五章 第7話 結成、雪花兎
!!Caution!!
このお話は新春スペシャル3日連続投稿の3話目です!
入学式を終えた俺たちはマリアとシーアの2人にも別れて校舎に向かった。マリアはレイルたちと合流する予定だったのだが、アベルの祖父が来賓の中にいるらしく挨拶しにいくことになった。アベルの祖父ということはトライラント前伯爵、高貴なる情報屋の大親玉だ。何の準備もなくオルクスの看板だけ下げて会いに行きたい相手じゃない。特に俺の母、セシリア=ナタリ=オルクスの一件が結局何も分からなかった状態では。
「残念だね」
「ん、しかたない」
アロッサス姉弟も本当ならレイルがつれて合流することになっていると言っていた。ついていけば6年前からの友人が揃うことになったのに。ちなみにシーアは婚約者と会う約束があると言って一足先に離脱した。新入生の1人で王都住まいの騎士なんだそうな。
「とりあえずこのまま出張所に行く」
「うん」
「その後は……帰る?」
「まあ、いいんじゃないかな?」
学院のギルド出張所に行って所属に関しての報告をする。それが当座の目的だ。もともと入学式のあとに寄るつもりだったので下ギルドからの書類は持って来ている。
「案内板、あるかな?」
「たぶんあるとおもうよ」
出張所のある雑居棟は4階建てでよく見えるのでそこまでは楽にたどり着ける。ただ昨日もらったマップには建物内までは書かれていなかった。たぶんどこかに書かれているとは思うが、ないと探し歩かないといけない。
探すのめんどくさいな。
学院の中心でもある4つの棟は十字型になるよう配置されている。正門から見て手前にある教員棟が事務や運営など学園の中枢を担い、奥に位置する教室棟が各クラスの教室や専門授業の座学教室を擁する。左側には教員や3年生、3年をすぎても学院に残ることを選んだ研究員が日々なにかしらの実験や考察を行う研究棟がある。そして右側にある雑居棟がそれ以外の基本的な機能を全て詰め込まれた、名前の通りの寄せ集め施設である。それぞれの棟は中心に近い位置にある渡り廊下で連結され、それらと中庭でお互いに行き来できるように設計されていた。
「意外とすぐ見つかったね」
「ん、本当に意外」
お目当てのギルド出張所は雑居棟に入ってすぐ見つかった。というのも、雑居棟の1階に窓口を2つも開いていたのだ。今はちょうど誰もいないが、時間帯や時期によっては大勢の生徒でにぎわうのだろう。
「空いてるのはありがたい」
待つ手間が省けるし、なにより誰の耳も気にすることなく仕事の話ができるからな。
また面倒な誤解を生んでも困るのであらかじめ書類と一緒にギルドカードを用意し、俺とエレナは窓口の一つへと近づいた。
「ようこそ、ギルド出張所へ……て、アクセラお嬢様とエレナお嬢様!?」
驚きに満ちた第一声を放ったのは明るい茶髪の女性事務官。
この童顔と高めの声、どこかで……。
「ん、カレム?」
「そうです!元ケイサルギルド事務官のカレムです!」
跳びつかんばかりに喜びを主張するその女性は、俺とエレナをケイサル支部で最初に受け持った新人事務官の少女だった。現在ケイサルで働いている事務官ルオの姉でもあり、数年前に結婚して王都に移り住んだ。
まあ、もう少女とは言えないけど。
経験を積んで彼女本来の明るさが前面に出せるようになったこともだが、結婚したせいか大人の女性らしい余裕のようなものを感じる。まったく変わらず平坦な一部と顔かたちを除けば、初めて出会った時とは別人のようだ。
「え、ほんとだ……カレムさんこっちでも事務官してたんですか?」
「してたんですよ、実は」
カレムの夫もギルド勤めで、たしか出会いはギルマスの会合について行ったときだったはず。結婚してもお互い自分の仕事は続けているらしい。
「でも学院勤めだとあんまり帰れないんじゃないですか?」
