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苦手な方はご注意ください。

さがしものとゆきおんな

作者: きみひろ

童話チックにしたかったのですが、結局長くなってしまいました……、

テーマだけで突っ走ってしまった感が(;^_^A


 秋が終わって、冬がきた。 

 樹々も葉を落とし、動物たちも寒さのために眠りにつく。


 夜の山には魔物がすむ……。

 夜の冬の山には魔物よりも恐ろしい雪女(化け物)がいる、だれもが知ってる言い伝え。


………


……



「おばあちゃん、おばあちゃん、ゆきおんなのおはなしきかせて!」


「雪女かい? もうそんな季節になるんだねぇ……」


「ねぇねぇ、おばあちゃん、ゆきおんなってほんとにいるの?」


「ああ、いるねぇ、掟を破って山に入る悪い子をたべる、こわーい雪女がねぇ」


「えう……」


「はっはっは、冬の山、それも夜には絶対に近づいてはいけないよ?」


「はぁい」


「でもね? もし明るい内に会う事がったら、美味しい苺とかすいかや梨や柿がもらえるかもねぇ」


「ほんと? おいしそう! ……でも、いまはふゆだよ?」


「昔ねぇ、雪女に会った女の子が、たくさん食べさせてもらったそうだよ?」


「ええ!? そのおはなしききたい、ききたい!」


「ふふ、あれはねぇ……」


 退屈を持て余す幼い孫にせがまれ、ゆっくりと語りだす老婆。 


………


……



---------------『数十年前』----------------


「はぁ、はぁ、はぁ、みっちゃん、まっててね! ぜったい探し出して見せるから!」


 世界が雪で白くなったころ、わたしは山に入った、きけんな山に。 たった一人のともだちが重い病にかかった。それを治すには、冬の山にしか咲かないといわれる”氷結の花”が必要だと村のお医者さんは言ったが、だれもが言い伝えを恐れているし、許可なく山へ入るのはタブーなので山へは入らない。 


 私だってこわい! こわいったらこわい! でも、数年前に同じ病にかかった私の為に両親は冬の山に入り、父は戻らず、母だけが花をもって下山したが……その場で命を落とした。 


 両親が犠牲となり、私は助かったが独りになった。 村でたったひとりのともだちのみっちゃんの両親は、そんな私を引き取ってくれた。 その恩を返したいし、なによりみっちゃん(ともだち)を失いたくないと思ったら自然に体が動いていた……。


ギュ、ギュ……


 途中の木に、赤いひもを目印のために結びつける。 今は猟師だった父に教わった知識が役にたつ。 何にしても時間がない、明るい内に花を取って下山しないと、夜になったら魔物が出るかもだし、今の時期は雪女が出るという言い伝えもある。


「急がなきゃ、日が暮れる前に……って?」


こふー、こふー……


 明るいうちなら、目印を見失わなければ大丈夫……のはずだったんだけどぉ? 私の目の前に、冬眠に失敗した穴もたずがあらわれた(くまさんにであった)


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」


………


……



「ぜぇ、ぜぇ……」


なんとかその場を逃げ出したが、荷物をおとりにしたため、食べ物や目印のための紐も、今は手元にない。


「ど、どうしよう……まだみつかってないのに」


 すでに、ここがどこだか分からない。 さまよっているうちに日がかたむいたのか、だんだん暗くなり雪も強くなってきた。 運が悪い事に吹雪になりそうだ。 あせりと空腹で、私はその場にへなへなと座り込んでしまった。 もうだめだと思った時、背後から声をかけられた。


「さがしもの?」


「ひゃぁ? って女の子?」


 白い……髪も服もみんな白い少女が……あれ? 吹雪の中なのに、その白い少女は薄着で、しかも裸足な上、荷物すら持っていない? ままま、まさか雪女? 私はここで死んじゃうの? 父は雪女に殺されたのだろうと、村の大人たちは言っていた。 村いちばんの猟師だった父が帰ってこなかったんだ、私が逃げれるはずがない。 みっちゃんの笑顔が頭に浮かんでは消えていく。


「みっちゃん……ごめん、私もう帰れないかも……でも!」


がぼ!


「……?」


「お願いします、ゆるしてください!」


 私はなりふり構わずに、雪に顔をめり込ませながら土下座をして命ごいをした。 このままでも凍死してしまうけど、私はあきらめなかった。 たった一人で下山して命を落とした母のことを思い出したからだ、何としてもこの場を生きのびて花だけでも……。


………


……



「夜が明けるまでここにいる、外は今あぶない」


「は、はい、わかりました」


 てっきり殺されるかと思ったんだけど、山に入った理由を話し、懸命に命ごいをしたら、猟師がいざとなったら(避難用に)使う山小屋に案内してくれた。 でも途中で何度か話しかけたけど、返答はしてくれるけど会話が続かない。 怒ってるのかな?


