うちの幼馴染が、変わりすぎてツラい~『はじめて』をあげた途端、腐れ縁野郎から溺愛彼氏にキャラ変してしまった件
「おはようございます、おば様。アイツは、まだ部屋ですか?」
いつもと同じ朝、いつもと同じ会話。
我が幼馴染の母親は、こちらの問いかけに苦笑で応える。
「ごめんねえ、花織ちゃん。昨夜も遅くまで、ゲームをしてたみたいで」
「わかりました。お邪魔しますね」
肩をすくめ、私は玄関から中へとするりと入る。
勝手知れた場所だ。今さら、遠慮もなにもない。
階段を上がり、二階へ。扉の前に立つと、一応はノックする。
二回、三回……返事は無い。となれば、罰を与えなばなるまい。
息を大きく吸い込み――私は、勢い良く扉を開けた。
「いつまで寝てるの! さっさと起きなさい、バカズマ!」
ベッドで惰眠を貪る『それ』へと駆け寄り、えいやと布団を引っ剥がす。
すると、ボサッとした黒い髪が視界に入る。途端に聞こえる、うめき声。シーツの中央で丸まる、だらしなさ極まる『それ』は、そこまでしてようやく目を覚ましたようだった。
「んだよ、花織かぁ……おはよ」
「おはよ、じゃないっつの! いい加減、しゃんとなさい! 朝練、間に合わなくなるっつの!」
情けない、ほんっとうに情けない! 小学生か、お前は!
憤怒と共に枕を引き抜くと、その反動で彼は転がり落ちる。
「いてっ!? お前、もう少し優しく起こしてくれよ……」
「バカ言ってんじゃない! ほら、着替えなさい!」
ハンガーに掛かっているYシャツや制服を、次から次へと放り投げる。
顔にぶつかり、文句を言われるが気にしない。気にしてられない。
「顔、洗ってきなさいよ! 朝ごはんもちゃんと食べる! 抜いたら許さないからね!」
「へぇい……」
寝ぼけた声が、癇に障る。
振り向きさえもせず、怒りのままにドスドスと音を立て、私は部屋を出た。
ほんっとうに、どうしてこんなやつが、私の幼馴染なのだろう。
どうして、こんな情けない男が――
「――私の、彼氏なんだろうなぁ……」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ★
私――雨野花織と桜木和真は、生まれた時からの腐れ縁である。
家も隣で、生まれた病院も同じ。誕生日だって、わずかに三日違い。家族ぐるみで仲も良く、ゆえに自然の流れだったのだろう。私とあの男は、いつも一緒にいて、周囲からはほとんどセット扱いであった。
ドジでアホで、いつまで経ってもガキくさい。私生活もだらしなく、こちらに面倒を掛けてばかり。
だからか、私から和真への扱いはぞんざいであった。手間のかかる、弟のようなものだ。アイツが馬鹿をやるたびに、遠慮なく罵倒し、頭をひっ叩く。十歳の時に『あの事』が起きてから、それは更に加速した。
アイツの尻ぬぐいをするのが、私の役目。尻を蹴っ飛ばして前へ進ませるのが、私の使命。
そんなふうに思っていたから、だから私は『それ』をあっさりと受け入れたのかもしれない。
『――お、お前が好きだ! お、俺とつつ、付き合ってくだひゃい!』
今から十日ほど前の、バレンタインデーの当日。あの男は、お高そうなチョコを手に、私へそう告白したのだ。
今まで、そんな素振りなかったよね?とか、つうかチョコをアンタが渡すのかよ、とか。色々とツッコミどころは多かった。罰ゲームでの嘘告白すら疑ったし。
「……やっぱり、やめときゃ良かったかなあ」
桜木家のキッチン。テーブルに肘をつき、寝ぼけ眼でパンを頬張る幼馴染の向かいに座り、私はため息を吐いた。
雰囲気に流されてしまったことは、否めない。珍しく緊張した面持ちのアイツが、新鮮に見えたことも原因であろう。だから、私は頷いてしまったのだ。
――仕方ない、面倒をみてやるか、と。
今、私が断れば、和真に彼女なんぞ出来るはずがない。高校生活は、あと二年もある。わびしい青春を遅らせるのも気が引けた。
部活が一緒だ、ということも大きい。和真はバスケ部で、私はそのマネージャー。ぶきっちょなアイツが始めたそれを、中学の頃からサポートしてきたのだ。変に仲がこじれて、気まずくなるのもゴメンであった。
それに、周りから夫婦だなんだと冷やかされるのが、いい加減に煩わしかったこともある。
関係性をはっきり明示すれば、堂々と一緒に居られる。そんな打算もあった。
けれど、今は少し後悔している。彼氏彼女になってからも、私とこいつの有りようは、少しも変わらなかった。
最初の数日は、和真も緊張していたようだが、すぐに元通り。甘酸っぱさの欠片も無い。まあ、この男に期待などしてはいなかったけど。
「ほら、野菜もちゃんと食べなさい」
「……食ったし」
「一切れつまんだくらいじゃ、摂った内に入んないっつの」