「そうなんですよね。とはいえ1月勤めれば4日王都でお休みがもらえますから。それに仕事自体は本部より少ないですし」
ひっきりなしにやってくる猛者、あるいは貴族を相手にし続ける本部はかなりの激務だ。それに対して出張所はそもそも権限が小さいので窓口業務以外あまりなく、学院では扱う依頼も軽い物が主になる。そのくせ環境が悪いので手当は下手な本部勤務よりいいのだとか。
「一般街のそこそこいいところに家を建てようと思ってるんですよ」
そのための資金を稼ぐために、今は夫婦そろってせっせと働いているのだとカレムは言った。その顔には現状に対する満足感と生きている実感が浮かんでいる。
知り合いが幸せそうで俺も嬉しい限りだよ。
「でもお嬢様たちももう学院に入学するころなんですね」
「ん、さっき入学してきた」
「今日は出張所への登録ですか?」
「そうなんです」
カレムは要件を確認すると手慣れた様子で書類を出してくれる。エレナがそれを記入している間、俺は下ギルドから預かった書類とカードを提出した。
「書状ですか、どれどれ……はい、わかりました」
封筒を開いて中身に目を通した彼女は特に驚いた様子もなく判子を押した。内容はもちろん下ギルドの所属になったことと、高難易度高危険度の依頼を回してもらうよう手配したという報告だ。
「驚かない?」
「私はお嬢様たちの担当だったんですよ?むしろ高難易度の依頼をこなしてもらわないと、ギルドにとってはもったいないです」
魔獣討伐から始まるCランクとしての活動の半分ほどを彼女は担当してくれていた。そう思えば当然の反応だった。
「はい、カードも確認しました。私が出て行ってからも沢山狩ったんですね……わあ、こんな魔物まで」
端末に表示されたであろう依頼記録を流し読みして感心するカレム。彼女がいなくなってからは主にダンジョンの奥を狩場にしていたので、討伐内容はかなり豪華だろう。しばらく読み続けていた彼女はふと首を傾げた。
「素材価値の高い魔物を中心に受けられたんですね。ここでも換金率のいい討伐優先にしますか?」
「気にしない。自分で使うために集めてただけだから」
「ああ、装備用だったんですね」
「ん、昨日届いた」
「新品の鎧ですか?いいですね!」
俺たちが倒せる範囲の魔物を調べ上げ、ケイサルで一番の鎧鍛冶に相談しつつ素材を厳選して作った鎧だ。親方のお眼鏡にかなう素材が採れるまで何度も何度も同じ魔物を倒しに行った。
「あ、もうすぐ昇格試験受けられるじゃないですか」
「とりあえず2年生まではいい」
「そうなんですか?」
「ん、1年の間に目立ちすぎたくない」
「ああ、たしかに面倒ですよね」
王都に引っ越してから貴族や金持ちのやっかみは散々見たのだろう、カレムはどんよりした目で頷いてくれた。
「書けました」
「はい、記入漏れは……ないですね。では当出張所はお2人を歓迎します!」
満面の笑顔で彼女はそう言った。それから冊子とギルドカードをそれぞれに渡してくれる。
「その冊子は学生向けにギルドのルールを書いたものです。お2人には不要でしょうが、一応受け取っておいてください」
「はい」
「それとギルドカードの更新を行いました。依頼に関係がある場合に限り外出が認められ、学内でも必要があれば武器を携帯して構いません」
と言っても鎧なんかは禁止で、制服に剣か杖を1つぶらさげていいというだけだ。
「とはいえ学生である以上、冒険者であっても平等に学内の規則で裁かれます。トラブルを避けるために武装は最低限にすることをお勧めします」
冒険者は実力を疑われたりするとすぐに白黒つけたがる奴が多い。そういった細かいトラブル防止の恣意行為として武器を身につけることが許可されているのだが、俺やエレナは逆に絡まれる可能性の方が高いだろう。
「素手でもお嬢様たちが危険を感じるような相手はほとんどいませんよ、この学院には」
カレムはそう言って微笑んだ。彼女からの信頼は数年を経た今でも盤石の様子だ。