「これも食べる。 これもおいしい、それとこれも……」


「あ、ありがとう、いただきます」


 めっちゃ食い物すすめてくる(おもてなしされる)……て、ゆうか、どこから出したの? 何もない所から次から次へと、春夏秋の味覚が出てくるんだけど? 採ったばかりのように新鮮で、猟師が冬になる前に売り出すモノよりおいしい!


「雪山で苺やすいかや柿や梨が食べられるなんて……しんじられない」


「いっぱいもらった……とてもおいしい……」


 雪女……でいいのかな? とりあえずユキちゃん(ということにしておこう)は、みずみずしい梨を無表情でしゃくしゃくしながら、冬には見る事の出来ない苺を、口いっぱいにほおばる私の顔をじっと見ている。


じーーーーー


「……ごくん わ、私の顔に何かついてる?」


「……それが、おいしい時の顔? うれしい時の顔?」


「う、うん、お腹すいてたし、冬には食べられないから、つい」


 良く熟した苺の甘酸っぱさに、ついつい顔が緩んだのはみとめますけれども! ……ひょっとして表情の出し方に慣れてないのかな? 指先で口のはしっこをくにくにして、笑顔をつくろうとしてるし……。


「そう……これは集めるの大変なの?」


「え、えっとね、ここまで良いモノはよほど山の奥の奥まで行って、冬ごもりの準備をする危険な動物のテリトリーまで行かないと……だから採れても数が少ないし、とっても高いの」


おっきな柿を手にとり説明するのだが……。


「苺やすいかは……えっと、その、何というか……」


 いやまて、今ここに、春と夏の食べ物がある事を私が聞きたい! 秋の味覚はまだわかるよ? でもさ、他の食材が何で冬に? どんな方法で? 


「そう、それなのにいつも……」


 ユキちゃんの表情が曇る。 なして? もらいモノらしいけど、私も父が採ってきた梨や柿をもらったことがあり、たった一個でも大喜びしたものだ。 それにしてもこれだけの数を、鮮度を保ったままって、どんな方法で? 父よりもすごい猟師さんをイメージしていると、ユキちゃんがそばによって来ていた。


「おしえてほしい」


「へ? なにを?」


 白銀の長い髪、白い肌、相反している赤い瞳が、ユキちゃんをより神秘的に魅せる。 まるで雪の妖精さんに話しかけられているんじゃないかと思ってしまう程に……。 そのせいか、恐ろしい雪女のイメージが、ユキちゃんとかみ合わずに薄れていったのはしょうがないと思う。


………


……



 怒って無口かと思ったら、ただ単に、ユキちゃんは口下手なだけだったようだ。 なんでもこの食べ物をもらったはいいが、お返しが何もできなくて悩んでいるらしい。 かわいいなぁ、もう!


「冬だけに手に入って、だれもが喜ぶもの? えっとぉ……」


 ユキちゃんの望みは冬限定(・・・)らしい、お鍋……は、作り方知らないし、おもち……も、年明けにできたのしか見たことないし……。 どれも村に帰らないと手に入らないし、道具も必要だろう。 柿や梨みたいにそのまま渡せるモノなんて……。


「うん、もらったときに、こう、むねがぽかぽかするようなあったかいのがいい」


「はい?」


 冬にあったかいモノ(・・・・・・・・・・)って! それ以前にそんな恰好でいわれてもぉ?

山小屋の中で暖を取れたのはいいんだけど、私は厚着でもまだ寒いってのに、短い外套を外したユキちゃんはなんというか、その……実にけしからん格好(白スク)で、肩も足もむき出しだ! でも、肌が凄く綺麗。 外国の子なのかな?


「無くした荷物の中に干し柿はあったけど……ぽかぽかねぇ……」


「ほしがき?」


「知らない? この柿をね……」


 子供ならだれでも知ってる干し柿のことを教えたのだが、ユキちゃんは興味深そうに聞いていた。


「そう、これで作れるの……よろこんでくれるかな?」


「その人が甘いの苦手じゃない限りは……」


 貰ったであろう柿を手に、お返しをしている場面でも想像しているのか、僅かにユキちゃんが微笑んだ。 うん、やっぱり笑うと可愛い。 お姉さんが何とかしてあげたいと思うのも当然であった。


 ここが村で、その猟師さんがいるなら何とかなりそうだけど、ここは夜の雪山で、山小屋の中だ。それなら……。


「えっとさ、助けてもらったお礼に、村に一緒にさ……って? どこいくの!」


ギィィィ


「ほしがき……あなたの荷物をさがしてくる」


「ちょ! もう夜だし吹雪いてるし、熊いたし、魔物も雪女もセットで出るかもだよ!」


「……だいじょうぶ、知ってるから(・・・・・・)……ここなら安全、出ちゃダメ」


バタン……


 ユキちゃんは外套を羽織り、夜の吹雪の中、何も持たずに外へ出て行った。


「ま、待ってよ! あぶないよ、私も……って……」


 いやいやいや、冷静に考えたらおかしい! どう考えてもユキちゃん人間じゃないよね? 魔物というよりかは、雪女であってるよね? あんな格好、人間だったらかちんこちんだよ? 脚綺麗だし、じゃなくて裸足だし!


