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家族5

 人妖機関という組織は各地に存在する『支所』、複数の支所をまとめる『支部』。


 そしてその支部をまとめる『総本部』があり、走矢が(かくま)われたりした施設は、支所と呼ばれる施設だった。


 その支所に到着した走矢のスマホが鳴る。


『走矢、いきなりすまねぇ。チョット聞きたい事があるんだけどさぁ…』


 桜からの電話は『佐伯 清十郎サエキセイジュウロウ』という人物を知っているかと言う内容だった。


「たぶん、伯父(おじ)さんの事だと思うもし訪ねるなら住所を教えるけど……。だけど、一体どうしたんだ? 伯父さんに何か用?」


『実はさぁ……』


 桜の話から少女がこれから、モンタージュ写真を作ろうとしている人物かもしれない事を伝える走矢。


『間違いねぇかも……。その()を襲った連中、逃げるときスパルチスを置いて行きやがったし……』


「一旦、機関の方に来たらどうだろう? 伯父さんには俺の方から連絡しとくからさぁ」


 話はまとまり、人妖機関の施設で落ち合う事になった桜達と走矢。


 横で話を聞いていたエリスが大体の事を察し、走矢に話しかける。


「例の()、見つかったの? これからココに来るって事?」


「ああ、桜達が保護してくれたみたい。あと、どうもその()、清十郎伯父さんに用が有るみたいなんだ」


「清十郎さんに……。なら多分、人妖絡みのトラブルね……」




 走矢の父、新矢はとある事情から佐伯家に養子に出され、佐伯の姓を名乗っていた。


 佐伯清十郎とはその新矢の義理の兄に当たる人物。


 そして佐伯家とは古くから人と妖の間に立ち、その仲介役を担ってきた一族であった。


「何でもお母さんが残したお守りの中に何かあったら伯父さんに相談するよう、メモがあったんだって。それと、そのメモを発見したお姉さんとはぐれちゃったみたいで……」


「そのお姉さんの捜査もして欲しいのね。走矢、一応モンタージュは作りましょ。お姉さんの捜索で使えるかも知れないわ。姉妹なら顔も似てるでしょ?」




 走矢達が色々と動いていた頃、奏美を襲った2人組は作戦会議をしていた。


「根本から計画を見直さなければならなくなりました。妹の方は人妖機関送りの可能性が(だい)ですから、姉の方を捕獲しましょう。新崎さん達が追っているので合流しましょう」


「あ〜、くそ! また嫌味言われんのかぁ……」


 影井の提案に愚痴る利波。


「しかたありません、綾瀬奏美を捕らえられなかったのですから。プランナーBと言うやつです」


「……ていうか、お前いつまでその喋り方してんだよ。気持ち悪い……。」


「気持ち悪いとは何だ! だいたいお前、全然人妖機関職員の演技、できてなかったぞ? そういう事は最低限の仕事をしてから言え!」


「んだとぉ!」


 互いの胸ぐらをつかみ合う2人。


 その時、影井のスマホが鳴る。




 佐伯清十郎と綾瀬奏美の面会が終わり、奏美は少し休ませる事になった。


 そして走矢とエリスも清十郎と久々の対面をはたしていた。


「色々と大変だったようだな走矢。エリスさんも。すまないね、別件でこちらも自由に動けなくて」


 謝罪する清十郎に気になさらないで、とエリス。


 走矢も事件以外の近況を報告する。


 歳は45歳、体格のいい温厚そうな中年と言うのが、佐伯清十郎という人物の見た目だ。


 一応、武術の心得はあるのだが、荒事よりは交渉や調査といった任務の方が得意な人妖機関の職員でもある。


「あの……。それで、その方は……」


 少し困ったような口調でエリスに尋ねる清十郎。


「は〜い、条牙咲リリスちゃんで〜す。エリスちゃんのママをやってま〜す。よろしくね、清十郎ちゃん!」


「以上、ママでした」


 同席していたリリスに困惑していた清十郎。


 エリスに似ている事から彼女の関係者である事は間違いない。


 ただ、親子なのか姉妹なのか。


 妖は見た目で歳を判断できなきため、どう扱っていいのか困っていた。


 そして、清十郎は咳払いを挟んで本題に入る。


「奏美くんのお母さん。綾瀬 藍華(アヤセ アイカ)、旧姓、藤崎 藍華(フジサキ アイカ)さんは『御子』でした」


 清十郎の言葉に驚くエリスと走矢。


 御子と言う事だけではない。


 『藤崎』という名字は走矢を狙ったウィルウィスプが名乗った偽名の名字でもある。


 機関の職員の話だと、藤崎家からは度々御子が産まれていると言う話だ。


 奏美やその姉が狙われた原因もそこにあるのだろう。


「藍華さんは娘さんと3人で人妖機関に保護される予定でした。しかし、直前になって連絡が取れなくなり娘共々消息を断ってしまったんだ」


「月宮女学院の寮に居たようですけど」


「その月宮という女学院が今、調査対象になっていてね」


「なるほど、胡散臭い組織というわけですね」


 どうも話が根深いと感じた走矢だった。


「失礼します。あの、佐伯さんチョット……」


 部屋に入ってきた職員が清十郎を呼び出す。




「あの……。お姉ちゃんから連絡があったんですけど……」


 姉のスマホから送られたというメッセージアプリのメッセージには、暗い倉庫のような場所で少女が縛られてグッタリしている写真ととある住所が書かれていた。


「ここに来いと言うことか」


 清十郎は支持を出し、すぐに救出チームを編成させる。


 それからしばらくして、人妖機関の施設から綾瀬奏美の姿が消えた。

 

 

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