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二章 第10話 加護【応用編】

 夕飯が終わって部屋に戻るとすぐにステラがやってきた。約束していた新しいドレスの為のデータ採取だ。


「失礼しますねー」


「ん」


 彼女はテーブルの上に鞄をおき、その中から巻き尺を始めとする道具類をいくつも取り出し始める。その手際の良さはさすが伯爵家のお針子を取りまとめる立場と感心するほどだ。俺も俺でその間に服を脱いで測りやすいように身支度をする。


「はい、では計りますねー。腕を上げてー、はい、そのままそのままー」


 のんびりした声を聞きながら、俺は指示されたままのポーズで巻き尺を巻かれる。ひんやりとした金属の感触がした。


「お胸はまだまだ時間がかかりそうですねー」


「ん」


 なんと答えていいのかわからない言葉に相槌だけうつ。育った方がいいのだろうが、たいして興味もない。邪魔にならない程度で成長が止まってくれる方がむしろ嬉しいくらいだ。


「うん、背はそこそこ順調ですねー。姿勢もいいですし、肩も撫ですぎず綺麗なラインですよー」


 ステラは手足の長さを定規で測ったり、手や肩の肌に色見本のような革素材をあてたりしてそれら全てを手帳に記入していった。


「肩を出した方が綺麗ですかね……フリルも抑えて、お嬢様の澄んだイメージを前面に……」


 いつの間にかその口調からいつもの緩い雰囲気が消え、俺の手足を見る目も完全に素材を吟味する職人のそれになっていた。この状態のステラは「ちょっと手をお借りしますね」とか言ってもいできそうなくらい鋭い雰囲気で少し怖い。


「お色は……うーん、難しいです……でもデザインでキレを出すなら色は子供らしさを……コサージュ、いやペンダントの方が……」


「……寒い」


「あ、ごめんなさい私ったら!」


 こういう所は本当に職人気質だな。嫌いじゃないが。

 そういえば彼女たちはどこでスキル頼りでない物作りを覚えたのだろう。ふとそんなことを思った。


「ドレス、楽しみにしててくださいね」


 そう言い残してステラが撤収した後、俺はベッドに寝転がって目を閉じた。春先の寒い中、下着に剥かれていたから疲れたというわけではない。これから試すスキルがどうなるかわからないので、間違えてもぶっ倒れることだけはないようにだ。

 今から使うのは『神託』。天界にアクセスするためのスキルであり、今の俺のレベルは大神官級のLv5。大神官と言えばしかるべき設備を使って祈りを捧げることで天使の言葉を聞くこともできる高位聖職者だ。それなら俺も似たようなことができるのではなかろうか、という実験だ。


「まずは……天にまします我らが主、その御力を以ってこの場を清めたまへ」


聖魔法初級・ピュリフィケーション

 『聖魔法』を発動させて部屋の中の魔力を清浄化する。神域ほどでないにしても、これでここの魔力は扉1枚隔てた外より遥かに穢れが少ない状態になった。


「時間も限られてる、始めよ」


 そう呟いてからベッドの上で体の力を抜き、『使徒』から『神託』を選ぶ。その瞬間、俺は自分の意識が広がるような言葉にしがたい感覚を覚えた。あえて表現するなら転移の時の酩酊感を数百倍に薄めて高いところから落下するときの浮遊感を足したような、そんな感触だ。

 『神託』を使うにも『聖魔法』と同じで祈祷がいるのかと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。


「……」


 気色の悪い感覚に耐えることしばし、これは失敗したかなと思い始めた頃になって反応があった。


『……あ・じ……・る・、き・・ます……・』


「聞こえそうで聞こえない……」


 断片的に聞こえるのは俺に仕える上級天使パリエルの声。この実験、すなわち教会にいかずともある程度の準備をすれば天界とコンタクトがとれるかという試みはこれで一定の成功を収めたわけだ。とりあえずは。

 俺の体からどこか、おそらくは天界へと繋がっている魔力の導線を想像し、出力を上げて安定化を図ってみる。大昔に師匠が言っていた電波の強度というやつをイメージに取り入れるのだ。