「でもなんで? 雪女って、人の魂抜いて凍らせて殺しちゃうんだよね? それに、ユキちゃんはそんなことしそうにない……ってゆーか、殺すつもりなら、あんな顔で相談事なんかする?」


 魔物は人を喰い、雪女は魂を抜いて凍死せるというけれど、どちらでもない気がする。 心配だけど、今から追っかけるなんて無理だ、おとなしく待つしかない。 


 消えそうになる火に薪をくべ、ゆらゆらと揺れる炎を眺めていると、ユキちゃんのたべかけの梨が目に止まる。 無表情だったからわからないけど、美味しくなかったのかな? 気になってかじってみると……。


「お、おいひぃぃぃ、梨ってこんなに美味しかったっけ? しゃりしゃり……」


 あう、止まらなくなって、いじきたないことに全部食べてしまった……。


「こんなに美味しいのに表情を変えないなんて! 絶対、変! 変だよね?」


 それだけ辛かったのかな? 父に貰った梨はこんなには美味しくなかったけど、苦労して採ってきてくれたのと、それをほおばる私を見て笑っている父を見ると、自然に笑顔になったっけ……。


「そうかぁ、だからせめて美味しそうな顔(・・・・・・・)で食べようと努力してたんだぁ」


 ユキちゃんの気持ちが少しわかった。 私も同じだ、感謝を込めたうれしい気持ちを見せたいよね。


「ううむ、ユキちゃんの立場で考えたらよくわかるぞ? こんな良いモノ貰ってばかりだと、確かに良いモノをお返ししたいよね……」


 ない頭をフル回転させて考える。 ”冬限定、だれもがぽかぽかする食べ物”んでもって、いつでも渡せそうなモノ……私は目いっぱい考えた。 そうしていないと「父は雪女に殺されたかもしれない」という事が、徐々に頭の中に広がっていきそうだったから……。


「ユキちゃんはそんなことしない! 考えろ考えろ考えろ! 閃け、私の脳細胞!」


………


……



 あれからどれくらい経っただろう? 窓から射す明かりが、夜が明けたことを告げていた。


「朝? いつの間にか眠ってた! ユキちゃんは?」


 慌てて跳び起き、ユキちゃんの姿を捜すと……。 


「ユキちゃん! もう、起こしてくれればいいのに……え?」


 ユキちゃんは帰ってきていた。 私の側で横になっており、側に私の荷物が置かれていてその上には氷で創られたような花が添えられていた。


「これって、氷結の花? ユキちゃんどうし……ちょっと! ユキちゃん?」


 ユキちゃんは横になっていたわけじゃなかった。 身体中傷だらけで、床が血で濡れていた。


「大丈夫……穢れ(けが)は祓ったから、それをもって山を下りて……」


「……ばか! ばかばかばかばかばか! もひとつおまけに、あんぽんたん!」


「ひぅ?」


 どなった私に、一瞬キョトンとするユキちゃん。 そりゃぁそうでしょう? あんなに心配させて悩ませて、そのあげくに傷だらけで”山を下りろ”って言われたら、お姉さん激おこにだってなりますよ!


「なんでおこっているの?」


「うっさい! けが人は大人しくしていなさい! そりゃぁ!」


「きゃぅ!」


 私は荷物から猟師御用達(とくべつ)な傷薬と包帯を取り出し、動けないユキちゃんをひん剥いて手当をを開始した。 背中には大きな爪痕がある。 なんでこんな大怪我を?