目の前の皿に散らばるキュウリと、にらめっこをする我が彼氏。親の仇かといわんばかりに、サラダを注視するアホを見て、私は再びため息を吐くのだった。
☆ ☆ ☆ ☆ ★
「花織はさあ、桜木と上手くやってんの?」
返事に困る質問はやめて欲しい。ホント、切に思う。
あえて質問には答えず、私は周囲をこっそりと見回す。
昼休みだけあって、教室の中は人がまばらである。あのアホ幼馴染の姿も、そこにはない。
仲の良い男子グループと一緒に、どこかへ出かけているようだった。
「ねえ、花織ったら。教えてよぉ」
「そそ、幼馴染から恋人へ――って、どんな感じ?」
「はあ……」
本日何度目かのため息をこぼすと、目の前の友人に半目を向けてやる。
「うわ、かったるそうな目! ひょっとして倦怠期とか?」
「期待してるとこ悪いけど、別になんにもないってば」
シッシと手を振ってやると、彼女らは揃ってニヒヒと笑みを零す。
「最初は面白かったのにね。桜木もさあ、花織を見るたびにガッチガッチに緊張しちゃって」
「そうそう! ブリキ人形かっての! きゃははは!」
甲高い笑い声が耳に障る。なぜか、ムカッとするから不思議だ。
「そりゃそうでしょ。彼氏彼女になったんだし。むしろ、まったく変わらない方が変じゃない?」
そう言ってやると、彼女らは顔を見合わせて、そしてまた笑いだす。なんなのだ、全く。
「やっぱ花織さ、まだヤらせてないんでしょ?」
「はあ?」
「男と女のアレだよん――って、怒らないでってば! 物理は禁止!」
肩を竦める友人に、とりあえず軽くデコピンをくれてやる。イタっ、という声が心地良い。
「でもさあ、気を付けた方がいいよ。男って、アレの後はオレ様になるやつ、多いし」
「そうそう、態度がメチャでかくなんのよね。お前は俺のモンだ、って鼻息荒くなんの。キモすぎ」
呆れたように、彼女らは手をひらひらとさせる。うんざりしたような様子を見るに、今度はからかうつもりは無いようだ。
「オラつくしさあ、マジ最悪。あっちも下手くそだったクセにね」
「それが原因で別れる子もいるよ。アタシもそうだったし。なんつうか冷めるんだよね、気持ちがさ」
そんなもんか、と思う。経験が無いから判断はつかないけれど、今の会話に、こちらを騙すような素振りは見えない。
……和真のやつだったら、どうだろう。あのアホだったら、どんなふうに態度が変わるのか。
『へへっ、やっちゃったな! なあ、花織ぃ?』
得意げにふんぞり返る、ヤツの顔が目に浮かぶ。それは、限りなく正解に近いであろう光景であった。
「調子ノリそうだよね、桜木」
心中を言い当てられた。友人のそれに、否定を返せない。
だよね、そうだよね。アイツだったら、そうなるよね。
アホ彼氏が、ウザ彼氏にランクアップする。まさしく悪夢のような未来図だった。
「でも、あんまりヤらせてやんないと、焦れて浮気するよ」
――え?
「あるある。アイツら、ケダモノだし」
「やっと付き合ったんだからさあ、つまんない理由で別れないでよ」
なんだそれ、大きなお世話だ!
口々に勝手なことを言い合う彼女らに対し、私は口をひん曲げた。
☆ ☆ ☆ ☆ ★
「ただいま……」
玄関をくぐり、私は儀礼的にそう呟く。
誰も居ない、返事もかえってこない。薄暗い廊下に、言葉だけが吸い込まれてゆく。
「はっ」
無意識のうちに、笑みがこぼれた。苦笑とか、自嘲とか、そういうやつ。
「バカみたい」
母が専業主婦から仕事に復帰して、もう何年も経つのに。私だってもう、子供じゃないのに。
そうだ、これから家事もする。掃除をして洗濯もして、私とお母さんのご飯も作る、作れるんだ。
和真もその家族も色々と気遣ってくれるけど、そんなの必要ないし。だって、私はひとりで何でも出来るんだから。
寂しくなんてない。苦しくなんてない。私は強いんだ。
今までも、何度も何度も言い聞かせて来た言葉。自己暗示のようなそれを、胸のうちでつぶやく。
アイツの面倒だって見てるし。そうだ、和真は私が引っ張らなきゃ、何もできないんだから。
今朝の情けない顔を思い出し、微かに胸がうずく。ゾクゾクと背筋に震えが走り、ほの暗い快楽が心を満たす。私には、アイツが居る。和真が居る。どこにも行かないし、離れない。
だってアイツは私の幼馴染で、彼氏――
『――でも、あんまりヤらせてやんないと、焦れて浮気するよ』
……まさか。そんなわけはない。アイツに浮気なんてする度胸は無いし、相手だって居ない――ハズ。
目の前が、揺らぐ。動悸が激しくなる。耳鳴りがして、きぃんと痛む。
何処からか、声がする。幼い女の子の声。昔の、私の声、が――
『――なんで、っちゃうの……とう、さ――』
違う、違う違う違う! 和真は、違う! 私から離れてなんか、いかない!
