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母はヴァンパイア  作者: 見えてる地雷
過去と今とその先と
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イグドラシル13

「まんまと罠にハマってしまいましたね〜」


「いや、予想できてたでしょ……」


 なんとも気の抜けた調子のラードンに呆れる房士。


 例の肋骨の保管された部屋に案内され、閉じ込められたラードンと房士。


「肋骨は本物のようですね。偽物では騙せないと思ったか、偽物を用意する時間が無かったか」


「肋骨が手に入ったのはいいですが、これからどうするつもりです? 支部ともなれば簡単に脱出できませんよ?」


「なんのために総士さんを外に置いてきたと思っているんですか」


「お言葉ですが、お兄ちゃんに過度な期待は禁物ですよ」


「適度な期待なら問題ありません。来たようですね」


 ラードンの言葉と同時に空間が一瞬、歪むと、2人は亜空間の中にいた。


「ラードン様、お迎えにあがりました」


 亜空間の中にはひざまずく四屍竜がいた。


「四屍竜結界は結界術の中でもかなり強力な部類に入ります。このまま亜空間経由で外に出られます」

 

 亜空間の中を歩き出すラードんを房士が追いかける。




 幻影結界からの強襲に成功した桜と春香。


 桜の蹴りを受け、何とかフォルネウスはとどまるが、

ダンタリオンの方は、春香の蹴りをうけて、吹っ飛び地面に激突する。


「なるほど、幻術か」


 フォルネウスは自分を蹴った桜の脚を掴む。


「んにゃろ!」


 桜は残った方の脚でフォルネウスの顔面を蹴ろうとするが、フォルネウスと残った腕でそれを受け止める。


「クッソ」


 桜は身体を回転させて、フォルネウスの拘束から逃れる。


 しかし次の瞬間、幻影結界で姿を消していた春香が自分の腕でフォルネウスを締め上げ、おとしにかかる。

 

「ん?! 何だありゃ?!」


 ダンタリオンが吹き飛ばされたあたりにゴーレム達が集まりはじめ、巨大な土の柱のようになっている。


 そして土の柱から土の塊が、弾丸のように次々と発射される。


「やべぇ、春香にげろ!」


 春香が離すよりも前に、フォルネウスは一瞬のスキをついて脱出する。


 春香もフォルネウスを深追いせず、回避に専念する。


「くっそー、あんなデカイのどうすりゃいいんだ」


 土弾をばら撒く巨大な土の柱になすすべがない。


「桜、真上よ!」


 春香の言葉の意味を理解した桜は春香と共に急上昇すると、土の柱の真上から突っ込み、柱を貫通する。


 崩れゆく土の柱の破片に混ざって、ダンタリオンが墜落していく。


「ダンタリオン?!」


 動揺するフォルネウス。


「甘く見すぎていたか……」


 そう言って、再び周辺を水中に沈める。


(また! でも結界の後出しで……)


 そう考える春香だったが、今回の結界は前のとは違った。


 水中に魚がいる。


 それもサメやピラニアと言った凶暴そうな魚が!


「くっ?!」


 慌てて幻影結界の後出しで、フォルネウスの水の結界を消し去る。


 周辺を満たしていた水は消えた。


 しかし、サメやピラニアは消えずに空中を泳いでいるのだ。


「俺の水葬結界は水に属する魔法生物を召喚するための物。こいつらさえ呼び出せれば、用は無い」


 魚の姿をした魔法生物が、桜と春香に襲いかかる。


 ピラニアの群れに襲われる桜。


 一体一体は大した強さではなく、簡単に撃退できるのだが、数が多く全てをさばききれない。


 一方、春香の相手はサメで数は少ないが、一撃では倒せない。


「何とか仕切り直さないと……」


 春香は幻影結界を利用し自分と桜の幻を見せようとするが、魔法生物達は本物を狙ってくる。


「何で?!」


「コイツラを倒した時浴びた返り血だ! ソレに反応しているんだ!」


「なるほど、マーキングされちゃったわけね。それなら……」


 春香は突っ込んでくるサメに自分の羽根を撃ち込む。


「直接、偽情報を撃ち込ませてもらうわよ」


 羽根を撃ち込まれたサメはピラニアや他のサメに襲いかかり、魔法生物の数を減らす。


「よし! 今度こそ!!」


 フリーになった桜はフォルネウスに突撃し、猛ラッシュを仕掛ける。


 押され気味のフォルネウス。


 さらに春香も加わり、完全に劣勢に立たされる。


 2人がかりの猛攻撃に打つ手がないフォルネウスは、顔面と腹部、2ヶ所同時に蹴りを食らい、墜落する。


「やった……のか?」


「手応えならぬ脚応えはあったわ」


「えっ?! えっ!」


 桜と春香のやり取りの中、直がおかしな声を出す。


「何だ、直。おかしな声出して……」


 言いかけた桜は直の表情から、ただ事ではない事を察する。


「桜! 後ろ!!」


「えっ?!」


 驚いて後ろを振り向く桜と春香。


 そこには長い黒髪の美しい女性が浮遊していた。


『なっ?!』


 桜と春香はほぼ同時にその場所から飛び退き、戦闘態勢をとる。


「ソロモン72使徒の1人、アガレスと申します。以後、お見知りおきを」


「アガレスどの……」


「フォルネウスにダンタリオン。あなた達が簡単にやられるなんて思いません。敵もそれなりに強いという事ですね」


 そう言って地上に向けて手をかざすと、地面が隆起し、槍のような形状で伸び、桜達に襲いかかる。


 それを必死に回避する桜。


 春香の幻を使い、接近戦に持ち込むのが最良と判断した2人は、幻に隠れながらアガレスに攻撃を仕掛けるが、あっさりと止められてしまう。


「私は龍脈を通じてこの世界を見ています。幻術の(たぐい)は通用しませんよ」

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