「なんで? あの熊に襲われたの? どうしよう、お医者様を呼びに……」


「だいじょうぶ……すぐ治るから」


「んなわけないでしょ! こんなに……って、あれ?」


 軽そうな傷は後回しにしていたが、その傷はもう塞がっていて、痕すら残っていなかった。


「私はヒトじゃないから……」


「……やっぱり、ユキちゃんは雪女で……父さんを殺したの?」


”ヒトじゃない”その現実を見せられて、つい言葉にしてしまった。


「……うん、魂の匂いが同じだったから、あの人たちの子共だってすぐにわかった……」


「うそ、だよね?」


………


……



 ユキちゃんは全部話してくれた。 私たちが恐れていた魔物とは”穢れ”という、生き物の負の感情が集まって自然や生き物に害をなす存在らしく、世界のあちこちにに現れており、ユキちゃんはそれを祓うためにこの山にやってきたのだった。


 ユキちゃんも雪女ではなく、この世界の季節を廻す4人の精霊の一人で、冬の間だけ活動しているという。 数年前の冬にもこの山に来ていた時、そこで「氷結の花」を探して山に入った私の両親と出会った。 私の命がかかっていて、不安と焦りといらだちが穢れを引き寄せ、父は穢れに取り憑かれた。


「その花は、穢れが浄化されて固められた命の結晶……犠牲者の命そのものなの」


「じゃぁ、母さんが命がけで持ってきた花って……父さん?」


 穢れとか精霊だとか、正直信じられない……けど、ユキちゃんが嘘を言ってないって事だけは分かる。だって、ユキちゃんはとっても辛そうな顔をしていたから……。


「守れなかった……ヒトは穢れから守らなきゃいけないのに……」


 穢れは一つではなく二ついて、ユキちゃんは母さんを守っていたが父を守りきれなかった。 心の強かった父さんは穢れに逆らい、自らユキちゃんに討たれ浄化された……私の事をユキちゃんに託して花となったのだという。


「そんなの……ユキちゃんのせいじゃ、ユキちゃんのせいじゃないよ!」


「でも、あなたのお母さんも守り切れなかった」


 残った穢れを食い止め、母さんに花を渡して下山させたが、母さんも、もう一つの穢れに傷を受けていて、吹雪の中無理な下山を行い、村の入り口で力尽きた。 それが真実だった。 


「ありがとう」


 私はユキちゃんを強く抱きしめた……。 子供の頃からの言い伝えや、両親の仇だと思っていた。 でもそうじゃなかった。 ユキちゃんは父さんの魂を救い、再びこの山に現れた穢れを祓い、母の仇も討ってくれたのだ。


………


……



「そっか、ふーちゃん(・・・・・)って名前だったんだね? 勝手に名前つけてごめんね?」


「いいよ、ユキちゃん(・・・・・)って呼ばれるのもなんだか懐かしい気がする」


「じゃぁ、ユキちゃんって呼ばせてもらうね、私はマキ、マキちゃんって呼んでね!」


「うん、ヒトの子と話したのは、マキちゃんが初めてだよ」


「そうなんだ、それは嬉しいかな」


 すっかり傷の癒えたユキちゃんとお話をしながら下山を始めた。 出会った時と比べて、ユキちゃんも打ち解けた会話ができた。 ユキちゃんは人間を怖がっていただけみたいで、上手くしゃべれなかったらしい。 ……まぁ、ちっちゃな子供はともかく、大人は言い伝えを恐れているから、雪山でユキちゃんの姿を見たら逃げるだろうしねぇ? 私もまだ子供だけど、言い伝えをきかされて育ったからねぇ……。


「ごめん!」


「なんでマキちゃんが謝るの?」


「ユキちゃんを怖がっていた頃を思い出して、謝っておきたくて」


「いいよ、今はちゃんと見てくれてるから、ともだちとして話してくれるから……」


「もう、可愛いなぁ!」


「ひゃう?」


はにかむユキちゃんを思わず抱きしめた。 すごく華奢で壊れてしまいそうだ。 


「冬の間、ずっと一人だったんだよね?」 


「うん、だから、マキちゃんと出会えたのは凄く嬉しい。 こんな奇跡もうないかもだから」


「ともだちになるのが、奇跡……か」


 みっちゃんとは、出会ったその日にともだちになって長い、でもユキちゃんは……いつも一人だったんだ、精霊のともだちに会えず、冬はヒトにも嫌われる……辛いよね?


「マキちゃんどうしたの?」


「ん? ああ、なんでもないよ、それでね……」


 分かってる。 安全の為、道案内をしてくれているが、村についたらユキちゃんとはお別れだという事を……。


………


……



「これが……穢れ?」


「うん、正確には、マキちゃんを狙った穢れにとり憑かれたの、マキちゃんは運が良かった」


 それは、私が遭遇した熊の死体だった……ユキちゃんはこれと戦ったんだ。


「そ、そうなんだ……なんかごめんね」


 私は、何か、いたたまれない気持ちになって、冷たくなった熊の死体に手を合わせる。


「冬眠に失敗してお腹がすいていたから、穢れに憑かれやすかった……」


 ユキちゃんも、何もない所から食べ物を取り出し熊の口元に置いていた。


「そういえば、干し柿残念だったね……」


「うん……」


 ユキちゃんの期待していた干し柿は、既に食い荒らされていて、贈り物には出来ない状態だった。村に戻ればまだ買えるかもだけど、ユキちゃんを村に連れて行くわけにいかないし、村についたら私は滅茶苦茶怒られて、納屋に数日閉じ込められるまでが確定する。 何せ、村のタブーを思いっきり破って朝帰りだからね!