「そうだ、そうだよ。なんてことないし。みんな、やってるし。アイツがどんだけ増長したって、平気だし」
つぶやくたびに、言葉に力が宿る。そうなのだと、確信してゆく。正しいこと、彼氏彼女ならして当然のこと。
友達だって、みんな経験している。私だってもう、高校生なのだ。いつまでも処女なんて恥ずかしいって、言われた事もあるじゃない。
「来週、そう来週だ。ふふ、ちょうど良いな」
彼氏彼女になって初めての、アイツの誕生日。
誕生日プレゼント、なんて気取るのもおかしいかな? でも、それくらいの価値はあるよね?
私がリードするんだ。私はアイツの面倒を見てきたんだから。
これからも、そうなんだから。だから、だから――
「……大丈夫、大丈夫」
胸の奥底がざわつく。不安と恐怖が忍び寄る。
それが、何に対してのモノなのか。その答えを私は、見ないふりをした。
☆ ☆ ☆ ★ ★
――そうして迎えた、和真の誕生日。場所はもちろん、私の部屋。お母さんは夜まで帰って来ないから、安心だ。
夕日が差し込み、ベッドを紅く照らす。
焦って動揺するあいつを、私から誘って導いた。失敗してもいいと思っていた。大事なのは繋がることより、肌を重ねた事実だから。
『はじめて』が上手くいかないのは、良くある。友人やネットからの知識で、私はそう得ていた。
雰囲気は上々。子供が出来ないための準備もOK。和真は思った通り、滅茶苦茶に興奮して震えている。ものすっごく緊張している。それこそ、あの告白の日みたいに。
可愛い、と思った。すると途端に優越感が沸いてくる。私は冷静だし、ほら。笑みだって浮かべられる。大人になったみたいで、とっても気分が良かった。
「か、おり……」
声まで掠れて、和真は怯えているようにすら思える。まだ、肌に指一本触れていないのにコレだ。この体は十分に魅力的なのだと、確信した。
自尊心を大いに満たされながら、私は服に手を掛け――
――友達から聞いた経験も、ネットの知識も。何もかもが当てにならないのだと、そう分かった。分からせられてしまった。
そんなふうにして『はじめて』を終えた翌日。母を送り出すと、私は重々しい足取りで玄関に向かう。心を満たすのは愉悦ではなく、敗北感。
なんだアレは、なんなのだアレは。思い出すだけで、全身が熱くなる。顔から火が出そうなほどに、恥ずかしい!
一生の不覚とは、この事か。みっとうもなく乱れてしまったアレコレが、悔しくてたまらない。あれがいわゆる『相性が良い』というやつなんだろうか。
「ルーチン、ルーチンだ。イニシアチブをこっちに取り戻さなきゃ」
多分、アイツはとってもいい気になっている。ニヤニヤと、いやらしく笑われるかもしれない。
そんな事が許せるものか! 和真のくせに、生意気だ!
「どうせ、今日もグウタラ寝てるでしょ。たたき起こして、どっちが上か分からせてや――」
憤りと共に伸ばした手が、宙に踊る。掴もうとしたドアノブが目の前で回転して、扉が外側に開かれたのだ。
「――おはよう、花織」
一瞬、そこに立っているのが誰なのか、分からなかった。
十六年間、ずっと見続けていた顔なのに。家族も同然、誰よりも近しいと思っていた相手なのに。
「かず、ま?」
いつものアホ面はそこに無く、彼は穏やかな笑みを浮かべていた。
☆ ☆ ★ ★ ★
――なんで、どうしてこうなった?
幼馴染の変貌は、それほどに凄まじかった。一夜にして、中身が入れ替わってしまったかのようだ。
まず、子供っぽいところが、鳴りを潜めた。言葉遣いが優しくなった。
和真はノンデリ一歩手前の発言も多く、ともすれば無神経な所も少なくなかったのに。
「ねえ花織、前髪を切った? 良く似合ってるよ」
前は、こっちから言わなきゃ気付かなかった。指摘したら「分かるわきゃないだろ?」なんて、ため息交じりに言ってたのに。
「その髪型、ハーフアップ、っていうんだよな? 花織の綺麗な髪にピッタリだ」
お母さん譲りで、密かに自慢だった、長く艶やかな黒髪。それを真正面から褒められて、心臓が止まりそうになる。
――誰だコイツ、誰なんだコイツ!?
