終電
これは、ある大都市の私鉄にまつわる都市伝説…
この日、会社の送別会でかなり飲んでしまった私、自宅に向かう電車に乗ったまでは良かったのだが、酔ったこともあり睡魔に襲われ、電車内で眠ってしまったのだった。
ふと目を覚ますと最寄り駅を通過したところだった。
「しまった…」
私が乗ったのはどうやら急行電車で、私は一つ前の駅で乗り換えないといけなかったのだ。そして、最悪なことに、その駅を乗り越すと次はトンネルと抜けて、別の県まで行ってしまうのであった。
「最悪…」
とりあえず、お父さんに電話をかけると
「わかったから、その駅に着いたら連絡を頂戴」
とのことだった。
そして、私はトンネルを抜け最初の駅に着いた。
「ようやくついたか」
駅を降りて目の前を見ると反対方面向けの最終列車があったのだ。
「奇跡だ:
私は、向かいのホームへ向かって必死に走った。そして、何とかその電車に乗ることができた。
「あー間に合った」
流石にベットタウンから都市圏へ向かう終電とあって人がほとんど乗っていない。しかし、私は乗った後、その電車に何か違和感を感じた。ふと見ると天井には何故か扇風機がある。椅子もいつもの電車とは違うようだった。
しかし、そんなことは構ってられない。だから、私は、家に電話をした。
「もしもし、終電に間に合ったようだから」
「そうか…よかった。駅に着いたら電話頂戴」
「うん」
やがて、電車は出発し、トンネルの中に入っていった。
すると電車の中の証明がチカチカとする。電圧の影響でこういうことはあるから、気にしていなかったのだが、隣の客がぶつぶつとうるさい。
あつい・・・あついよ・・・
サラリーマン風の乗客がぶつぶつとそんな言葉を漏らしている。
あつい・・あついよ・・・
うるさいな・・・とおもってチラリとその人を見ると顔が焼けただれていた。
うあぁあああ!!
思わず悲鳴を上げると、周りにいた客が一斉に私を見た。
その姿を見て、恐怖のあまり私は叫んだ
ぎゃぁぁああああ
そこにはやげどをおったような人たちがいたのだった。
うあ・・
声も出なくなった途端、電車が止まった。そして、電気が切れて真っ暗になった。
な・・・・なに?
すると窓に血まみれの手形が無数にあったのだった。
ぎゃぁああああああ!!
「お客さん!お客さん!!」
その声に私は目を覚ました。その声の主は車掌さんの声だった。
目を覚ました私は、結局、県を越えた駅で降りることになったのだった。
あれは何だったのだろうか?
実は、現在は、新トンネルになっているのだが、旧トンネルではいろいろな事故があったらしい。現在は、旧トンネルは使われていないが、心霊スポットとして湯梅なのだが、まさか、その霊なのだろうか?
実はこの後、駅から出てお父さんに電話をした。
「わかった、今から行く」
駅魔のコンビニで待つことにすると、やがて、店員さんに
「すみません。1時までなんで」
私は、暗くなった駅前、しかも、駅も電気がすっかり消え、寂しい場所で父が来るのを待つことになったのだた。