「しかたないよ……でも、さっと渡せてぽかぽかするなんてどんな食べ物なの?」


「これ……みんなで食べたら、胸がぽかぽかしたの」


 ユキちゃんが何もない空間から取り出し、私に手渡したのは……銀紙に包まれたヤキイモ?


「ん? ええ? なんで? どうして暖かいの?」


 精霊様だからだとわかっても、滅茶苦茶驚く事ばかりだ……。 何でも秋の精霊様が、毎年みんなで食べるために大量に持ってくるらしい。


「あ、秋の精霊様は変わっているねぇ……」


「うん、あーちゃんは、いつもみんながびっくりするようなことをするし、ヒトの子とも、すぐ仲良くなれるの!」


 秋の精霊様は”あーちゃん”と呼ばれていて、ユキちゃんの話だと精霊様の中でもトラブルメーカーのようだ。 でも……その、あーちゃんの話をするときのユキちゃんは、とても楽しそうだ。 ちょっと妬けちゃうな。


「ほふほふ、あまぁぁぁい!」


「ふふ、まるであーちゃんみたい」


「ほぅほほ(そうなの)?」


 ヤキイモを半分に割って、二人で食べながら歩く……ユキちゃんは笑うとやっぱり可愛い。 また一人になったら、氷のようになってしまうと思うと胸が苦しくなる。


「そうだ! ユキちゃん!」


「なぁに?」


「ユキちゃんが、もし探し物を手に入れられなかったら……これでよしっと!」


 私はふと思いつき、足元の雪を固めて、荷物の中から薬の調合用の小さな赤い実と葉っぱを取り出し取り付ける。


「わぁ……」


「ぽかぽかはしないけど、冬にしか作れないものだよ」


 雪で作った小さなウサギを、ユキちゃんに手渡した。


「そんな事ないよ、とってもぽかぽかする……不思議」


「あーちゃ……いやいや、精霊様たちは良いお返しを欲しいわけじゃないと思うんだな」


「え?」


「多分なんだけど、精霊様たちはね? ユキちゃんが大好きなんだよ!」


「そう、なのかな? 私、面白い事も何も知らないし……」


 ユキちゃんは、もじもじして顔を真っ赤にしている。 ああ、もう! お持ち帰りしたいなぁ!


「だから、ユキちゃんの探し物は焦らなくても、いつかは見つかるよ!」


「ほんと?」


「ユキちゃんの、人のともだち第1号の”マキちゃん”の名にかけて! 絶対! どうしても見つからないってんなら、何年かかってもそれが何かを教えに行くから!」


「マキちゃん……」


 世界は広い、現れて欲しくはないけど、穢れが現れないとユキちゃんとの再会はあり得ないだろう。


「だから……あきらめないで」


 手袋を外し、ユキちゃんに小指を差し出すが、ユキちゃんはこてりと首を傾げる。 ……ゆびきりを説明し、お互い小指を絡める。


「うん……がんばって探してみる……」


「ほんとだよ? ウソついたら……」


ゴツ!


「あう!」


「ユキちゃん?」


 ユキちゃんのこめかみに、石が投げつけられ、鮮血が私の顔に降りかかる?


「マキ! 無事か! 早く逃げろ!」


「え? おじさん? ちがう! ちがうよ!」


 うずくまったユキちゃんに、次々と石が投げつけられる。 私の捜索に来た村の大人たちがここまで来たんだ。


「雪女だ!」

「殺せ! 村に近寄らせるな!」

「マキ! 今助けるぞ!」


「違う! ユキちゃんは! お願いやめて!」


ゴツ! ドカ! 


「ぐっ……! あぐぅ……!!」


 大人たちは興奮していて、私の声が届かない。 このままじゃユキちゃんが死んじゃう! 私はとっさにユキちゃんに覆い被さり、投げつけられる石から守った。 


「マキを操ったぞ! 雪女に魅入られたか?」

「可哀そうだが……一思いに、おい、銃はまだか?」

「もう少しだ! 必ずしとめる!」


 銃迄持ち出してきたようだ。 はは……情けないなぁ、何も知らずに生きていたら、私もこんな風になってユキちゃんに石を投げつけていたのかな? ユキちゃんの辛さが少しわかった気がするよ……。


「マキちゃんありがとう……さよなら……」


「え? まって、ユキちゃん!」


ズズズズズズズ……


 ユキちゃんは私を突き飛ばし、間に氷の壁を創り出した。


ダァァァン! 