私が呆然とするのも構わず、和真は微笑むばかり。そうこうするうちに物腰も柔らかくなり、所作の全てに落ち着きが見え始めた。
「さ、桜木のやつ……どうしちゃったの? 前世の記憶が蘇った系? 異世界転生とかしちゃった?」
その様子に、アイツの友達も私の友達も、みんなが驚いていた。
でも、衝撃でいえば私の方が上だ。断然にトップだ。ぶっちぎりである!
生まれてからずっと一緒だった幼馴染が、得体の知れない怪物のようにさえ思えた。
「大丈夫、大丈夫。すぐ元に戻るはず、戻るはず……!」
私は、必死に自分にそう言い聞かせる。そうだ、あの告白の時だって、そうだった!
あの時も、数日で元に戻った。関係が落ち着いた。だから、今度もきっと――!
しかし、そんな私の願いも空しく、アイツの変化は収まらない。
三日が経ち、一週間が過ぎ、一か月をまたいで春休みを終え、新学期を迎えても……和真は優しく、穏やかなままだった。
「花織、おはよう。今日も可愛いな」
朝、私が起こすことは無くなった。だって、アイツの方から家に来るから。
「暖かくて春らしい、良い陽気だよなあ」
そう言って目を細めながら、さりげなく車道を歩いてくれる。
「予習? してあるよ。花織に恥を掻かせらんないからな」
いつも慌ててた小テストの対策だって、怠らない。
「あぁ、キュウリ? 苦手は苦手だけどさ、いつまでも好き嫌いしていられないしな」
食べ物に関しても、そう。サラダを見るたびに顔をしかめていたのに、気にせず食べるようになった。
そして、その変化は中身に留まらず、外見にも及ぶ。ボサボサだった髪も整えられ、寝ぐせを見ることも無くなって。清潔感が、グンと増した。
それらの事実は、否応なしに周囲を惹きつけてゆく。
もともと、和真の顔立ちは悪い方じゃ無い。きちんと整えれば、見栄えがする。
だから、そう。これはもう、必然のこと。
「ねえ、桜木くんってさ、格好良いよね」
――その声が、あちらこちらで囁かれ始めるのに、そう時間は掛からなかった。
☆ ★ ★ ★ ★
季節が梅雨を迎え、じめじめとした天気が続くようになる。
雨で霞む校庭を見ながら、私は机に頬杖を突き、ぼんやりとしていた。
「花織、どしたん? 彼氏クンと喧嘩でもした?」
「だったら、いいんだけどね……」
友達の軽口に、重々しく答える。そう、喧嘩ならいいのだ。そんなの数えきれないほどにしてきた。
けど、今のこの状況は違う。全然違う。
「ヤッたらさあ、態度がデカくてオラつくって、言ったじゃんかぁ……なのにぃ……」
そうなってくれれば、まだ良かったのに。どんなにふんぞり返っても、対処できたのに。
こちらを見る、愛おしげな眼差し。まるで、大切な宝物を見守るかのようなソレが――気持ち悪くて、ムズムズする!
「あぁ……やっぱり、ヤったんだ?」
「でもさあ、それで『ああ』なる? 普通、もっとサルみたいにガッつかない?」
「ねえ、そうだよねえ。昇華されちゃってるじゃん、聖人になっちゃってるじゃん」
友人たちが、苦笑気味に言い合う。それに返す気力もない。なんにもない。
「でも桜木さあ、マジで人気出てきたんじゃね? 部活でも活躍してるっしょ?」
「バスケ部、アイツ目当てで見学に来てる子も居たよね?」
「まあ、今の桜木は良物件だもんね。どっしりと落ち着いてて、大人っぽいし。正直、あたしも花織が居なければ狙ってたかも」
痛い、痛い痛い痛い。その言葉のひとつひとつが、胸をえぐる。
そんな私の様子に気づいたか、彼女らは少し慌てたように、上ずった声を出す。
「でもまあ、アイツはすっげえ一途じゃん? いつだって花織しか見てないし」
「だよね! 愛されてるって! 大丈夫だって!」
そんなの、知らない。分からない。だって、今の和真は前と違う。
私に手を引っ張られてて、面倒を見なきゃいけなかった――あの和真と、全然違うんだもの。
「――おい、和真! お前、一年の西城に告白されたんだって!?」
その言葉が聞こえてきたのは、そんな時だった。
心臓が鷲掴みにされるような、圧迫感。呼吸が上手くできず、目の前が霞んでゆく。
それでも、ゆっくりと。確かめるようにそちらを向くと、教室の扉の前に、いつの間にか和真の姿があった。
