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母はヴァンパイア  作者: 見えてる地雷
過去と今とその先と
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イグドラシル9

「もう、夜も遅い。寝なくていいのか、少年」


 自宅にて母達の帰りを待つ走矢に、待機中の八嶋 霧香(ヤジマ キリカ)が尋ねてくる。


「母を待っているのだろうが、一度戦闘がはじまればその後の処理まで含め、結構な時間がかかる。先に寝た方が明日のためにも良いぞ?」


 清十郎は分室のある自宅に戻り、今佐伯家にはガシャドクロの八嶋霧香、ウイルスウィスプの藤崎 星垂(フジサキ ホタル)、サキュバスの夜純 夢子(ヤズミ ユメコ)、蝶の羽を持つヴァンパイア姉妹、原口(ハラグチ) レイカとレイコ。


 そして今は焔緋(焔緋)姓を名乗る小夜子(サヨコ)の6名が待機している。


「もう少しだけ……」


 そう、霧香に応えかけた走矢だったが彼女の、いや佐伯家に居る妖全員が何やら緊張感のある表情なのに気づく。


「悪いが少年、就寝はおあずけだ!」


 そう言って走矢を掴むと、掃き出しの窓を割って外に飛び出す。


 次の瞬間、背後から閃光が広がるのを横目に見る。


 あわてて振り向くと、今まで居た自宅の部屋が何かによってそこだけ綺麗にえぐりとられていた。


「とりあえず他の部屋の住人は無事の様だが、避難させたほうが良いかそのまま待機させておいた方が良いか……」


 アパートの他の住人の事を気づかう霧香。


「ここに居て良いわけないでしょ。夢子、貴女(あなた)の精神支配で全員避難させて!」


 星垂の指示にわかった、と返す夢子。


 そんな彼女達の前に、何者かが降り立つ。


「だからもっと威力をしぼれって言ったろ!」


「このくらいで丁度いいんだ。ちゃんと外におびき出しただろ」


 現れたのはベリトとバルバトスの少女2人。


「2人とも、じゃれ合うのはそこまでです。敵の目の前ですよ」


 そう言ってもう1人、翼の生えた女性が降り立つ。


「はっ、上等だ! やるぞバルバトス! アンドラスもな!」


 少女の1人が前方に両手をかざすと魔法陣が出現し、そこから2体の騎士が現れる。


「型落ちだがまだまだ戦力になるぜ!」


 もう1人の少女、バルバトスが弓を構え、翼の生えた女性アンドラスが剣を抜く。


「行くぞ!」


 霧香がそう叫ぶと一瞬で鎧武者の姿となり、刀を抜く。


 そんな霧香を、剣を抜いたアンドラスが迎え撃つ。


 双方の刃が激突するかに思えたのだが、アンドラスの剣が一方的に霧香の刀を切断する。


「なっ?! 馬鹿な!」


 焦る霧香。


「私の剣は炎の剣。熱を刃の薄さまで収束(しゅうそく)しています。鉄ぐらいなら容易に切り裂きますよ」


 そう言って女は切っ先を向ける。


「いくわよ、レイコ!」


「任せろ姉貴(あねき)!」


 ベリトの放った2体の騎士に向かっていくレイカとレイコ。


 バルバトスは弓を構えるが、星垂が青白い炎で邪魔をする。


「鬱陶しい炎だな」


「貴女の矢ほどじゃあないわ」


 星垂とバルバトスが睨み合う。




「厄介な武器を持っているな」


 霧香はそう言うと、周囲に等身大の骸骨剣士を10数体出現させると、それが一斉にアンドラスに襲いかかる。


 アンドラスは次々と骸骨達を切り裂いていくが、数に押されて無傷では済まない。


「くっ、一旦空へ……」


 そう言って翼を広げるアンドラス。


 しかし、そんな彼女を闇夜にまぎれて待機していた巨大骸骨が叩き落とす。


 悲鳴を上げて墜落するアンドラス。


「これで終わりだ!」


 そう言うと霧香は自分の刀の切り落とされた部分から妖力の刃を伸ばしアンドラスを斬りつける。


 霧香の斬撃を受けそこねたアンドラスは剣をはじき飛ばされる。


「勝負あったな」


「まだよ!」


 アンドラスがそう言って右手を天にかざすと、20本ほどの炎の剣が出現する。


「行きなさい!」


 そう言って右手を霧香に向かって振り下ろすと、炎の剣が霧化めがけて一斉に放たれる。


「これはまずいな」


 霧香はそう呟くと、巨大骸骨を出現させ、盾がわりにするが、炎の剣はソレを意図も簡単に貫いて来る。


「仕留めたか!!」


 叫ぶアンドラスと崩れ落ちる巨大骸骨。


 しかし、巨大骸骨の後ろに霧香の姿は無く、アンドラスに緊張が走る。


 刹那、巨大骸骨を足場に上方に逃れていた霧香が斬りかかり、その刃がアンドラスを捉える。




 ベリトが操る2体の騎士のオートマタ。


 身に着けたよろいを武器やされ以外に変化させ、レイカとレイコに襲いかかる。


「くっ?!」


 レイコの鱗粉で対応しているが、2対1と分が悪い。


「はっ、どうした? 押されているぞ」


「うるせぇ、ここから逆転するんだょ!!」


 咆えるレイコ。


「ここね!」


 そう言ってレイカが羽を広げると、騎士2体がその羽の目の模様をほぼ同時に見る。


「なに?! 体が、動かない……」


 騎士と五感情報を共有しているベリトは動きを止める。


「視覚を共有だなんて、高度な技術が(あだ)になったわね」


 レイカの言葉と同時に、レイコの鱗粉が動けなくなった騎士のオートマタを斬り裂く。


 


「他は片付いたようね」


「そのようだな」


 バルバトスはため息まじりに応える。


「えっ?!」


 その時、星垂が奇妙な声を上げる。


 その次の瞬間、火柱(ひばしら)が上がり、新手の72使徒、アモンとエリゴールが姿を見せる。


「さぁ、第二ラウンドよ」


 アモンがそう言うと、夜空一杯に赤い雲がうずまき、大量の火球が降り注ぐ。


「くっ……」


 咄嗟に星垂が青白い火球で迎撃し、相殺したのだが、フリーになったバルバトスが星垂を狙う。


「させない!」


 夢子が精神支配てバルバトスを押さえ込む。


「もうやられたのか。ならば、ここからは私達が相手だ!」


 そう言ってグリフォンにまたがった女騎士が舞い降りて来る。


「我が名はムルムル。グリフォンライダーの名にかけて、お前たちを倒す」

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