 氷の壁に映るユキちゃんの顔に、銃弾が撃ち込まれた。


「銃に恐れをなして、マキを放した! 今だ!」

「逃がすな! 頭と心臓に鉛玉を撃ち込め!」

「よくもマキの両親だけでなく、娘まで喰らおうとするとは!」


「だめ! やめて!……」


 私は、おじさん……みっちゃんのお父さんに抱きしめられ、そのまま連れていかれる。


「ユキちゃん! やだ、みんなやめてよぉぉぉぉぉ!!!!」


 ユキちゃんはその場を動かず、一瞬だけ優しい笑顔を私に向けた……それが、ユキちゃんを見た最後の姿だった……。


………


……



---------------『現在』----------------


「それで? それでどうなったの?」


「……雪女はそのまま山の中に逃げて行ったのさ、女の子のともだちも「氷結の花」で助かって村は元どおりさ……」


ユキちゃん(・・・・・)、しんじゃったの?」


「さぁねぇ、それ以来、誰も見ていないんだよ……」


「かわいそうだよぉ! ユキちゃんわるくないよぉ!」


「ははは、マキ(・・)は良い子だねぇ、その気持ちは忘れないでおくれ」


 可哀そうな雪女の話に、孫のマキは涙を流していた。 優しい子だ。皆こうであればあんなことにはならなかっただろう。 私も村長となって早数十年、言い伝えを良い方向に変えようと努力してきたが、そう簡単にはいかないもんだ。 私自身、何度あの山小屋に出向いたものか……。


 毎年、冬が来る頃に山小屋の手入れをし、冬の野菜などを雪の精霊様(・・・・・)に奉納する決まり事を作り、いつ彼女が来てもいい様に……そう、ともだちと楽しく語らえるような、皆で鍋をつつけるような暖かい場所を維持してきた。 けど、今は山に登る事も出来ないほど老いた。 今は娘夫婦に任せて、家から山を見あげることしかできない。


「雪女はいるんだよ、とってもさびしがり屋の雪女がね……毎年いるとは限らないけどね」


「うん、おばあちゃん。 マキね、ユキちゃんにあいたいかも」


「ほっほっほ、それはどうしてだい? 美味しいモノをもらうためかい?」


「ちがうよ! ユキちゃんのおともだちになって、それで、いっしょにさがすの! まだこまってたら、マキがこたえをおしえるの!」


「……そうかい、そうかい……そりゃぁいいことだ、いいことだよ」


「おばあちゃん……泣いてるの?」


「はは、つい嬉しくてねぇ、でも、雪女の探し物が何か(・・)、それと答えは分かるのかい?」


「う、わからないよぉ……」


「そうかい、じゃぁ、おばあちゃんが教えてあげよう……」


「うん!」


 ちょこんと正座をする孫にそれを伝える。 願わくばこの想いが、あの子に届かんことを願って……。


………


……



「母さん。 今年の奉納してきたよ……って、こら、マキ! またおばあちゃんの部屋に入り浸って!」


 奉納を終えたマキの母親が部屋に入ってくる。


「おかあさん、しー! マキおばあちゃん(・・・・・・・)ねちゃってるの」


「もう、母さん。 ちゃんとお布団で寝ないと身体に……母さん?」


「マキ、お父さんを呼んできて、早く!」


「え? う、うん!」


 村長()の異変を感じ、娘を部屋から遠ざける。


「そう、新たなマキ(・・)に受け継がれていくのね……ふふ、母さんは私が子供の頃から、いつも雪女の話をしてくれたよね? とうとう最後まで会えなかった(・・・・・・・・・)ね……」


 冷たくなった母の手を握り、涙を流す……。


「マキ! どうしたんだ?」


 次期村長となる夫が、部屋に飛び込んできた。


「あなた……母さんが……母さんが……」


「お義母さんが?」 


 村長の娘夫婦によって布団に寝かされた老婆は、ただ眠っているかのようだった。


「村長、長い間お疲れさまでした。 ゆっくりと休んでください、後は俺たちが引き継いでいきます……」


「……いつかきっと、母さんの想いは届くよ、きっと……」



 なんの実りもない季節”冬”に奉納をする村の、変わり者の村長が亡くなった。 彼女は冬の精霊を祀り、娘や孫娘にも自分の名を継がせ、近隣の村々にまで足を運び、冬の精霊を祀る祠や奉納をする習慣が、徐々にではあるが受け入れられていった。 変わり者だが皆に愛され、その最後は実に穏やかな表情であったという……。


