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今日あった出来事を書きたい。

作者: やむ

お昼前、買い物を終わらせ、大荷物を両手にショッピングモールの自転車が置いてある出口に向かって歩いていた。

出口ぎわに、ケータイの出張販売を行なっている人たちがいた。その人たちは、ティッシュを配りながら営業を行なっていた。

僕は、両手に荷物を抱えているものだから、てっきり話しかける人はいないだろうと判断し、ポケ〜とその人たちを見ながら出口に向かって歩いていた。

その人たちの中に、背が高く、すらっとした人が立っていた。初め、髪も短いものだから、遠目から、男?イケメンか?と思った。が、女性らしい出立をしていることがわかり、実際、女性であった。近づくにつれ、その容姿が見えてきて、あ、かわいい。と思うと、ついつい目があってしまった。とはいえ、自分は、荷物いっぱいだし、話しかけられることはないだろうと思っていた。会釈で終わりかな、くらい。

しかし、彼女は、目を合わせたそのまま、ティッシュをこちらに出してきた。両手が塞がっていること、よりも、話しかけないと。と言う感じだった。

正直、僕は背も高く、周りからあまり話しかけられないような出立をしているかわからないが、話しかけられにくいから、話しかけられただけでも、嬉しかった。

「お兄さん、ケータイどこ契約されてますか〜?」

定型的な文。色々な人に話しかけ、慣れているのだろう。とても落ち着いた話し方で、話しかけてきた。

「povoです。」

僕も慣れたものだ。都会に住んでいれば、何度も聞かれたこの質問。しかも、通信会社オタのため、僕の最強の布陣を言うと、すぐに引いてくれる。(じゃあ立ち止まるなって話なんだが。人と話したいと言うのが少し。別にマウント取りたいとかではないと。。あれ。もしかしてマウント取りに行ってることになる??以後気をつけよ。。)

「かけ放題つけられていますか?」

これまた定型的ではあった。アピールしたいプランで、povoに勝っているのは、その部分であるのは知ってる。

しかし、抜かりは無い。

「あーつけて無いです。」

つけてないから。

「そうなんですね。毎月いくらくらいですか?」

うんうん。そうくると思った。プラン内容の次は金額だね。

「大体月で割ると、2000円くらいですね。」

「何gbくらいですか??」

「うーん、大体月割ると、25gbくらいですね。」

「それは安いですね。」

満面の笑みになっていた。あ、うちのプランじゃ、これは無理だあ。と言う顔だろう。いや、可愛くはあった。

「ありがとうございます。」

こちらも会釈し、その場を後にした。

その後、もうちょっと愛想良く、話したらよかったなあ。と少し後悔。

けど、「イケメンだったらどんな会話するかなあ。」と考えたら、「わざわざ多くを語ることはないか。」と思ったので、良しとすることにした。


家に帰宅途中、「にしてもかわいい子だったなあ。」と、最後の笑顔とその立ち姿が頭に残っていた。もし、連絡先を渡してたら、よかったかな。と思った。

そう思ったのが、運の尽き。この後のキモい行動につながることを、この時の僕は全く気づかなかった。


お昼。とりあえず、ご飯を食べた。しかし、頭にあるのは、あの時なぜもっと話さなかったか。連絡先の一つでも渡しとけばよかった。いや、交換すればよかった。だった。

しかし、もう遅い。この後、行くのか?俺は。そんな勇気あるのか?とそう考えていた。

ご飯を食べ終わると、眠くなった。しかし、頭にあるのは、やっぱ連絡先渡そうかな。だった。

いや、冷静になれ。そんな馬鹿なことできるか。一旦寝よう。そのあと、考えよう。

寝た。30分寝た。

思いのほか、すっきりとした思考になっていた。しかし、その頭にあるのは、やっぱ連絡先渡しに行こ。だった。


インスタのidを適当な紙に書いた。(後々思ったが、idだけでなく、なんか一言でいいから書いとけよ。てか、もっときれいに字を書け。ほんと。)

服を着替え、髪形を整え、簡単に匂い対策。再び、イオンへと自転車で向かった。

この間に気づいてしまった。心臓のドキドキに。あれ、こんなに緊張するもん?ちょっと連絡先を渡すだけなのに。


そうこうしていると、さっきあの彼女がいた場所に来た。


居なかった。

まあ、そうか、そうゆうことか。渡せない運命。連絡先を渡すのは、正しい行動ではないって、神様が言っているのかもしれない。

ちょうど、お昼上がり、とか、そんな感じだったのかな。

少し寂しく思ったが、このドキドキから解放されたかと思ったら、すっきりとしていた。

とりあえず、せっかく来たのだから、少しぶらぶらして帰ろう。そう思い、雑貨屋さんや、本屋さんをぶらぶらと巡り、チャリの出口に向かった。すると。


居た。あの子だ。


同じように、仕事していた。

さっきと全く同じ。

背が高く、すらっとした人が立っている。初め、髪も短いものだから、遠目から、男?イケメンか?と見紛うくらい綺麗な出立。そして、やっぱりその容姿は可愛かった。

そして、今がチャンスじゃないかというくらい、一人でいた。話しかける人待ちしていた。

あ。どうしよう、話しかけないと、、そう思った。


しかし、ガン無視こいて、そのまま近くの本屋さんへ。


ああーーー何をしているんだ。僕はああああ。

今がチャンスだったじゃないか。絶好の。。。

向こうは、どう思ったかわからないが、おそらく、ギリ他のお客さんに紛れて、午前中の僕だということは気づいていないと思いたい。。

まあ、そもそも、午前中にも僕がいたことなんて覚えていないかもしれないが。

それはいいや。もう一度だ。もう一度チャンスを見て行くぞ。

それからというもの、チャンスはなかなかこない。本屋でぶらぶら物陰からチラチラ見ては、あーお客さん対応してるなあ。。あー従業員同士で話してるなあ。。という感じだった。

というか、うん。きもいな。僕。完全なるストーカー。しかし、いい。ストーカーでいい!

