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母はヴァンパイア  作者: 見えてる地雷
過去と今とその先と
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総力戦4

 地下駐車場にて。


 九骸のバンをふき飛ばして出現した存在。


 首だけとなったガミジンの言葉から、王が目覚めた事が伝わってくる。


「あれが……、王」


「しっ、心臓が無きゃ復活できないんじゃなかったんですか?!」


「エネルギーの流れを見てみな。龍脈からエネルギーの供給を受けて動いているんだ。アレが絶たれればまた死体に逆戻りさ」


 王に興味津(きょうみしんしん)々の九骸、ビビりまくりの(かい)、王覚醒のタネを明かす蓮美。


 虚空の面々はまだ残っている敵から目を離さず、王に意識を割く。


「なに?!」


 不意に鈴禍が言葉を漏らす。


 と、同時に王の妖力が膨れ上がり、触手状に伸びてその場にいる全員に襲いかかる。


 動ける者はソレを回避するが、ダメージを受け戦闘不能になっていたグールとウェンディゴを貫き、取り込んでいく。


「なっ、なんだこれは?!」


「最初から私達を……」


「おのれぇ!」


 グールとウェンディゴがあっという間に取り込まれたのを見て、スキュラが王を睨みつける。


「こうなるのがわかっていたから、王のお迎えだというのに、まともな72使徒が1人いなかったのですね?」


 首だけのガミジンに、一瞥もくれず言葉だけを言い放つスキュラ。


「ええ、まぁ……」


「ふざけやがって!」


 激高したケルベロスが何かを言いかけた首だけガミジンを、王に向かってい蹴り飛ばす。


 おうの(まと)った妖力が、ソレを容赦なく消し飛ばす。


「アンデッドはお好みじゃない様だな」


 半笑いの九骸。


「くるぞ!」


 と、注意を促す蓮美。


 先程よりも数の増えた妖力の触手が、王の全方位を薙ぎ払う。


 その触手は、隠れて様子をうかがっていたボーイッシュの栄子にも襲いかかり、あぶり出されるようにその姿を九骸達の前に晒す。


「おや、覗き見ですか?」


 ふざけた口調で話しかける九骸。


「ふざけてないで、やりますよ。貴方(あなた)だってたべられたくないでしょ?」


 そう言うと、スキュラは下半身の獣達に火球を発射させる。


 同時に蓮美は霊体の剣を、鉄三は両手の指先を王に向けると、その指先がマシンガンのように発射される。


「やるしかないか!」


 ボーイッシュな栄子は右手から炎のムチを伸ばすと、王に向ってそれを振るう。


 ケルベロスも近くに落ちている車の残骸を投げたりと、距離を取った戦い方をしてみせる。




「コイツラは確か……、え、えー……」


「私がエリゴール、コッチがアモンだ。憶えておけ!」


 事前に情報を得ていた玲奈だったのだが、思い出せないのを見てエリゴールが自己紹介をする。


 玲奈以外にアリス、理奈、梨央の4人からなる別働隊Aはこの2人の敵と遭遇していた。


「いくぞ!」


 アモンの援護を受けながら、エリゴールが仕掛ける。




 もう1つの別働隊Bの前に立ちはだかる白い翼を持つ少女と黒い翼を持つ少女。


「私は72使徒のハルファス。こっちはマルファスよ、今すぐ憶えてよね!」


 白い翼の少女が自己紹介をする。


 別働隊Bに所属するのはリリス、愛美、ルリとリルの河童姉妹に真央の5人。


「とっとと片付けて、ご子息を助け出さないと!」


 やる気満々のルリ。


「気をつけて。この2人、情報が全然無いみたいだから」


 リリスが注意を促す。


「じゃあ、はじめるわよ」


 そう言って自分の指先を傷つけ、数滴の血をたらすハルファス。


 その数滴は一瞬で広がり、そこから幼い子供たちが現れる。


「私、ハルファスはコウノトリをモチーフに造られているの。故に、私の能力は命を運ぶというもの。この子達は私が産み落としたホムンクルスよ。さぁ、いっぱい遊んでもらいなさい!」


 そう言って愛美達を指差すと、子供たちが襲いかかってくる。


 ホムンクルスというだけあって、身体能力は高いが、戦闘経験ゼロのホムンクルスに遅れを取る者は居なかった。


 それよりも、幼い子供の外見という事の方が戦いづらく、手こずらせた。


「やるじゃないか。けど、本番はここからだ」


 黒い翼のマルファスと紹介された少女はそう言って指をパチンと鳴らすと、子供たちの姿が消える。


「あたしは死を(つかさど)るカラスの72使徒。あたしの力で輪廻の輪に返ったホムンクルス達は新たな生を受けられる」


 そしてハルファスが同じ様に指を鳴らすと、再びホムンクルス達が起き上がるのだが、その姿は前より成長していた。


「これは……、ホムンクルスを成長させるためのサイクル?! 術者であるあの2人を倒さないと……」


 リリスが呟く。




 炎の剣を持つアンドラスと戦う星垂。


 青白い炎を(まと)って格闘戦を仕掛けていた。


「せいっ!」


 横蹴りを繰り出す星垂と、それを剣で受けるアンドラス。


 横蹴りからローキック、ハイキックと上下に揺さぶりをかける星垂。


 それを炎の剣で何とか受けるアンドラス。


「そうやって炎の剣で受ける以外、貴女には防御手段は無いんですものねぇ」


 余裕の微笑みで挑発する星垂。


「あまりなめないで欲しいわね」


 アンドラスの頭上に別の炎の剣が出現し、星垂に襲いかかる。


 それを回避しながら、アンドラスに青白い火炎弾を放つ星垂。


 アンドラスもその火炎弾を切り落とし、再び星垂は格闘戦に入る。


葬炎・人魂廻廊そうえん・ひとだまかいろう


 星垂がそう呟くと、周囲が薄暗くなり、青白い炎が灯った灯籠に囲まれる。


「私の結界、破る暇は与えないわよ!」


 そう言った星垂が近くの灯籠と入れ替わり、死角からの回し蹴りをアンドラスに炸裂させる。

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