「断ったよ。俺に彼女居るの、知ってるだろ?」
和真の目が、こちらを向く。労わるような眼差しが、何故か苦しくてたまらない。
「まあ、そうだけどさあ。あの子、下級生で一番人気じゃん? すっげえ可愛いって」
「それとこれとは、関係ないよ。俺は浮気なんてしない、絶対にしない」
「ちょ、マジになるなよ! 聞いただけだって!」
久しぶりに聞いた、和真の荒っぽい声。でも、それよりも彼の発した言葉が、何もかもを透き通って聞こえた。
『――と、さん。ほかの、女の――』
頭が痛い。耳鳴りがする。
「花織? 大丈夫!?」
「ねえ、保健室に――」
周囲がざわつく。でも、それすら気にならないほどに音が、痛みが。強く激しくなって――
「――花織っ!!」
意識を手放す直前。最後に聞こえたのは、慣れ親しんだ幼馴染の声だった。
★ ★ ★ ★ ★
「おとうさん、だいすき!」
朗らかに笑う父に向かって、私は力いっぱいに抱き着く。
「ねえ、抱っこして! おんぶもして!」
どっちか片方しか出来ないよ。そう言って笑う父が、私は大好きだった。
お母さんとはたまに喧嘩をしているけど、私にはすごく優しくて。
ワガママも聞いてくれて、花織はしょうがないなあって、頭を撫でてくれて。
「かおりちゃんは、甘えんぼうだね」
「いいんだもん! おとうさんだから!」
だから、どこか羨ましそうな幼馴染の言葉も、真正面から受け止めて笑っていた。
「花織、何を食べて帰ろうか?」
「あのね、カレーライス!」
どこかにお出かけするときは、決まってそれを、おねだりした。
お父さんは、辛い辛いカレーを、大口を開けてハグハグと食べる。それを見ながら、少しだけルーを分けてもらい、「辛いね!」って笑うのが、大好きだった。
ずっと一緒だって、思ってた。お父さんとお母さんと、三人で手を繋いで居られるって、そう思い続けていた。
「おとうさん、だっこ! ねえ、だっこ!」
だから、私はそう叫ぶ。必死におねだりして、体を揺さぶる。
なのに、お父さんの姿が薄らいでゆく。大きな体が、どんどん消えてゆく。
「やだ、やだやだやだぁ! いっちゃ、やだぁ!!」
泣き叫ぶ、縋りつく! 行かないで、傍に居て! 離れないで!
なのに、お父さんは。私の大好き『だった』お父さんは。
「ごめんな、花織。もうお父さんは、二人と一緒に暮らせないんだ――」
そう、言って。困ったように、笑って――
「――花織!? 大丈夫か!?」
うっすらと、視界が開く。最初に目に映ったのは、こちらを覗き込む少年の姿。
ひどく焦燥としていて、目に涙すら浮かべた――桜木和真の顔だった。
「あ、え……?」
状況が、良く呑み込めない。私は、えっと。どう、したんだっけ。
「ここは保健室だよ。花織は教室で、倒れたんだ」
「た、おれ……? わた、しが?」
「ごめん、俺が……ごめん……っ!」
熱い雫が、頬に降り注ぐ。それは後から後から流れ落ちて、止まらない。
「和真、泣いてるの……?」
彼が泣くのを見るのは、久しぶりだった。最後にそれを目にしたのは、そう。あの『はじめて』の日だ。
うすぼやけた記憶の中、それが瞬く間にフラッシュバックする。
ああ、そうだ。体を繋げた際、和真は感極まったように涙を流していたっけ。なぜか、ありがとうって、お礼を言われた気がする。
あれから、アイツは。人が変わったように、優しくなった。穏やかになった。私が面倒を見なくても良いように、大人になって――
「――いやだ」
声が漏れる。
「離れちゃ、嫌。何処かに行ったら、ダメッ!」
「花織……?」
悪夢が脳裏に蘇る。優しかった父の姿は、儚く崩れて消えた。
「どうしたんだよ、花織? 俺はどこにも行かないよ」
「ウソだ! そんなのウソっ! だって、和真は――私が知らない和真に、なっちゃったじゃん!」
「それは……」
黙り込んだ幼馴染の姿に、恐怖が加速する。
「なんで、そんなふうに変わっちゃったの? 私がいなきゃ、何も出来なかったのに!」
「……花織」
「そんなに格好良くなったら、優しくなったら! 他の女の子が目を付けちゃうじゃない!」
――ダメだ、こんなことを言っちゃダメ!
最低の発言。勝手極まるワガママ。喋るのをやめないと、嫌われる!
でも、口は動く。言葉が溢れて溢れて、止まらない!
