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実験者二人 (完結)

タカサカの駆る紫電に優勢を取った相内だったが、体制を立て直され猛攻を受けてしまう。

しかし、勝負はまだ決まっていなかった。

 「くっそ! 逃げ足が速い! 」コンテナ群をかき分けて紫電をtyoe-0が追撃する。小回りの利くという面ではこちらに利があるが、それでもなかなか追いつけない。敵機の姿がコンテナから姿を現す。「きたな! 」瞬時にトリガーを引くが、引いたころにはクイックステップによりまた別のコンテナに姿を隠す。空振りした銃弾がコンテナに突き刺さる。

 「敵機、東側からコンテナ群を抜けました」綾の声がこちらの攻勢終了を告げる。仕留め損なった。報告を聞いて瞬時にこちらも東側からコンテナ群をかわしていく。アサルトライフルの銃弾を補充しようとしながらコンテナ群を抜けた。しかしそれがうかつだった。

 金属の雨が相内の体を襲う。「やられた! 」クイックステップを繰り返し銃弾をかわそうとするが、どうしても少しは被弾してしまう。「被弾しています! 敵機は両手に銃を持っています! 」

「わかってる! 」

一度弾のリロードを中止する。

「相内さんコンテナ群に! 」

「無理だ、クイックステップで遠ざかってる。下手すればまた狙い撃ちだ! 」

「そんな…せめて隠れることができれば…」

「隠れる…」

隠れるというワードが相内を一瞬で頭をフル回転にさせる。

(隠れる…どこに…周りは)

銃弾をかわしながら一瞬目を下に向ける。敵の銃撃による砂煙が上がっていた。パワードアーマーといえど片手で銃を連続して打ち続けているためのブレだろう。

「なるほど」

 相内はなるべく自分の移動距離を狭くするよう意識し、クイックステップをする。銃弾はコンクリートを削って砂煙をさらに巻き上げる。視界もなかなかに悪い。そのためランダムに動いて敵の的を絞らせない。

「アサルトライフルリロード完了」そのまま銃口を地面に向ける。魚の飛んだ水面のようにコンクリートは波を打って、砂煙は高く舞い上がり、遂には敵機の紫電も見えなくなっていたこのことから敵もこちらは見えないはずだ。この状態のまま気休めにアサルトライフルを敵機の方向とみられる方向に発射する。

「当たったかどうかわかるか? 」

「…えっと敵機の太ももあたりをかすめたようです。あっ!敵の弾薬が外れて落下しています」

「ということは打ち切ったらもう詰められないってことか! 」

敵の銃弾がこちらに来なくなるまで相内は地面に向かって発砲したりランダムに動いてやり過ごした。そして銃弾が来なくなったのを見計らい煙を切り裂いて突進をする。敵機は棒立ちだったがすぐさま戦闘の姿勢に戻り銃を構えるが、両手に握られている銃からマズルフラッシュフラッシュはうかがえない。つまり…弾は切れている。

 躊躇なく突っ込んでくる相内の姿を見て弾が切れているのを悟られたことを理解したのだろうか、速度を上げて離れていく。

「逃げるな! 」

すかさず発砲するが、そそれもぎりぎりかわしていく。弾を打ち終わったわずかな間だった。相内のライフルに何かぶつかった。

「そんなんありかよ! 」なんとアサルトライフルに直撃したのは敵機の持っていたサブマシンガン。なんと空になった銃を投的したのだ。

 だが、機体にダメージを与えられていないのならどうということはない再び銃撃をしようとするが、弾は発射されない。

「武器へのダメージが蓄積されたため、ロックがかかっています! 」

この模擬戦のルールではPAパワードアーマーの本体及び各機能、武器などに本来破壊されるダメージが蓄積するとその機能にロックがかかるように設定されてある。このアサルトライフルもコンテナ群を抜けた後の銃撃によるものが大きく、投的によるダメージにより臨界を迎えたようだ。

「ちくしょう! 」

すぐにアサルトライフルを放り投げる。

もう銃による遠距離からの戦いはできない。残る装備は左腕の前腕部に先が乗り出して装備されている懐中電灯のような形をした粒子溶断刀、所謂レーザーブレード。オペレーターの綾も相内も、これだけで戦うことになるとは思いもしていなかった。

刀身を出現させ斬りかかる。敵機も同じ部位に搭載されているレーザーブレードに刀身を出現させ、迎え撃とうとする。

「喰らえ! 」

勢いをつけて横なぎにレーザーブレードを払う。それをかわして敵機が胸部に突きを入れてくる。しかし、相内はこの攻撃を先読みしていたように、素早く右に回り込みそのままの勢いで包み込むように振る。相内の反応はかなり良かったが、敵機も負けてはいない。クイックステップで瞬時に交わした後またクイックステップを入れてそのままの勢いで突きさす。

「こっちだって! 」相内もクイックステップで距離をとる。

相内が敵機の方向を向きなおしたころには、何を考えたか敵は背をむけ相内から全速力で遠ざかっていく。


「追いつける! 」

負けじと全速力で追いかけていく。type-0のほうが最高速度が出るせいかみるみる差は縮まっていく。それでも敵機は背を向けて走り続ける。進行方向からすると目的地はコンテナ群抜けた東側。先ほど戦闘を行った場所だ。

目的地に着いたところでもう差はほぼなかった。

「もう逃げられない! 」

観念したのか、思いっきりブレーキをかけながら直線のままターンした。砂煙を巻き上がるが、相内が相内が地面に銃弾を打ちつけたときほどではない。

「これで終わりだ! 」

相内が前方へのクイックステップと同時に上からレーザーブレードを振り下ろす。遂に敵の装甲を刃の先でとらえることができた。相内が突進してきた相内に対し敵機も腹部を殴るようにレーザーブレードを密着させて反撃する。


 先に装甲をとらえたのは相内だった。

しかし、相内の目の前には”LOSE”の文字が浮かんでいた。


 しばらく相内にはその意味がわからなかった。


ここのサイトで小説を投稿し始めて4話めになりました。

やはり楽しみは、この小説のどのくらい読んでくださった人がいたのか、

PVアクセス、ユニークアクセスを閲覧することです。

まだまだ全然少ないですが、見てくださってる人がいるとほっとします。


感想などコメントいただけたら幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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