『ある・、きこ・ま・か……』


 発想は間違っていなかったようで多少聞こえるようになったが、まだ完全には聞き取れない。やはり清めたからといって流石に自室では無理があったか。


「天にまします我らが主、その御力を以ってこの場を清めたまへ」


 もう一度ピュリフィケーションをかけてみる。


『あるじ、ピ・リ・ィケ・・ョン・・なく・ン……アリをため・てみ……・い』


 浄化をかけ直してみたら拾える音も増えたようだ。やはり場が問題なのだろう。


「パリエル、試せと言ってる?」


『そう・す・・ン・チ・ア・を・・してく・さい』


「連呼して」


 肝心の部分が聞き取れないのでちょっとした提案をしてみる。これなら聞き取れるパーツを合わせて理解できるかもしれない。


『サ・・チ・・リ、・ン・チュ・リ、・・ク……リ・・ン・チ・・リ、サンク……・・サン・チュ・リ、……・ュアリ、・・クチ……リ』


「サンクチュアリ?」


『それ……ある・』


 サンクチュアリというと聖魔法の上級中の上級。一定範囲を聖域化してあらゆる穢れを消し去るという、いわばピュリフィケーションの強化版にあたる魔法。対アンデッド戦においてはセーフゾーンを確立できるため最も重宝される聖魔法だ。


「サンクチュアリ……無理」


 ステータス欄から『聖魔法』を展開して確認するも、やはりサンクチュアリは祈祷の文言が不完全にしか記載されていない。俺が大昔にどこかで聞いた部分で辛うじて覚えているところしか書かれていないのだろう。


「ピュリフィケーション重ねがける。通じたら呪文教えて」


『わ・・ま・た』


 時間経過とともにピュリフィケーションの効果が薄れて聞き取りづらくなっていくな。


「天にまします我らが主、その御力を以ってこの場を清めたまへ。天にまします我らが主、その御力を以ってこの場を清めたまへ。天にまします我らが主、その御力を以ってこの場を清めたまへ。天にまします我らが主、その御力を以ってこの場を清めたまへ」


 この『聖魔法』、我らが主というが主は俺だしそもそも天にましませんのに発動する。それなら多少文言があやふやでも発動してくれればいいのに。

 聖職者に聞かれたら罰当りと言われそうな文句を脳内で垂れ流しながらスキルを連発する。1回かけるごとに部屋の魔力が清められ、4回かけ終えたところで教会の礼拝堂並みに清浄になった。