、、、いや、ダメか。このままずっとこうしてはいられない。いつかは、行かないと。


もう一度、彼女を見ると、お客さんの対応していた。

次にチャンスが来たら、、、いや、あのお客さんが離れたら行くぞ。



お客さんが離れた!今がチャンス。

歩を進める。彼女の元へ向かって。彼女の方を、見ながらゆっくりと進む。

あ。。やばい、あ、、これ、、。心拍数の上昇。頭の回転が鈍る。ああ、ああああとしか考えられない。


店を出るすんでで、必要もない靴下を手に取り、まじまじと見つめ、「うーん、」などと悩み始めた。

そして、再び店の中に入っていった。


結果、難しかった。

歩くだけなのに。

難しかった。

想像以上よ??歩くの、めっちゃむずい。




終わった。もうだめだ。完全に変なやつじゃん。僕。キモいやつじゃん。

何がしたいの?って人じゃん。

周りからしたら、ぶらぶら店内を散策しといて、何も買わずに出てくのかと思ったら、店先の靴下を見て、さんざん見回した店内がまた気になっちゃった人だよ??どんな人???そんなすごい靴下だった???


店内に入り、再び、本越しに彼女を見た。

今度は、自分の行動の愚かさに心を痛めた。


いや、マジで辛い。

何してんの僕。


昔、友達が「可愛い店員さんいた」とか言ってたから、じゃんけんで負けたら行ってこいとか言って行かせたけど、あいつよく行けたな。まだ、お膳立てがあったからか??

だとしたら、今の僕、お膳立てもないのにやろうとしてる変なやつじゃん。

そう考えたら、今の行動も、ストーカーまがいすぎるし、キツくなってきた。

彼女は、接客している。

うん、もう帰ろう。これで話しかけに行ったら、もはや、よくわからんやばいやつすぎる。

キモいだけだ。うん。どんまい、俺。帰ったら、勉強でもしよう。。。


と、出口の方へ向かった。

その時、最後に彼女の方を見た。接客が終わり、他の従業員は接客をしており、ちょうど一人になっていた。


あ、、チャンスだ。今しかない。今行かなかったら後悔する。


頭の中は相変わらず、ああ、ああああだった。

しかしそれでよかった。今度はもう何も考えなかった。ただ彼女の方へ、歩いた。


「あの・・」

「はい!」

少し驚いたような顔。おそらく、話しかけることはあっても、あまり話しかけられることはないのだろう。

「さっき、見た時、可愛いな。って思って、、あの、連絡先を書いてきたので、よかったら、、、」

定型的な文。まさに、初心なナンパといった感じだ。

てか、よかったら、ってなんだよ。

「え、、」

とても驚いた感じだった。こちらをまっすぐみていた目線が少し揺らいでいた。

「あ、迷惑だったら、捨ててもらって、大丈夫です、、」

「ああ、、」

こんな場面に、ほぼ出くわしたことがないのだろう。何を答えればいいのかも、渡した連絡先の紙を受け取っていいのかも、判断しかねている様子だった。目線が完全に空を見つめていた。

「お仕事、頑張ってください。」

「ありがとうございます!!」

元気一杯の笑顔だった。とても、可愛かった。

「ご迷惑をおかけしました。失礼します。」と、言って、去りたかったのだが、

「ごrgcいwsくをおかけしjsた。kldさす。」

おそらく、彼女には、こう聞こえただろう。どもった。完全に最後失敗した。ああー終わりよければなんとやらとはいうが、終わりが悪かったらどうなるのだろう。。。。泣いちゃいそう。

てか、ご迷惑をおかけしましたってなんだよ!間違ってねえけど!

そのまま、出口の方へ、向かい、そのままチャリにまたがり帰った。


しかし、連絡先を渡せた高揚感と、緊張から解き放たれた解放感が僕を包み、家に帰るまで、自分のことを、少し誉めていた。


帰って、高揚感と、解放感が消える頃、僕は、のたうち回りたい程に、恥ずかしくなった。


何してんだあああ俺はああああ。もっと綺麗な字にしろよおお。ていうか、ほぼストーカーじゃねええかああああ。最後ダサすぎだし。。恥ずかし恥ずかし恥ずかし。

もう一生せん。ナンパなんて一生しない。あーーーー恥ずかしいいいい。


多分、自分に自信がある人だったら、こうはならないんだろうなああ。。。いいなあああイケメンはああああ。

そう思った。


とりあえず、連絡を待っている。

といっても、そんなに期待はしていない。連絡が来る確率は、0.02%くらいだろう。

もしかしたら、スペルを間違えてるかもしれない。

もしかしたら、読めないかもしれない。

もしかしたら、彼氏が普通にいるかもしれない。これはどうしようにもない。というか、いてもおかしくない。

もしかしたら、、、、

こない確率の方が高すぎ。



さて、これが、今日、僕が経験した、ドキドキだ。

こんなドキドキは、人生でも数度あるかないかだろう。

人前で話すことは得意なのに、たった一人に連絡先を渡すのがこんなにも大変だなんて思わなかった。。。


でも、終わってしまえばかな。。これからは、また別の連絡が来るかどうかの、ギャンブルにも近いドキドキを楽しもうという、そんな心意気だ。

それでは、みんなのナンパの検討を祈る。


俺はもう一生しないけどな!!!!















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