「なにかすぐに依頼を受けられますか?」
「面白いのある?」
「ないですね」
あっけらかんとした答えが帰ってきた。
「入学式前後と夏休みのあたりは極端に依頼が少ないんですよ。学生が慌ただしくて受理されることが減りますし」
「なるほど」
「一応聞きましたけど、正直今のところお2人が満足するような依頼はなにもないです。王都まで行けるような依頼も……ないですね」
端末をチェックしながらそう言ったカレムは、本当に定型文としてさっきの言葉を口にしたのだろう。今あるのは学内でのお遣いや人工丘の植生調なんかの簡単なものだけ。後者には少し興味があるが、報告先が植生研究をしている教員のグループなので止めておいた。しがらみのできそうな依頼はもう少し待ちたい。
「そういえば学内で試験を受けないと外には出られないんですよね?」
「お2人のランクなら必要ありませんよ。あれは王都に行きたいあまり実力の伴わない依頼を受ける生徒を落とすためのものなので、お嬢様たちが受ける意味はないんです」
「ん、助かる」
試験内容は少し気になるが、それはレイルにでも受けてもらって確認しよう。どうせ彼も冒険者として実戦を経験したいだろうし、いずれは受けることになる。
「そういえばお2人はパーティー申請をされないんですか?」
その質問はただの会話、その延長線でしかなかった。少なくとも言ったカレムはそのつもりだった。しかしそれを聞いた瞬間、俺は目が点になった。
「……忘れてた」
「そういえば……」
「え!?」
俺もエレナも別にパーティーを組みたくなかったわけでも、組まない理由があったわけでもない。ただひたすらに忘れていた。
「もったいなくないですか?」
「まあ、たしかに」
パーティー申請をするメリットはいくつかあるが、大きくは3つだ。
まず依頼の手数料が安くなる。個人が2人で依頼を受けた場合手数料は2人分だが、2人で組んだパーティーとして受けた場合1人分の手数料しかとられない。これはパーティー単位で活動してくれた方がギルドとしても生存率が上がり、戦力の単位としても扱いやすくなるための措置だ。
次にランクの判定が緩和される。詳しくは省くが、パーティーのランクは所属冒険者のランクと人数で決定される。個人ではDランクでもパーティーがCランク判定ならCランク向けの依頼をうけたり、Cランクダンジョンでの活動が認められたりもするわけだ。
最後に知名度の有効活用ができる。パーティーを登録するときにはパーティー名を決めなくてはいけいない。誰それと誰それというように個人で名前を売るより、何とかというパーティーというように覚えてもらった方が一般に浸透しやすいのだ。知名度が上がればそれだけいい依頼が来るようになる。ギルドも有名なパーティーが所属している方がありがたい。
ここまで列挙して言えるのは、俺とエレナにとっては結構どうでもいいことばかりだということ。依頼の手数料を1人分ケチるには討伐で稼ぎすぎたし、ランクはCが2人で組んでもC判定だし、知名度は現在あまり積極的に稼ぎたくない。
「デメリットもないけど」
「組んじゃう?」
なんのきなしと言った様子だが、エレナの言葉には喜びの気配がある。目もしっかり輝いていた。彼女は魔獣討伐の後の一件以来、俺との関係の多様化に努めている。俺とのつながりが増えると思ってこんな表情をしてくれるのだから、姉冥利に尽きるというものだ。
可愛いやつめ。
「ん、組も」
「えっと……じゃあ、パーティー結成の書類を出しますね?」
ずっとパーティーを組まずに依頼を受けてきた理由が忘れていたからと言うことに、やや呆れ気味の苦笑を浮かべてカレムが書類を用意してくれる。といっても記入項目はほとんどない。拠点はブルーアイリス寮で人数は2人、近接と魔法の役割分担もしている。
「パーティーの名前はどうしよう?」
「それが問題」
「突然で決まってないですよね」
