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母はヴァンパイア  作者: 見えてる地雷
過去と今とその先と
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イグドラシル5

「随分とえげつない真似をするわね……」


 黒い鎧に身を包んだ夏を盾にするように立つ、オルトロスに吐き捨てるようにエリスは言う。


「姉さん!」


 敵の1人が操られている味方となれば、対処が難しい。


 エリスの援護に向かおうとするアリスの前に、銀の鎧に身を包んだケン太が立ちはだかる。


 鎧以外にも剣と盾を装備し、容赦なくアリスに斬りかかる。


「とっととコイツラを、始末するしかないようね」


 金の鎧を身に着けたトン助と対峙する玲奈がアリスに語りかける。


「以前のようにはいかないぞ!」


 そう言って、右手に持ったモーニングスターの鉄球を放つトン助。


 それを回避して、トン助との距離を詰める玲奈。


 しかし、トン助は左手からもう1つのモーニングスターを出現させ、向かってくる玲奈に向けて放つ。


「食らうわけには!」


 そう言って鉄球をジャンプで交わし、そのままトン助に飛び蹴りを見舞おうとする玲奈。


 しかし、それを見たトン助が体を丸めると、トゲ付き鉄球に変化し、玲奈目掛けて発射される。


「なっ?!」


 対応できずに、鉄球をもろにくらってしまった玲奈は地面に倒れる。




「くっ、何なのこいつ!!」


 ケン太の持つ盾は攻撃に自動で反応し、防御するという物。


 その鉄壁の守り阻まれ、アリスが悲鳴をあげたのだった。


「こうなったら、そのふざけた盾ごとぶっ飛ばしてやる!!」


 意地になって盾を攻撃しまくるアリス。


 しかし彼女は気づかなかった。


 盾を攻撃するたびに剣がオーラを(まと)い、それが増幅していく事に。


 アリスが大振りの一撃を繰り出そうとスキを見せたとき、ケン太は渾身の斬撃を放つ。




 エリスと余白は黒い鎧に身を包んだ夏と対峙していた。


 日本刀を(かま)える夏。


「とにかくまず、戦闘不能にしないと」


「それがむずかしいんだよね」


 エリスの言葉にボヤく余白。


「彼女の元の実力に加えて、鎧による反応速度の向上。貴方達に対処できるかしら」


 夏の後ろで余裕のオルトロス。


「このっ!」


 余白は木の葉を枚散らせ、ソレを帯やチェーンに変化させる。


「とにかく拘束して動きをとめれば……」


 しかし、チェーンも帯も夏に簡単に斬り切り裂かれ、拘束にはいたらない。


 しかし、一瞬のスキをついて接近したエリスの右こぶしが、夏の腹部にブカブカと突き刺さる。




「このっ!このっ!このぉぉぉ!!」


 想定外の攻撃を受けてもなお、盾への攻撃をやめないアリス。


 ぴきっ、と音を立てて、自慢の盾に亀裂が入る。


「やっぱり、特殊な機能を色々つけるとそのぶん、脆くなるわね」


 他人事のように言うオルトロス。


「勝つのは俺だぁ!」


 攻撃を受け、砕けた盾を捨ててカウンターの斬撃を繰り出すケン太。


 しかし、アリスはハイキックで剣を振り下ろそうとする右手を蹴り上げ、スキをつくると空いたボディに猛ラッシュを繰り出し、ケン太をふっ飛ばす。




「絶対に離さないわよ」


 鉄球に変化したトン助の突撃を食らった玲奈だったが、その鉄球をガッチリと掴んで離さなかった。


「この女、なんてパワーなんだ?!」


 鎧がピキピキと亀裂が入っていき、焦るトン助。


 そのまま鎧を砕かれ、トン助は短い悲鳴をあげる。




「どうやらここまでみたいね。あとはなっちゃんに任せて私達は撤収よ」


「逃がすわけなおでしょ?」


「あんたもノシてあげるわ!」


 手のあいた玲奈とアリスがオルトロスに仕掛ける。


 それを見てオルトロスは玲奈に向かっていき、腕を掴むと一本背負いで彼女を地面に叩きつける。


「なっ?!」


 一瞬で玲奈の懐に入り込まれ、攻撃を決められた事に動揺するアリス。


「ほら、動きが止まってる」


 次の瞬間にはアリスの目の前に現れ、煽るようなセリフを吐くオルトロス。


「このっ!」


 咄嗟に右ストレートを出すアリスだったが、ソレを掴んで、先程の玲奈と同じように一本背負いで投げられてしまう。


「これならどう!」


 そう言って余白は大量の木の葉をばら撒くが、オルトロスがその木の葉を指差すと、一瞬で全て燃えつきてしまう。


「そんな……」


 戦意喪失の一歩手前の余白。


 そんな彼女をあざ笑うかのように、ダウンしたケン太とトン助をかついでオルトロスは去っていく。


 残された夏と戦闘継続中のエリス。


「せめて夏だけは……」


「……くっ」


 気力を振り絞った余白は木の葉を手裏剣のように放ち、夏の鎧の右手の宝石のような物を破壊する。


「その宝石みたいな物から、奇妙な力を感じるんだ」


 言われて夏の鎧をよく見ると、両手、両足、胴体に1つずつソレは埋め込まれている。


 今、右手の宝石を余白が壊したので残り4つ。


 エリスはローキックで右足の宝石を破壊する。


「これで残り2つ」


 そう言って、立ち上がった玲奈はスライディングキックで左足の宝石を破壊する。


「これで残り1つ!」


 エリスは左手の宝石を握り潰す。


「これで!」


 エリスが両手を掴んで胸元の宝石をガードできない状態にすると、再び余白は木の葉を手裏剣のように投げて、ソレを破壊する。


 しかし、夏は正気に戻らず、エリスの腹部を蹴り上げる。


「カブト?! 最初に姉さんがふっ飛ばしたやつにも宝石が!」


 そう言ってアリスは夏がかぶっていたカブトの宝石を破壊する。


「まだ、止まらない……」


 夏の両手を掴んでなんとか押さえ込んでいるエリス。


「日本刀?! なっちゃんの刀に宝石が!」


 余白の言うとおり、夏の右手に握られた日本刀の柄頭(柄頭)の部分に、確かに宝石が輝いていた。


「姉さん、そのまま抑えていて!」


 そう言うとアリスが手刀で柄頭の宝石を砕くと、夏は力無くその場に倒れる。

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