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母はヴァンパイア  作者: 見えてる地雷
過去と今とその先と
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俊紅の王8

 今回の一件、ソロモン72使徒という組織から虚空と呼ばれる集団の一部の者達がソロモン王の遺体を強奪したと言うのが事の始まりだった。


 ソロモン72使徒が『組織』なのに対し、虚空は同じような考え方を持つ者達の集まり、『サークル』や『同好会』といったモノに近い性質を持つ。


 倫理観や道徳の欠如した術師達で、己の探究心のおもむくままに研究し、実験し、時に興味が引かれれば他人の物でも強奪する。


 その歴史は古く、雨上家や他の名のある陰陽師達に何度も討伐命令がくだった過去がある。


 しかし、組織としての(てい)を成していない虚空を完全に壊滅させる事はかなわず、今日にいたっている。




 郊外の小さな倉庫。


 そこには石化した包帯状のマミーモドキと浪川栄子達の姿があった。


「またハズレ〜。いったいいくつ偽者をばら撒いているのよ」


 リーダー格の栄子がげんなりした表情でボヤく。


「どうする? コイツも回収する?」


「もういいだろ、だいたいコイツらの事は分かったし。ソレより、偽物と偽の情報をコレだけばら撒く意図は何なんだ?」


「まぁ、考えられるのは72使徒をおびき出すための罠ってところかしら。おびき出して始末して、研究に集中する、とかね」


 ボーイッシュな栄子の疑問にリーダー格が応える。


 そんな彼女達を遠くから眺める者達が居た。


「また、あいつらかぁ……。そろそろ始末した方が良いんじゃないか?」


「釣りで言うところの外道だな」


「あたしらの邪魔をするなら腐れ外道だろ。殺さねぇ理由が()ぇ」


「待って下さい。何か来ますよ」


 4人の男女。


 その中で見た目は最年少の少女の指摘で、栄子達に接触する者たちがいる事に気づく。


「外道以外も釣れたか」


 無精髭を生やした男が呟く。




「あら、どちら様でしたっけ?」


「王について色々と嗅ぎまわっているようだな。知っている事を全て話してもらうぞ」


 相手も栄子達と同じ女性3人。


 その1人が攻撃的な発言をした事で、栄子達も臨戦態勢に入る。


 刹那、リーダー格の女が飛びかかってくる。


 リーダー格の栄子はメデューサの能力を使い、髪の毛を蛇に変えて迎撃しようとする。


「こんなもの!」

  

 女は手刀と拳でそれを返り討ちにすると、そのまま栄子を斬りつける。


 間一髪、バックジャンプで交わすリーダー格の栄子。


 メデューサのもう1つの能力を使う。


 一方、残りの栄子と女達はも戦闘を開始する。


 ボーイッシュな栄子が炎を鞭のように振るうと、女達はコウモリの翼を広げて飛翔し、攻撃を回避する。


「ここだ!」


 眼鏡をかけた栄子はメデューサの石化能力を使う。


 ほぼ同時に石化能力を使い、女達を全員石化させる。


「呆気ない……」


「誰か1人、石化を解いて情報を引き出しましょう」


「?! 危ない!」


 眼鏡の栄子とリーダー格の栄子が話していると、突然ボーイッシュな栄子が大声で注意喚起する。


 石化したはずの、いや間違いなく石化している女達が襲い掛かってきたのだ。


「なっ、なんで?!」


 混乱する栄子達は容易に接近を許し、石化した女達の猛攻を受ける。


 石化した女達の拳は重く、栄子達は窮地に立たされる。


「そんな、石化しているのに、動けるなんて?!」


 そんな中、翼を広げて飛行する女達のの姿を見て、眼鏡の栄子が何かに気づく。


「違う、コイツらガーゴイルよ! 元々石像の妖だから石化しても動けるんだわ!」 


「そうか! 石化が相性最悪だったのか!」


 そう言ってボーイッシュな栄子が炎を放つ。


 しかし、石像の妖には効果はイマイチの様で、大して効いてないようだ。


「いいんだよ、今のは目くらましだからな!」


 ガーゴイルと距離を取った栄子達。


「で、何かいい考えとか無いのか?」


「呆れた、肝心な所は人任せ? さすが私ね!」


「とりあえず凍らせましょう。足止めぐらいなら出来るはずよ」


 眼鏡の栄子の提案に乗って、青い翼を広げる栄子達。


 猛吹雪を起こし、ガーゴイル達を氷づけにする。


「厄介ねコイツら。石化がだけじゃなく、炎も効果無さそうだったわ」


「表面が硬いせいで通常攻撃がつうじづらいし」


「石の表面を破壊するか、精神攻撃の様なからめ手が欲しいわね。それらが無い現状、引くのが無難かも」


「せっかくおびき出したのに……」


 まともに戦っても勝ち目が無いと、撤退する栄子達。


 数十分後、妖力で氷を溶かし、ガーゴイル達は復活する。


「あのまま押し切れれば勝てたのに……」


「仕方ないわ。炎に氷に石化。たまたま私達は相性が良かっただけで、私達以外が当たってたらもっと被害が出ててもおかしくない相手よ」


 リーダー格らしきガーゴイルが他をたしなめると、コウモリの翼を広げて、そな場から飛び去って行く。


「上手く行ったわね。あとはバレないように後をつけるわよ」


 気配を消して潜んでいた栄子達は、飛び去ったガーゴイル達を追跡する。


「何だアイツら、頭も使えるんじゃないか。あの後を追えば72使徒のアジトが分かるな」


 遠目に一部始終を見ていた虚空の男女4人。


 栄子達の真似をして、今度は彼女達の後をつける。


「まぁ、いいとこ前線基地だろうな。いつでも切り捨てられるような」


「それすら今までつかめなかったんだ。慎重に行こうぜ」 

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