『主、聞こえますか?』


「ばっちり」


『ではサンクチュアリの呪文をお伝えしまね』


「おねがい」


『天にまします我らが主、我らの願いを聞き届け、その御力を以ってこの地を清め、悪しきを祓う祝福を与えたまへ』


「ながい」


『上級ですから』


 パリエルの声が苦笑を含む。彼に行っても仕方がないことは俺もよくよく知っているので、それ以上はなにも言わずに呪文を唱えた。


「天にまします我らが主、我らの願いを聞き届け、その御力を以ってこの地を清め、悪しきを祓う祝福を与えたまへ」


聖魔法上級・サンクチュアリ

 ピュリフィケーションのときを遥かに凌ぐ魔力が失われ、部屋の床や壁が薄らと輝いた。

外からも輝いて見えたりしないといいのだが。


『ああ、ノイズがなくなりました』


 パリエルの側でもノイズが出ていたらしい。


「ん、こっちも聞こえる」


『それはなによりです。しかしどうされたんですか?』


 彼の疑問ももっともだ。向こうからすれば、いきなり自分宛てに何処からともなく声が聞こえてきたような感じだろうか。


「ちょっとした実験と相談」


『実験と相談ですか。さしずめ実験の方は自宅から天界に連絡がとれるか、といったところですか』


「よくわかってる」


 流石は俺の上級天使だ、大体しそうなことは理解しているらしい。話が早くて助かる。

 しかし次に彼が発した質問は意外だった。


『相談は地上でのお体の事ですか?』


「ミアから聞いた?」


『はい。おそらく主は伝える時間が取れないだろうからと、直接ご足労くださいました』


「あとでお礼しないと」


 何をお礼にすればいいのかもよくわからないが、とりあえずそれだけは忘れないようにしよう。

 本当に、ウッカリさえなければいい奴なんだがな。


「あと、体の事じゃない」


『そうでしたか。では、相談というのは?』


「弟のこと」


『弟君の……ああ、なるほど』


 記憶を手繰っているかのような一拍の間のあと、パリエルは納得したような声を上げた。どうやらうちの副官はトレイスの病気のことも知っていたらしい。


「調べてた?」


『一応主のことは一通り、勝手ながら色々と調べさせていただいていました。ご気分を害されましたか?』


「ん、別に」


 彼も俺がそのことを咎めないだろうと分かった上でしているのだろう。言葉の上では質問だったが、明らかに不興を買うとは思っていない声音だった。


「よほどの事以外は言わなくていい。地上ではあくまで人の中で生きる」


『心得ました』


 なんやかんやと天界に相談を持っていっている身としてはどの口がと思わなくもないが、それでも極力地上のことは地上で解決したいと思っているのも本当だ。


「リサーチも優先度は低めで」


『はい』


 パリエルには他の天使の教育と天界での諸々の事務仕事、それから今後増えていくだろう信徒との橋渡しをしてもらわなければいけない。俺の方ばかり見ていてもらっては困る。


『それで、相談とは具体的にどういったことでしょうか?』


「トレイスに加護を与えたい」


『それは可能ですが……それだけですか?』


 加護の1つや2つ、あとで教会に行ったときでよかったのではないだろうか。そんな困惑が彼の声からは窺えた。そもそもそれなら相談ではなく命令でいいのでは、という思いもあるのだろう。

 もちろんそんなわけがない。


「加護の応用、可能?」


『応用……?』


「ん、応用」


 俺はパリエルに今日調べたことから考えられるトレイスの現状と、加えて俺の立てた些か強引な推論を伝える。

 トレイスは魔力過多症だ。それも器と実際に溜まる魔力の差がかなり大きい重度の症状だろう。常に体内を多量の魔力が駆け巡っていると推測される。

 彼は同時に超能力者だ。制御できない超能力を頻繁に発動させており、生まれてからの7年間ほぼ毎日魔法を体内で使用している。超能力の特性上、暴発しているのは不完全な肉体強化系や回復系の魔法のはずだ。

 そんな状態で7年間も死なずにいるということは、魔力をほとんど持たない赤子のころから少しずつ魔法に晒されてきたことで肉体が耐性を得ているからだと考えられる。まるで暗殺者が薄めた毒薬を飲み続けて耐毒性を得るがごとく。


『こう言っては何ですが、推論だらけですね』


「ん」


 しかしかなり確率の高い推論だと思う。レメナ爺さんの行動から7歳になってもまだ魔法の訓練ができていないことが推測できる。そこからおそらく訓練の余裕などないほど小規模な暴発が頻発しているのだということも予想がつく。いくら小規模な魔法でもそんな頻度で発動していれば普通はあっという間に魔力が枯渇してしまうだろうから、彼の魔力量は相当なものであることがわかる。暴発している魔法の種類についても超能力が意思によって引き起こされるなら、治癒と強化が主な可能性は大だ。

 問題はその先、頻繁な治癒と強化魔法の行使と暴発によって魔法の練度が上がり、魔法耐性が高まっているという推測はそろそろ怪しい領域になる。

 だが俺はここに更なる推論を積み重ねる。それくらいしか思いつく解決方法がないのだからしかたないと。


「魔力に晒され続けてること。魔法を使い続けてること。魔法耐性を得ていること。全部あってると仮定」


『はい』


「トレイスの魔力親和性、とても高くなってない?」


『それら全ての仮定があっているとすれば、かなり高いでしょうね』


 魔力親和性というのは読んで字のごとく、魔力に対する相性の良さのことだ。

 熟練の魔法使いと初心者魔法使いが同じ魔法を使うと前者の方が強い魔法になる。誰がやっても威力、消費魔力、時間や軌道まで同じになるはずのスキルによる発動でもだ。これは熟練の魔法使いの方が高い魔力親和性を持ち、魔力に体が慣れているから起こる現象と考えられている。