言ったようにパーティー申請にはパーティーの名前が必要だ。Bランクの「夜明けの風」やCランク「青き短剣」のような名前が。
「なにか信念や合言葉があれば簡単なんですけど」
「ない」
俺とエレナが共通して掲げている信念や信条は実のところない。少なくとも冒険者として、パーティーの名前として刻みたいほどのものは。
「それなら自分たちの特徴を盛り込んでは?」
「アクセラちゃんの特徴なら刀だよね」
問題はエレナの特徴だな。刀と組み合わせて、かつ対等な印象になるワードは……これもやっぱりない気がする。
「えーっと……それでしたら好きな物や象徴的な動物なんかはどうでしょう?」
「好きな動物かぁ、アクセラちゃんはうさぎさん好きだよね」
「いや、別に」
俺の刀はウサギをこれでもかと取り入れたデザインだが、別に俺自身は特別好きとかない。
可愛いとは思うけどさ。
「エレナお嬢様は好きな動物とかないんですか?」
「わたしは何でも好きですよ?」
これはあれだ、ビクターたちが誕生日に何をあげるかで困っていたのと同じ状況だな。
「じゃあ好きな魔法とか」
「好きな魔法……むぅ」
エレナは魔法が大好きだ。使うのも見るのも好きで、一番好きな魔法はどれと聞かれてもなかなか困る。
「ここ何年か氷魔法、気に入ってる」
「あー、たしかに」
昔は青い炎の魅力に憑りつかれていたが、最近じゃむしろ氷の方が好きなのを俺は知っている。火属性はどれだけ細かく魔力を調整しても変化が分かりにくい。温度が変わっても火は火だし、燃える炎の揺らめきまでコントロールできるわけじゃない。そこにきて氷は全てをコントロールすることができる。緻密さを求め始めたら際限なく追及できる氷魔法は好奇心の魔物エレナを捕らえて離さなかった。
「アクセラお嬢様はウサギでエレナお嬢様は氷魔法ですね」
「いや、だから別にウサギが特別好きなわけじゃ……」
「それならちょうどいい魔物がいますよ」
「……そう」
なぜかこの件に関しては誰も話を聞いてくれないよね。
「雪花兎という魔物で、ガイラテイン聖王国の南側に聳える山脈「聖なる咢」に生息しています。滅多に人の前には姿を現さない幻の魔物らしいですよ」
雪の結晶のような純白の毛皮と「聖なる咢」にかかる薄青い空のごとき瞳を持つ美しい魔物で、雪山の中で見つけるのは困難の極みとも言われる。小さな群れを作って山頂近くで暮らし、遭難者を見つけるとふもとまで誘導するという謎の習性でも知られるらしい。その心臓は付与魔法の素材として最高級であり多くの冒険者や猟師が狙っているのだが、雪と風を操る能力を突破して狩猟できた者はほとんどいない。
「美しく気高く、そしてなにより強い。ぴったりだと思いませんか?」
さも自分の提案が最良であるという自信を見せつつ、カレムは雪花兎について語った。
「どう思う、エレナ?」
「うん、いいと思うよ!」
エレナがいいならそれでいいか。なにより「聖なる咢」に住まう魔物は基本的に神聖なものとされているので、あやかって名前を付けると縁起がよさそうだ。
「じゃあ、それで」
そんな気の抜けた合意で俺とエレナはCランクパーティー「雪花兎」を結成した。
「今後も頑張ってくださいね」
一事務官として以上に暖かい言葉をかけてくれるカレムに見送られて、その日は出張所を後にした。
~★~
寮に帰ってきた俺たちは真っ先に荷解きの続きにとりかかった。服や日用雑貨は昨日のうちに出したのだが、さすがに食器や本なんかの重たい物は手をつけていないのだ。もちろん新しく作った防具も。
「とりあえずなにから開ける?」
「まず防具。食器は最後」
食器や調理器具は半分以上俺の趣味で買ったもので、食堂がある以上すぐに出す必要はない。それよりも新しい防具を早く確認したかった。
「ほとんどお揃いだもんね」
そう、俺とエレナで統一感のある装備にした。くしくもパーティーを組んだ直後でちょうどいいかもしれない。