「私は強いの! 男の人に頼らなくても大丈夫なの! むしろ、頼らせるのっ!」
ああ、そうだ。そうすれば、離れない。私の傍から消えていかない。
「だから、和真は私に頼ってよっ! 手を引っ張られていてよっ! 私がいないと駄目だって言ってよっ!」
お父さんはいなくなった。他に女の人を作って、何処かへ行っちゃった。
でも、彼だけは。ずっとずっと一緒に居た、誰よりも大切な幼馴染だけ、は!
「じゃないと、離れちゃう……! お父さんみたいに、和真が、いなくなっちゃう……!」
いつの間にか、私は和真の襟元を掴んでいた。
すぐ間近に見える幼馴染の顔は、くしゃくしゃに歪んでいる。辛そうに、苦しそうに――歯を、食いしばっていた。
――ああ、嫌われた。和真に、見放されちゃった。
喉の奥から、笑い声がこみあげてくる。なにも可笑しくないのに、ひりついた嘶きが止まらない。
もう駄目だ。なにもかも、無くなっちゃった。和真まで、私の傍から――
「――そうだな。俺は花織がいないとダメだ」
「え……?」
温もりが、ふわりと体を包み込む。
抱きしめられた、と思った時にはもう、私の顔は和真の胸板に吸い寄せられていた。
「ごめんな、不安にさせてごめん。俺、あの初めての時にさ、色々気づいちゃったんだ」
「和真……?」
「花織が、女の子だってこと。柔らかくて、細くて。抱きしめたら折れちゃいそうで……っ」
ズズ、っと。鼻を啜るような音が聞こえた。
「俺、いつも強い花織しか知らなかったから。凄くさ、ショックを受けたんだ」
私の背中が、優しく撫でられた。まるで、私がここにいるのを確かめるように。何度も、何度も。
「それでも、必死に俺をリードしようとする花織を見て、恥ずかしいなって思った。情けないなって思った。どれだけ世話を掛けてるんだ俺って、頭がくらくらした」
「だから、変わったの?」
「うん、そうだ。でも、一番は……」
体が離される。和真の顔が、また目の前に現れた。潤んだ瞳が、ただまっすぐに私を……私だけを見ている。
「……大好きな女の子と、一つになれたのが嬉しかったんだ。俺を受け入れてくれたのが、何よりも幸せだったんだ」
「――っ!」
息が止まりそうになる。和真の表情が、ふにゃりと崩れて、泣き笑いのそれへと変わった。
それは、彼の言葉の通りに。とても、とても幸せそうな顔で。
「なんていうのかな、愛し過ぎるってこういうことか、って思った。それと、さっきの想いが合わさって――気づいたら、自然とこうなってたんだ」
やめて、そんな顔をしないで。
「あ、う……」
顔が、熱い。心臓の音がうるさくて、たまらない。
こんなにも真っすぐに愛情をぶつけられたことは、今まで無かった。
「好きだ、花織。本当に大好きなんだ。ずっと、ずっと前から俺は、花織の事が好きだったんだよ……」
「かず、ま……」
ダメだ、こんなのダメだ。
こんなにも強くて、甘美な衝動を私は知らない。
頑なだった心が溶けて、溺れてしまいそう。
「寝言を聞いたよ。親父さんを思い出しちゃったんだろ? 花織はさ、あの人の事が大好きだったもんな」
「ち、が……わた、しは」
「いいんだ、否定しなくていいんだよ。昔の事を無かったことにしなくていいんだ」
いいの? そんなことして、いいの?
