白髪視点とその読み
俺こと白髪はKINGでありながら単独行動をしていた
なぜなら自分の実力に絶対的な自信があったからだ。その自信も生まれながらにして得たものではない。それは、親から受けた過度な英才教育なのである。
どうやら親の考えでは能力至上主義の世界で頂点に上り詰めるために必要なものは能力だけではない。単なる実力も必要なのだと。
俺の能力はこの世界ではあまり重宝されることはないはずの能力《身体能力増強》だ。この能力は最大で3倍までの身体能力増強しかできないのだ。仮に4倍とかで使用した場合、体が能力の負荷に耐えきれず壊れてしまう場合がある。
一応行っておくが能力は万能ではない。使い方次第で体を壊してしまったり、自分の容量を超える能力を使用してしまった場合、回復するのに何日も眠る事になってしまう
なぜ鍛えていたのか?簡単に言うと「1と10では3倍したときの身体能力の増え方が違う」という話だ
仮に俺という人間が2人いたとして話していこう
全く鍛えなかった「俺1」と今みたいに鍛えまくった「俺2」がいたとする。そもそもとして能力を鍛えることはほぼ不可能なので両方とも身体能力増強を3倍だとする。
その時、俺1の身体能力を数値で表したとき1だとする。その1を3倍することになり、身体能力は3。
だが俺2のように身体能力を向上させているときに数値で表すと、10だとする。するとその10を3倍することになり身体能力は30となる。
だから俺は幼少期の頃から過度な英才教育を施したのだと言うらしい
よってこの最強な白髪こと俺がいる
じゃあなんで俺がEクラスだと疑問を抱いたやつもいるだろう。それは俺の持つ「目的」にある。それはSクラスやAクラスに浮かれた餓鬼共に真の実力を思い知らせて、半端者に卒業をさせないためだ。
だからこそこんなところで負けるわけには行かないため単独で戦って実力を確かめていたのだが
「思ったより弱かったな」
最初に階段で行き来をしていた二人を気付かれないようして倒した。おそらく状況を確認させるために置いていたのだろうか?そこからの討伐は簡単だった
まず3階にいるものに背後を取れていると油断させて倒した。一人ずつ来るようにして相手をしたから、1対1にして戦ったおかげでかなり楽に終わった。
そしてこの全滅させたタイミングで俺が言う
「あーあーマイクテストマイクテスト、こちらの状況は一人の男が倒れている」
これでこの声が白髪のKINGであることをFクラスは理解した
それから2階にいたFクラスも同じような手法で倒し、1階にいたFクラスも同じように倒した。そんな中、そいつが最後の一人だということを確認して俺はそいつに問う。
「Fクラスの基地はどこだ?」
そいつが笑いながら言う
「愚問だな。言うはずがないだろう?」
「そうか」
静かに言う
ーーバキーー
骨が折れる
そんな音があたりに響く
「うああああああああ」
叫び声が響く
「どうだ?言う気になったか?」
不敵に笑う
「いや、俺は言わないぞ?」
「そうか」
ーーバキーー
また骨が折れる
このような流れを10回かく返すとそいつは弱々しい声で言う
「わかった........わかったから......!もうやめてくれ!」
「やっと素直になったか」
それから俺はそいつに基地の場所を聞いた
聞いた後はもちろん気絶させた
そうした俺は5階にあるEクラスの基地に戻り
これからの作戦を言う
「お前らよく聞け」
視線が集まる
「Fクラスの基地の場所をついにつかんだ。Fクラスの基地は2階の物置部屋だ」
称賛の声が上がる
「だからこれからお前たちにしてもらいたいのは、西階段と東階段に分かれてFクラスが移動するのを防いでほしい。俺が倒したFクラスの人数から察するにあと10人程度はまだFクラスがいるはず、だから相手が情報を確認するために出てくるであろうFクラスの連中をそこで仕留めろ」
ーー視点は一度隻腕視点に戻るーー
なぜ白髪がどこにもいないんだ?考えろ白髪を見つけなければ負ける
わからない。考えても答えは出てこない
「ねえ、ベルの能力を使って《窓の外》に出て逃げるべきなんじゃないの
?」
苛立ちが混ざった声で言う
「まて、白髪の行動がわからない以上ここで急ぐのは危険だ。もう少し........ん?窓の外?」
声を大きくして言う
「そうか!白髪の場所は窓の外だ!」
「え?なんで?」
隻腕が言う
「まずなぜEクラスは2階の両方の階段にいたのか?この答えは簡単だ。それはFクラスの拠点がEクラスにバレていたからだ。そして白髪はこう考えたのだろう「2階なら窓から逃げられるかもしれない」っと」
そう言い終わったとき白が窓を確認する
「いた!白髪男KINGよ」
「そう次はどうするのかなのだが..........」
ドンドン!ドアがたたかれる。
「まずいな。ついに強硬手段に出たか、ベルいいか?」
ドアを抑えるようにしながら言う
「なんですか?」
「一度に減速を付与することができるのは何個までだ?」
「3つです」
「そうか、なら俺が行けと言ったら白と白髪に鈍足をかけろ。そうしてその能力を白だけにはずすことができるか?」
「それは不可能です。もし解除してしまった場合、両方とも解除してしまいます」
「そうか、なら解除はするな。そうして白お前はギリギリまで白髪の相手をしていてくれ、倒そうとしなくていい。ただ足止めさえできたらそれでいい」
「わかったけど........貴方はどうするの!?」
白が怒気の混ざった声で言う
「俺か?俺はここに残りギリギリまであいつらを引き付ける」
「そんなの無謀よ!」
「無謀だったとして俺が一緒に逃げたところでなんの意味もない。何なら足を引っ張ってしまう」
「でも.......」
「ここで敗北してしまうのはかなり痛手だ。だから引き分けにして再戦するしか俺たちに未来はないんだ」
俺の意思を理解したのか白が頷いた
「安心しろ死ぬわけじゃないんだ」
そう行って頭を撫でる
「気を引き締めろもうそろそろだぞ」
ドンドン!ドアが外れかけた
「行け!!」
ベルが叫ぶ
「能力発動!」
そう行ったら白をベルは窓から飛び降りた
ついにドアが破られ俺が言う
「お前らの相手はこの俺だ」