---------------『十数年後』----------------


ある冬の日、冬の精霊が山小屋の前に立っていた……。


「まだ残ってた……」


 古い山小屋ではあるが、よく手入れされている様だ。 冬の精霊はそっと扉を開け、中に入る。


 内装は猟師の避難小屋というよりは、祭壇のようになっており宴も出来るように改装されていた。他の場所以上に奉納品もどっさり置かれており、いつでも宴が開始できそうな状態だ。


「ここにも……どうして?」


 少し前から自分……冬や精霊に感謝をささげる様な祠を見かけるようになった。 


「マキちゃん……」


 冬の精霊は、以前にここでヒトの子と出会った。 ヒトは寿命が短い、既に死んで土に還っているだろう。 わかってはいた事だが、再び穢れが発生したこの地で、再会を期待するなど……。


<<だから、ユキちゃんの探し物は焦らなくても、いつかは見つかるよ!>>


「マキちゃん……まだ見つからないよう……教えてよう……」


<<ユキちゃんの、人のともだち第1号の”マキちゃん”の名にかけて! 絶対! どうしても見つからないってんなら、何年かかってもそれが何かを教えに行くから!>>


 冬の精霊の瞳から涙が溢れ、氷の雫となり床に落ち砕けていった……。


<<だから……あきらめないで>>


「会いたいよう……マキちゃん……」


 あの日、探しモノを手に入れかけた瞬間に手から滑り落ちて行った。 それを教えてくれるといったヒトのともだちはもういない。 唯一心を通わせた少女はもう……。


「初めてできたヒトのともだち……最初で最後だったみたい……」


 冬の精霊はその場に座り込み、膝を抱える。 


「マキちゃんの教えてくれた、雪で作ったお返しは、みんな喜んでくれたよ? でも、みんな何故か私のことを心配するの……どうしてかなぁ? ねぇ、どうしてかなぁ……」


 冬の精霊の嘆きに呼応するかのように、雪が降り始める。 かつて、マキと言う少女が山に入ったあの時の様に……。


「探しモノは見つからないんだ……永遠に……」


 探しモノは……その答えを埋め尽くす様にしんしんと雪が降っていた……。


………


……







▼”救いが欲しい”と言うお方のために用意が御座います。











---------------『スペシャルエピローグ』----------------


バァァァァン!


「……?」


 小屋の扉が勢い良く開かれ、氷像のようになっていた私は、瞼をゆっくりと開ける。


「よかった! 今年は(・・・)いました! 見つけました!」


「え……私は夢を見ているの?」


 防寒具に身を固め、大きな荷物を背負ったヒトの子が詰め寄ってきた。 その少女には見覚えがあった。


「初めまして!、私はマキ! ユキちゃんですよね? 私とともだちになりませんか! いえ、答えは聞きません、ともだちになりましょう! 今なりました! 決定です!」


「え? え? ええ? マキちゃん? どうして?」


 テンションMAXの少女は、私の手を掴んでぶんぶんしながらともだち宣言をした。


「さぁ、ぐずぐずしていられません! 鍋です! 鍋にしましょう!」


「……鍋って……ここじゃできないんじゃ……」


 マキちゃん? ……は、てきぱきと鍋の準備を始める。大きな荷物は鍋といくつかの道具だった。


「えっと、あの……マキちゃん……なの?」


「昔死んじゃった、おばあちゃんの願いです! ここで、お鍋を出来るようにしたいって!」


「え? マキちゃんじゃ……ない」


 分かっていた事だった、マキちゃんが生きてるはずがない。 しかし、感傷に浸る間もなく……。


「ユキちゃん! ほら、ボーっとしてない、先ずは昆布で出汁を取ってる間に、ここでこれを……」


「ふぇ? う、うん……」


いつの間にか、マキちゃんじゃないマキちゃんのペースで、お鍋の準備を手伝わされていた。


………


……



「どうですユキちゃん! 我が家秘伝の「冬に作ったからとにかく冬鍋」の味は!」


「はふはふ……あったかくて美味しい……」


「でしょでしょ? おばあちゃんが若い頃に考案した、冬のもの盛りだくさんで作った鍋なんだ!」


「そう、マキちゃんが……」


「はい、何でしょう?」


「あ、そうじゃなくて……」


「あー、ややこしいですよね? 因みに私の母も”マキ”って言います! ”自分がいつ死んでも、ユキちゃんに気付いてもらえるように”って事らしいですよ?」


「ぷ! ふふふ、マキちゃんらしい……」


 あの頃を思い出し、思わず吹き出してしまった。


「あ、やっと笑いましたね? おばあちゃんが言ってた通りです! めっちゃ可愛いです!」


「ええ? そ、そんなこと……」


「で、探しモノの答え……見つかった?」


「そ、それは……」


 マキちゃん(孫)は、真剣な顔になり、私の眼を見る……。


「ヒントは、おばあちゃんがここに遺しているよ!」


「ここに?」


 私は小屋を見渡す……私の為にここを?