 魔力親和性を上げる方法はただ1つ。ひたすら魔力に触れ続け、魔法を行使し続けることだ。トレイスは条件的にかなり高い魔力親和性を獲得していなければおかしい。


「私の加護は才能の開花と努力の結実。これを応用してトレイスを治療できると思う」


『えっと……すみません、僕にはまだうまく理解が及ばないのですが』


 戸惑うパリエル君に俺は今列挙した要素を繋ぎ変えて説明する。


「トレイスは7年間、命のリスクを負って魔法を使用している。これを修行と定義する」


『しゅ、修行ですか?』


「魔法親和性向上のための修行。成果は出ている」


 魔法親和性を上げるために魔力の限り魔法をかけ続ける。そこだけ切り抜いて言えば修行と成果と捉えてなにもおかしなところはない。


『強引というか、もはや言葉遊びの領域な気がしますが……たしかに手法と結果という型にあてはめるのなら間違ってはいませんね』


 俺の言っていることは理解できたようだ。


『加護を与えるより前の努力に加護が及ぶかはともかく、おっしゃることはわかります』


 努力に結果を伴わせるという加護はいうなれば成長倍率の補正だ。普通の人間が10の努力で5の成果を上げられるとして、この加護を持つ者は10の努力で7の成果を上げられるようになる。

 本来これは付与より前の努力に作用しないが、そこを捻じ曲げて生後から今までの努力に作用させるのだ。そうすることでただでさえ高い魔法親和性を底上げできる。たぶん。


「高い魔法親和性は魔法使いの才能。才能を開花させる加護で魔法系スキルに進化させる」


『そ、そういうことですか!いや、しかしそれはいくらなんでも……』


 ようやく意味が分かったのか、パリエルは驚きに言葉尻を彷徨わせた。

 生まれながらの魔法の才能に恵まれた者は強い魔力親和性を持っている。エレナが何の訓練もなしに周りの魔力を引き寄せていたのがいい例だ。属性の問題さえ置いておくなら魔力親和性が高いということは良い魔法使いになる一番の素養とも言える。

 ここで出てくるのが俺の加護のもう半分、才能の開花だ。これは開花せずに眠っている才能を呼び起こすというもの。魔法の才能と呼べるだけの高い魔力親和性があるなら、それを魔法系スキルとして目覚めさせることもできるかもしれない。


「魔法系の中には『魔力制御』のスキルも含まれるはず」


『魔力制御』スキルがあれば魔力が勝手に魔法化して暴発するのを抑えられる。


「どう思う?」


 何度も言うが、推論に推論を積み重ねたうえで試したこともない強引な応用をねじ込む提案であることは理解している。しかし方向性を明確にした訓練をさせられないという状況で俺が思いつく『魔力制御』の獲得方法はこれしかなかった。