「まずは……これ」
ケイサルの工房から直接送られてきた木箱からブレストプレートを取り出す。こげ茶色の革鎧に鈍い銀の胸鎧が固定された基本的な形をしている。固有銘はディムプレート。次に同じ金属の脛当と籠手が出てくる。一式そろって固有銘をディムライトという軽鎧だ。ケイサル一の鎧鍛冶ビノーケンによる渾身の作である。
「ん、エレナ」
箱からディムプレートをもう一つ取り出して手渡す。彼女には脛当と籠手がない。
「これはわたしのだね。はい、アクセラちゃんの」
エレナが別の箱から手袋を取り出す。両方とも鈍色の金属質な生地でできており、これも魔物の素材でできていた。俺のはやや厚手なかわりに指の部分が落とされていて銘は蝕鉄の指切りグローブ。エレナのは極薄の手にぴったり貼りつくデザインで銘は蝕鉄の薄手袋。素材になった魔物の名前が蝕鉄獣なのでどっちも安直な名前だ。
「ん、良い装備」
磨き抜かれた鎧を確認して口元がほころぶ。
「あれ、まだあるよ?」
俺とエレナがビノーケンに発注したものは全てそろっている。それなのに、エレナの言う通り箱はまだ3つあった。
「これは、ブーツ?」
「2足あるね」
ブーツは革の本体に金属の補強が入った冒険者に好まれるタイプの物だ。ただ使用されている素材はディムライトをつくるのに集めたものと同じだった。片方は補強用の金属を取り外しできる少しゴツめのデザイン、もう片方はブーツ全体に軽めの補強がしてあるかわりに外せないスマートなデザインだ。
「これってわたしたちに合わせて……」
「ん、みたい」
「あ、手紙入ってるよ」
「ほんとだ」
それはビノーケンからのものだった。とはいえケイサルを代表する鍛冶師の性格を反映しておそろしく素っ気ない内容だ。
『余った素材で作った。使ってくれ。達者でな』
紙の9割が余白というある意味贅沢な手紙だった。意外にも字はものすごく達筆だが。
「最後の箱は?」
「開けてみよっか」
小さな木箱を開けて中身を見ると、そこには髪留めと組紐が収められていた。添えられている小さな手紙曰く、俺たちに屋敷の皆が贈ってくれた入学祝いだ。
「……むぅ、皆ズルい」
「ん、うれしいね」
少し屋敷のことを思い出したのかエレナがしなだれかかってきた。それを抱き止めて頭を撫でてあげながら、手紙に書かれている品物の情報を読む。
「エレナの髪飾りは妖精の髪留めだって。魔力制御を助ける補助魔導具」
金のフレームにいくつかのクリスタルをはめ込んだ色鮮やかな羽根型の髪留めだ。エレナの濃いハニーブロンドによく似あう。
「私のは刀の下げ緒。靭性強化の付与がしてある」
靭性強化があればとっさに剣をこの紐でうけとめることもできる。地味に便利だ。ベルトに金具でとめられるよう改造されているのも助かる。きっと紅兎に最初からついていた下げ緒がボロボロになってきたことに気づいてくれたのだろう。
「頑張らないと」
「うん……うん、頑張らないとだね!」
最後ひとしきり顔をぐりぐりと擦りつけてから、エレナはがばっとこっちを見る。その目には新たな決意がみなぎっていた。
「やっぱり討伐依頼行こうよ!」
「戦いたくなった?」
「うん!」
俺も大概だがエレナも戦い好きになったよな。
「ん、カレムにおねだりしてみよ」
なんでもいいから新しい装備を試してみたい。
来週から通常通りの連載スケジュールに戻ります!
今年は作者が忙しくなるので、もしかすると更新の遅れや活動報告のド忘れが発生してしまうかもしれません。
気長に生暖かく見守ってやってください。
それでは、本年もよろしくお願いしますm(__)m
~予告~
新品の装備と新しい環境。
新しい冒険が今始まろうとしていた。
次回、鎧ある騎士
ビクター 「鎧ある、だとただの騎士だよね」
トニー 「革命の途上にあると思えば、ある意味似ていなくもないが・・・」