「もう一つヒント! 今私がここにいる事です!」


「マキちゃんが……」


「ラストヒント! 鍋はユキちゃんが作れるように、簡単なレシピになってます!」


「マキちゃんが……ずっと私のことを覚えてて、こんなに……」


 胸がいっぱいになって、涙が溢れてくる。 


「こんなに沢山の想いの詰まった、素敵な贈り物を用意してくれていたんだ……」


「答え……わかった?」


 私はこくりと頷いた。


「私の探しモノは”気持ち”だったんだ、良いモノじゃなくていい、素直に相手に喜んで欲しい(・・・・・・)という想いと気持ちが大事だったんだ……」


「はい、ぴんぽーん! 正解です! やったよおばあちゃん! ユキちゃんが答えに辿り着いたよーー!」


 マキちゃん(孫)が両手を上げ、天を仰いで叫んだ。 


「うん……ありがとう……マキちゃん……ありがとう、探しモノ見つかったよ!」


 あーちゃんたちが心配そうにしてたのは、きっと私が”これで本当にいいの?”と不安になっていたのを見抜いたからなんだ、想いと気持ちが先走って、焦りと使命感で贈って、みんなが気を遣っているんじゃないかって……全部、見抜かれてたんだね……。


「さーて、私はそろそろ帰るね、おばあちゃんの仏壇と、お母さんにも報告しなくっちゃ!」


「え……あ、まって、送っていくよ」


「ふふーん、それには条件があるんだけどぉ? いいかな? ユキちゃん!」


「え……?」


 待ってましたと言った感じで、不敵な笑みを浮かべるマキちゃん(孫)、


「おばあちゃんに聞いたんだー、美味しい果物を御馳走してくれるって!」


「うん、いっぱいあるよ? 何がいい?」


 マキちゃん(孫)は、あーちゃんたちに貰った各季節の味覚を、ありえない季節に食べるのが夢だったらしく、美味しそうにほおばってはコロコロと表情を変える。


「ふふ、まるでマキちゃんみたい」


「マキちゃんですとも! さて、そろそろメインデッシュを出してもらおうかな?」


「え?」


「ヤキイモです! ヤ・キ・イ・モ! 二つに割って半分こ! これは外せないです!」


「そ、そうなの? 今出すね……」


 あの時の様に、2人でヤキイモを食べながら下山する。 暫くすると、あの時の様に数人の村人が待ち構えていた……。


「マキちゃん、私はここで……」


 その場から逃げ出そうとした私の手を掴みマキちゃん(孫)は笑った。


「ユキちゃん……よく見て」


「え……」


 村人たちは、全員笑顔で手を振っていた。


「冬の精霊様ー! 山を、村を守ってくれてありがとー!」

「穢れ退治がんばってくだされ―!」

「みんな応援しとるぞー」


 あの時とは違う、みんな好意的に接してくれた……。


「どう? おばあちゃんは”同じ過ちは繰り返さない”ってがんばったんだ、もう大事なともだちを泣かせたりしないってね」


「ひっく……えうう……マキちゃん、マキちゃぁぁぁん ありがとぉぉぉぉ……」


「あらあら、結局泣かせちゃったよ、おばあちゃ~ん」


 日が傾き、暗くなり始める雪山に笑い声が木霊する。


………


……



 冬の精霊は穢れを祓い、暫くこの山にとどまった。 間もなく春になるというその日に、ヒトのともだち第2号との別れをしていた。


「ついにお別れだね、修行の成果を見せる時だよ、ユキちゃん!」


「うん、マキちゃん直伝の”冬に作ったからとにかく冬鍋”でみんなを驚かせる!」


「ファイトだ! 負けるなユキちゃん!」


「うん、私、がんばるよ!」


お互い拳を合わせて笑いあう。


 冬の精霊は山を登っていく……明日には季節が変わり春が訪れるだろう。 暫くすると、ヒトがいない山頂近くの山小屋で、楽しそうな声が響いていた……。





おわり








既にライフワークとなってきた、「季節の精霊シリーズ」の短編、ふーちゃん編になります。4回くらい書き直しても結局こんなに長く……プロットはあったのですが詰め込みたいもの削っても1万文字越えちゃいました……救いのないパターンとそうでないパターンがありましたが、救いのある方に落ち着きました。

時系列的には「あーちゃんは贈り物を持って逃げ出した!」の何年か後になります。

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― 新着の感想 ―
[一言] ハッピーエンドで良かったです。 お鍋最高!
2023/04/27 13:52 退会済み
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