」


「上級は数が少ないから簡単には売れませんよ」


 両肩を上げてそう言った店主は大人しく下級を買っておけとばかりに、くすんだ赤の液体が入ったガラス瓶をカウンターに置いた。


「ギルドの依頼用だから、後ろから持って来て」


 銅色のギルドカードを2人で差し出す。出張所でカレムに依頼を処理してもらったので、カードにはもう記録が残されている。提携しているこの店の端末で見れば詳しい内容まではわからないものの、きちんと依頼を受けて行動しているというのは分かる。


「おっと、Cだったんですか。これは失礼しました。上級はどうしておきましょう?」


「瓶ごとお願い」


 店主はカードをカウンター裏の端末に読み込ませてから、後ろの扉をくぐってバックヤードに向かう。そして両手にこちらが指定した薬を持って戻ってくる。明るいオレンジ色の上級ポーション、鮮やかな赤色の中級ポーション、透明な赤の火属性マナポーション、透明な青色の水属性マナポーション。回復ポーションは少し濁った色でマナポーションは透明度が高いのが常だ。


「最高品質とはいきませんが、保存日数は平均を超える代物です」


「さすが学院の薬屋さんですね。瓶は次回から使いまわしでいいんですか?」


「ええ、大丈夫です」


 ポーションは魔法薬と呼ばれる、魔力が込められた薬だ。上級ともなると器も特別な素材でできている。なので瓶ごと買うと高いのだ。そのためほとんどの冒険者が瓶を使いまわしにして、薬屋で中身だけ補充してもらう。


「えー、瓶込みなので今回のお会計は……」


「口座から引き落としておいて」


「あ、わかりました」


 店に値段を書いた板がかけられているのでいくらになるのかは分かる。ガラス瓶を全て梱包材で包んでもらってから紙袋に入れてもらう。冒険者用の品なので頑丈な作りではあるが、念のための配慮だ。


「他は?」


「うーん、一応消毒の軟膏とかも買う?」


「それはダメ。軟膏の素材が雌の脂とは限らない」


「むぅ、面倒くさいね」


 一応ユニコーンは生きた雄の気配にしか反応しないと言われている。ただ誰も検証したことはない。わざわざ処女の冒険者で固めて戦うのに、あえて危険を冒す馬鹿もいないからだ。前世の俺のように狂乱状態だろうとお構いなしに狩りに行くような奴はそもそも自分が男なので検証のしようもないし。


「そういえばアクセラちゃんは大丈夫なのかな?」


 特に他に買う物はないということで寮への近道を歩いていると、ふとエレナが質問をしてきた。


「ん?」


「いや、アクセラちゃん相手に狂乱したりしないよねって」


「……私は男と寝た覚えないけど?」


「ね、寝たって……そんなことは知ってるよ!?そういう意味じゃないって!」


 顔を真っ赤にしたエレナに肩をぺしぺしと叩かれてしまった。


「そうじゃなくて、その、アクセラちゃんは半分……」


「ん、そういうこと」


 俺の体は女だが魂はエクセル神、つまり男だ。今では一体どれくらいがアクセラでどれくらいが元のエクセルなのかは分からない。それでも少なからず本来の性質は引きついでいる。その気配に反応してユニコーンが狂乱することはないのか。それが彼女の聞きたかったことだ。


「たぶん大丈夫」


 俺に反応して狂乱する可能性は限りなく低い。ユニコーンに魂を感知するほどの高度な能力があるとは思えない。物理的な範囲で見れば俺は完ぺきに少女なのだ。


「万が一狂乱になったら……エレナは魔法で高台に籠って。高さは5m以上」


「ユニコーンはジャンプ苦手なんだっけ?」


「ん」


 ユニコーンは走破性と速度に秀でた魔物だが、意外と上へのジャンプ力と攻撃手段が乏しい。もし狂乱してもエレナの今の実力なら5mくらいの足場を作って、そこから魔法で攻撃するという手段が取れる。


「もし狂乱しなくても数が多かったり、集まって来た場合は高台をお願い」


「うん、わかった」


 ポーションと簡単な戦術が揃ったことで明日の準備はほぼ終わりだ。部屋に戻り次第装備をざっとチェックして、それから早めに寝よう。


「明日はお風呂も入れないね……今日の内にしっかり屋根の下を堪能しないと」


「ふふ、そういえばエレナ、泊りがけの依頼って初めて?」


「あ、そうだね」


 ケイサルではなんだかんだと日帰りできる場所でしか依頼を受けたことがなかった。たまに遠征があっても拠点となる村や町から現場まで半日以内といったところだ。


「あ」


「買い忘れ?」


「そ、そうじゃなくて……ファティエナ先輩に連絡しないと」


 急な依頼と準備ですっかり忘れていた。そういえばそもそも先輩との決闘に向けて肩慣らしをしようと出張所に向かったんだ。


「アクセラちゃん、帰って準備しておいてくれる?わたしこれからレッドローズ寮に行ってくるから」


「ん、気を付けてね」


「うん!」


 教科書が入った肩掛けカバンを預かって、身軽になったエレナが走り去るのを見届ける。例の先輩との戦闘は非常に楽しみだったが、依頼は依頼。メインディッシュの前の肩慣らしと思えば悪くない。

 あとは変異種でもいれば楽しくなるのに。


何事もバランスが大事ですが、ギルドネタというか冒険ネタはできるだけ増やしたいです。


~予告~

処女性とは万事そうであるように良い面と悪い面を持つ。

ただ処女航海など基本的には縁起のよい、あるいは神秘的なものとされるのだ。

次回、ダイパニック


アクセラ 「タイトルと説明の矛盾が嫌がらせ過ぎる」

エレナ 「悪い面がなんなのか逆に知りたい気もするなぁ・・・」

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