だって、あの日々はもう、無くなっちゃったんだから。忘れなきゃいけないって思ってたのに。そうだよ、お母さんが毎日、泣いてたから。
だから、私も。お父さんの事は、嫌いだったって思わなきゃ――
「俺が、覚えてるから。親父さんの事を大好きだった花織を、俺はずっと覚えてるから」
「あ――」
涙を流しながら、和真は微笑む。そうして、私を抱き寄せて――頭を、撫でてくれた。
懐かしい感触だ。遠い、遠い昔。私はあの人に、そうしてもらうのが、大好きで。
「今までずっと頑張ってたんだなあ、花織は強いなあ」
「ひ、うぐ……っ」
頭が、胸の奥が。体の全てがぐしゃぐしゃになる。圧倒的な感情の波にさらわれて、バラバラになりそうだ。
「あ、あぁ、あぁ……っ」
そんな私を繋ぎとめるように、温もりが全身を包み込む。和真が強く、強く――その腕で、抱きしめてくれたのだ。
いつの間に、私の幼馴染はこんなに逞しく、優しい男の子になったのだろうか。私は今まで、彼の何を見ていたのかなあ。
「なあ、花織。俺は今まで、いっぱい花織に甘えさせてもらったよな。だから、今度は俺の番だ」
「あ、う……う、うぇ……」
「甘えていいよ、寄りかかっていいよ」
「いい、の……?」
もちろん、と。耳元で声がささやく。
「――好きな女の子に甘えられて、嫌がる奴はいない」
それが、その言葉が、限界だった。
「あ、あぁぁぁぁ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
縋りついて、泣きじゃくる。口から出る言葉も、しっちゃかめっちゃかで、何もかもが意味を成さない。ただただ、閉じ込めていた想いの全てをぶつけて、叩きつけてゆく。
心がほどけて、胸にたまった淀みが薄れてゆく。
涙が出るたびに、体が軽くなっていく。
「十六年間、俺たちは一緒にいたよな。だから、次の十六年も一緒にいよう」
「あ、えっぐ……! そ、それが過ぎたら……?」
「そしたら、またその先の十六年間を約束するよ。そして、それが過ぎたら、また――そうして、一緒に歳を重ねていこう」
脱力しきった体が起こされる。ふらりと崩れる頭を抑えるように、両の頬をそっと、暖かい温もりが包み込んでくれた。
涙で霞む視界の向こうで、大好きな幼馴染が笑ってくれる。
「花織、愛してる」
私も――と答える前に、唇がふさがれる。
喜びと幸せが溢れて、頭がおかしくなりそうだ。
『花織――』
もう、耳鳴りは聞こえない。頭痛も無い。
お父さんの事を思い出しても、苦しくならない。
今、私の腕の中には、何よりも確かな証があるのだから。
許された喜びと、甘やかな愛情に浸りながら、私はうっとりと微笑んだ――
◎ ◎ ◎ ◎ ◎
――いったいどうして、こうなった。
「えへへ、和真ぁ……」
さて、現状を分析しよう。
今は早朝。ここは慣れ親しんだ、幼馴染の家だ。それも玄関先である。そして、俺の目の前には、大好きな女の子が立っている。
まず目に入るのは、丁寧に編みこまれた、艶やかな黒い髪。それは絹のように滑らかな手触りであると、俺は知っている。
慎重に視線を傾けると、彼女の両手が胸の前で祈るように組まれているのが見えた。
よし、と。目線を少し上げる。すると、可愛い可愛い恋人の顔が視界に映った。そのつぶらな瞳は閉じられて、桜色の唇を前へと突き出している。
……もしやこれ、キス待ちってやつ? え、マジで?
「か、花織さん……? あの、えっと」
「行ってきますのキス、欲しいの」
「え、え!?」
いや、アナタもこれから学校に行くんですけど? 俺と一緒にさ!
「待ってくれ、花織。いや、望むところではあるんだけど」
「うん」
そのまま勢い任せで吸いつきそうになるのを、グッと堪える。大丈夫、俺は我慢の出来る男だ。
「あの、キミの後ろに、ですね。お母さまのご尊顔が、その。お写りあそばされているというか」
「気にしないでいいよ」
「気にするが!?」
廊下の角から覗くのは、目を爛爛と輝かせて、拳を握りしめる義母上(予定)の姿。とても心臓に悪い光景だ。
「和真、ちゅうしてぇ……」
「あ、や、そのっ」
「ねえ、はやくぅ」
なんだこれ、どういうプレイなのこれ。つうか、やめてお義母様! よし、そこだ!って手を振りかぶらないで!
「かずまぁ……」
羞恥と忍耐の狭間で苦しむも、やはり恋人のおねだりには敵わない。
廊下の奥から迸る歓声を耳にしながら、俺は彼女の『お願い』を叶えるのだった。
◎ ◎ ◎ ◎ ◎
「あのさ、前から言おうとは思ってたんだけど」
学校への道のりを歩きながら、俺は傍らに目を落とす。
片腕に乗っかる嬉しい重みと感触。それに心を乱されながらも、これは告げるべきだとそう思う。
「少し、その。くっつき過ぎじゃないかなあって」
周囲から浴びせられる、生暖かい視線。舌打ちのようなものも聞こえてくるのは、気のせいではあるまい。
「和真は、私とくっつくのイヤ?」
「いえ、光栄であります!」
まいった、うちの彼女が可愛すぎて辛い。
そうなのだ。ここ最近、花織はずっと『こう』であった。
あの日、保健室で泣きじゃくってから、何かを吹っ切ってしまったようで。
「ありがとう、とっても嬉しいな」
「ぐ……っ!」
蕩けるような笑顔を見せられ、俺の心臓が跳ね上がる。
思い出せば昔から、花織は愛らしかった。気の強いところはあったが、ふと見せる優しさが、幼い俺の心と脳を焼き尽くしたのだ。
そりゃ、甘えたさ。だってこんなに可愛い女の子が、一生懸命に世話を焼いてくれるんだぜ? めちゃくちゃに寄りかかったよ。
そんなこんなで、大分だらしなく、自堕落な生活を送ってしまった自覚もある。今となっては恥ずかし過ぎる黒歴史だ。
いつか、離れてしまうかもしれない。花織が俺を見捨ててしまうかも。そんな恐怖に駆られて一か八かの告白もした。それを受け入れられて、安心してしまった俺は、大馬鹿野郎であった。これでまた、花織の傍に居られると甘えてしまったのだ。
紆余曲折を経て、ほんの少しは成長できた。けど、油断はしない。俺は気を抜くと、ダメになる野郎だと知っている。
現状に満足して、足を止めてはならない。約束の十六年を重ねるためには、不断の努力が必要なのだ!
