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第2話

   

「僕の現在地は、K駅西口の噴水広場です」

 右耳に当てたスマホだけでなく、全く同じ声が左耳からもサラウンドで聞こえてきた。

 びっくりだ。既に相手も到着していたらしい。しかし周囲には、会社のマークが入った封筒を持つ男性はいない。それが目印だったはずなのに……。

 私は戸惑ってしまうが、相手の言葉には続きがあった。

「ところで、あなたは誰ですか? もしかして……。番号を間違っていませんか?」

「えっ!」

 二つ目の驚きに、私は大きな声を上げてしまう。

 改めて周囲を見回すと、困惑した表情でこちらに視線を向ける男性の姿。スマホで通話中であり、先ほど左耳から聞こえてきた声の方角とも一致する。

 私の通話相手は彼に違いない。年齢は私と同じくらいで、カジュアルなファッション。近くのアパレル店の袋を持っているから、買い物帰りらしい。

 明らかに、今から私が会うべき取引相手ではなかった。

   

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