大統領のミッドナイト
日本の新型PAの開発は7月25日で完了したはずだった。しかし、それに待ったをかけたのは日本国防軍のトップである竹中達彦であった。竹中は紫電及びtype-0の機動性を問題視し、改善を要求。幸い、約2カ月程度で最高速度を両方とも大幅に上げることができたが、完成の期間がずれ込んだことに不快感を示していたのは国防軍上層部もそうだが、同盟国アメリカもそうであった。
西暦2134年 10月 1日
アメリカ合衆国大統領アーロン・ライエルのは一日の疲れを一気に吐き出すようにホワイトハウスの自室のイスに背中を預ける。議会の対応に追われ、マスコミに追われ、本当に気になていたことが全く手に付かない。しかし今ここならば本当に気になっていたことを調べたり考えたりすることができる。
「ジョシュア、我が国の最新型PAアーリントンの配備状況はどうなっている」
ジョシュアと呼ばれる大統領の秘書は機械的に大統領に言葉を返す。
「アーリントンの配備状況は良好です。 配備予定への部隊への配備率40%程です」
アメリカの最新鋭PAアーリントンは約5カ月前に配備が開始された。まだ半分にも満ちていないが、もともと配備数が他国と比べると多いことから5カ月で40%の配備率は十分な数字だ。しかし大統領は少し難しい顔をしていた。アーロンには期間を考えれば十分なPAの数があってもまだ不安なことがあるのだろう。表情を変えず次は他国の話題に移る。
「中国の動きはどうだ? 新型PAの開発が去年8月あたりに完成したはずだが」他国の話題であっても大統領の秘書は淡々と答える。
「中国のPAの配備状況はあまり順調とは言えません。 正確には分かりませんが、未だ大多数の部隊が旧式のようです」
「それは良かった」警戒すべき国の軍事状況が思わしくないのは、こちら側としては助かるが、見方が思わしくない状況だとそれが半減してしまう。現に日本の新型PA2機が開発期間を延長されていた。
「しかし日本があれでは話にならない」
呆れた表情を見せる大統領だったが、ジョシュアの表情は変わりはしなかった。ジョシュアは大統領に日本の新型の開発が終了したことと、7月25日時点でのスペックと改修後のスペックを比較したペーパーを大統領に提出した。
「なんだこの差は…」
呆れてしわの寄った顔から、しわが張りに変わっていく。
「改修前の最高速度がtype-0が65キロ、紫電が55キロしかし改修後にはtype-0が20キロ、紫電が10キロも上がっているとは…」
立ち上がりペーパーをジョシュアに返す。
「ジョシュア、彼らは最初さぼっていたからこんなに上げることができたのか? それとも最初から全力で開発してこうなったのか?」
扉に向かい歩き出す大統領について行きながら、ジョシュアは答える。
「日本人がさぼるとは思えません」なるほど、とうなずく大統領扉の前で立ち止まり秘書が扉を開けるのを待つ。
ジョシュアが扉を開け、そばに立っていると大統領は歩き出しながら静かに口を開く。
「だとしたら、日本人という民族は本当におそろしいものだな」
PA解説
日本国防軍
・type-0
「日本の最新型PA。総合的に性能が高く、機動性に優れる。
しかし、一番の特徴は扱える兵装、パーツの多さであらゆる運用に対応できる。
改修前の最高速度が65キロで平均的には約45キロのスピードを相内が出していたが改修後は最高速度85キロで平均60キロのスピードを出せるが、スピードについていけない者も多い。
・紫電
「日本の最新型PA。type-0は脚部からエアーを噴出し機体を浮かせ、背部にある小型ジェット又はエアー噴出で移動するのがメインだが、紫電の場合脚部のローラーで移動することが前提となっている。予備用としてエアー噴出、小型ジェットが装備されているがさらに小型化されており、クイックステップなどもtype-0より性能が低い。しかし、装甲や重火器の使用についてはこちらに軍配が上がる。
アメリカ合衆国
・アーリントン
「アメリカの最新型PA。特徴的なのは、機動性と装甲の両立。
重火器も難なく使用できるPA。ホバー移動により最高速度は70キロ。