そう、それは何故なら。
「花織は、本当に可愛いからな」
「もう、またそんな事を言って。和真は、口が上手いんだからなあ」
嘘ではない。俺の欲目でもない。
凝り固まった苦悶を流し出した花織は、すっかりと変わってしまった。当然、良い方向に、だが。
表面上の気の強さは、芯の強さへと移り変わり、物腰も柔らかに笑顔も絶えなくなった。バスケ部のマネージャーとしても、大いに活躍してくれている。
結果、特に下級生からの人気が絶大なものとなってしまう。陰で女神と崇拝されているのも見かけた。というか、今も少し離れた場所に信者が居る。
おいよせ、五体投地をするな。俺の彼女だぞ! 寄るな、拝むな、崇めるな!
「くそ、油断も隙もねえ……!」
せっかく想いが結ばれた彼女を、奪われたくない。そんなバッドエンドはごめんである。
今まで、サボっていたツケを払う。俺は勉強もスポーツも、そして花織との交際も。全力で取り組むのだ。
「それは、私のセリフなんだけどな。和真がよそ見出来ないくらい、魅力的な女の子にならないと」
「いやいや、もう上限に達していると思うよ」
「ぜんぜん、足りないし。和真の格好良さにはまだ、釣り合わないもん」
これである。何故か花織やクラスの連中は、俺がモテ男だと勘違いしている節があった。
確かに告白されることはある。けれど大抵の子は断ると、きゃあきゃあ言いながら嬉しそうに去っていくのだ。遊びの一環、告白チャレンジみたいなものだと、そう思う。
「俺は、花織一筋だからな」
「ふふ、ありがと」
冗談じゃないのに。俺は花織にさえモテれば、それでいいんだ。信じて欲しい、切に欲しい。
「ふてくされないでってば、もう。仕方ないなあ」
不意に、頬に柔らかなものが当たった。それが唇であると気づいた瞬間、俺は思わずのけ反ってしまう。
しかし、我が幼馴染殿は追撃の手を緩めない。離れた俺の顔を追いかけて、耳元へ唇がそっと触れた。
「――好き」
冗談抜きに、心臓が止まるかと思った。震えながら、なんとか花織の方へと視線を傾け――
「や、見ないで……ばか」
――そこに、女神が居た。
顔を羞恥に赤く染め、恥じらうように目を伏せて、そして頬を俺の腕へと擦り付けている。
可愛いの化身か。ちょっとこれはもう、いけませんね。だいぶだいぶ、いけませんね!
あの気の強かった花織が、恋する乙女へと変じている。そのギャップがもう、心を撃ち貫く。
今すぐさらって、彼女を思う存分に愛でたい。愛し合いたい。その激し過ぎる欲求を、鋼の精神力で押さえつけた。
「ふふ、ふふふ……」
そんな俺の気も知らず、花織は幸せそうに微笑んでいる。うっとりとつむられた目が、それを表しているかのようだった。
耐えろ、耐えろ俺! もうすぐ学校、もうすぐ部活! 発散すれば、無問題!
愛へと昇華したはずの恋心が、賢者モードを打ち破って咆哮する。ダメだ、俺は花織を大事にしたいんだ、一緒に幸せになりたいんだ!
「ねえ、和真。おば様に許可を取ったよ。今日はうちにね、泊まっていいって」
「えっ」
「お母さん、飲み会があるから、日付が変わるまで帰ってこないし」
「えっ、えっ」
パチリ、と。花織が片目をつむってウィンクする。その頬は、桜色に染まっていた。
そうして恥じらいに潤んだ瞳と共に、その唇がうっすらと開かれて。
「……私ね、和真になら何をされてもいいよ?」
ダメだ、もう限界だと、膝から崩れ落ちる。立っていられない。クリティカルが入ってしまった。
「か、和真? 大丈夫!?」
慌てたように抱き寄せられて、温もりと柔らかな感触が脳を揺さぶる。大いにシェイクする。
あぁ、うちの幼馴染が、変わりすぎてツラい……!
恋する少女は無敵だと、誰が言ったか。結局、男は惚れた女には敵わないのだ。
天国と地獄を同時に味わいながら、俺はそんな事を思うのだった――
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