表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

忘れた

作者: 尚文産商堂
掲載日:2013/12/31

「もう、忘れてしまったんだね」

その人は、さみしそうに呟いた。

僕は、その人が誰か、全く思い出せない。

「本当に?」

本当のことだ。

何も思い出せれない。

「……ごめん」

自然に声があふれ出た。

でも、彼女が何者か分からない。

敵か味方か、友人か親友か恋人か、何も無いのか何かあったのか。

一瞬で頭がフル回転するが、それについての記憶は何もない。

それでも、声は漏れ続ける。

「……君を、ずっと覚えてられなくて、ごめん」

「ううん、いい」

なにがいいのだろうか。

自然に漏れ出た声は、それ自体が意味を持ち、彼女の耳へと間違いなく届いている。

「お医者さんがいってたよ、あなたは全てを忘れるだろうって。この世界のことも、愛情も、私のことも」

そうだ、その人が彼女だとなぜ僕は分かる。

なにも覚えていないと思ったのは、なぜだ。

だが俺の脳裏に浮かぶのは、真っ暗な空間ばかり。

何も分からない、何も思い出せない、ナニもワからない。

「大丈夫」

彼女は言う。

「私がずっとついているから」

なら、きっと大丈夫だ。

なぜか、それだけは確信できた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