『……』


 数瞬の間、彼は考え込む。


『いくつかお聞きしたいことがあります』


 そう短く区切って、パリエルはいくつかの疑問点を上げ始める。


『まず、その推測はどのくらい確実ですか?』


「魔力量と超能力の頻度は高確率。魔法の種類も。魔法耐性は少し下がる。でも魔力親和性は高くなってると見ていい」


『では魔法親和性を上げる方法ですが、結果を努力に伴わせる加護は付与以前に影響しないはずです。そこはどうなさるのでしょう?』


「反転させる。未来への加護を過去に充てればなんとかなる」


『そんなことが可能なのですか……?』


「技術的には可能なはず」


 技術神が技術的に可能というのだ、安心してほしい。……いや、たぶん可能だと思うんだが。


『では最後に、主の加護はスキルではなくあくまでその人の持つポテンシャルを開花させるものではないのですか?『魔力制御』を得られる保証はないように思います』


「それは確実に大丈夫。スキルはポテンシャルがベース。適性と実績があればスキルになる」


『そうですか……』


 質問はそれだけなのか、彼は再び黙り込んで考え始めた。

 きっとそこまでの手間をかけて神が人の為に行動するのは越権行為にならないかとか、それを加護の通常対応に組み込めるかどうかとか、色々なことを考えているのだろう。俺が知らない天界の事情を加味して意見を言ってくれる彼の存在は今後も非常に重要になりそうだ。

 パリエルが口を開いたのはそれから2分ほどたってからのことだった。


『資料もあたりましたが、使徒の親兄弟や妻子に対して神が特別な配慮をするというのはそう珍しいことでもないようです。なので弟君に特別な加護を与えること自体は可能です。ただ……』


 彼は非常に申し訳なさそうに続きを口にした。


『それだけ複雑な応用となりますと、まだ僕たち天使ではどうにもなりません』


 以前パリエル君に取ってもらったアンケートを基に俺は力を込めた道具をいくつも作って配下の天使たちに配布したのだが、彼等がそれを吸収して上級天使になるにはまだまだ時間がかかるらしい。もうすでに上級天使になっているパリエル自身は総合能力と文官能力に秀でるも、加護を弄って付与するなどという複雑なことはできない。ようは専門の高等テクニックが使える天使が誰もいないそうだ。

 彼は謝罪に添えてそう説明してくれたのだが、彼は勘違いをしている。


「大丈夫。最初から私がするつもり」


 そもそも加護の作用する時間軸を反転させるなど、専門の天使でもできるかわからない煩雑な工程だ。最初から俺が天界で直接行うつもりである


『ああ、そうだったのですか。では相談というのは、その案が技術的に可能かというよりは天上のルール的に大丈夫なのかということですね?』


「あとは見落としの確認」


『そうでしたか。差し出がましい思案をいたしました』


「いい、助かる」


 恐縮するパリエルに感謝を伝えつつ、俺は今後に意識を向ける。

 明日から夏、王都に向かうまでのどこかでまとまった時間を見つけ、教会から天上界へ向かおう。いくら時間の流れに融通の利く天上の世界といえど限度があるし、想定される作業時間を思えば安全マージン込みで2時間は欲しい。


「今度時間つくっていく。ミアとエカテアンサに連絡おねがい」


 ミアは協力者であり、神々の長でもある。連絡をしておくのが筋だろう。エカテアンサにも連絡をいれるのは彼女が子供の守護者だからだ。7歳はまだ彼女の守護の下にある。はたしてトレイスが祝福を受けているのかは知らないが、加護は重複できないので確認と必要なら協力要請だ。


『承知しました』


 伝えたいことはそれくらいか。

 パリエルの方からも特に何もないようなので、俺は手短に別れを伝えて接続を解除した。そして久しぶりに魔力の大半を消費した感覚を味わいつつ、心の中で小さく拳を握りしめた。

今週中にとりあえずことを始めよう。

 そんな決意と共に。


~★~


 その後、エレナが来るまで俺は残り少ない魔力で部屋中の魔力を3度ほど属性変化させた。

 サンクチュアリの残滓を消すころには魔力枯渇を起こしかけたが、なんとか彼女にバレることはなかったようだ。


感想についてお知らせです。

必ずキャラクターから一言お返事をさせていただいているのですが、

もしキャラの希望があるようでしたら一言添えてくださいまし。

可能な限りお応えしますm(__)m

※なおこれは必ずしもご希望のキャラからの返事が来ることを保証するものではうんたらかんたら。


~予告~

天上のしもべとの密談を終え、証拠を隠蔽するアクセラ。

まさかその全てを見られているとも知らず・・・。

次回、料理長は見た!!


イオ 「え、吾輩!?レディの部屋を覗くなどいたしませんぞ!?」

ラナ 「大丈夫です、ただの冤罪ですよ」

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