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俺と彼女と主人公とモブと  作者: しょうこう
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どうするの?

 そんなこんなで、結構話し込んでしまい、いつの間にか閉店の時間になってしまった。俺たちは、お会計を済ませ店を出た。本当は全額出した方が男らしいのだが、いかんせん大学生の一人暮らしの身だ。だからと言って割り勘というのも情けないので、彼女は、いいって、と拒んでいたが、俺が強引に少し多く出した。

 居酒屋の閉店時間なので、もう夜も夜だが、そのお店が少し早かっただけで、終電にはまだ少し早い。俺たちは歩きながら、なんとなく解散の雰囲気も出ていたが、俺は、せっかくのこの機会を逃すまいと、もう一軒行かない?と誘っていた。自分でもびっくりだが、ここは誘わない手はない。彼女も明日の仕事は昼からなので、オッケーしてくれた。この時間からもう一軒行けば、ほぼ確実に終電は逃すが、その時はその時だ。適当にカラオケで時間を潰すか、タクシーで帰ればいい。今ここで別れる方が、俺にとってはつらい。

 俺たちは、今度はもうめんどくさいので、焼き鳥のチェーン店に行った。この辺りは特別都会というわけではないので、朝まで営業はしていないが、この際どうでもいい。俺たちは二件目で、また会話に花を咲かせた。いや、個人的にはもう何を話していいかわからなかったので、満開というわけにはいかなったが、それでも彼女といられる時間を堪能した。

 二時間もすれば、閉店の時間となった。お会計の前に、彼女がお手洗いに行ったので、こんなチャンスはないと思い、ここでの会計は俺が払っておいた。二件目で大した金額にならなかったので助かった。お財布は少し寂しいが、彼女に良い恰好が出来るなら安いものだ。それなら、さっきの店で全額払っておけよ、というツッコミが聞こえそうな気もするが、それはそれだ。それに最初に見栄を張りすぎると、後々自分の首を絞めかねない。ここは、少し背伸びするくらいが丁度いいのだ。これが許されないのなら、この先彼女と付き合っていくことはできないので、ある意味それを確かめるためでもあった。彼女が良い人で良かった。

 店を出る時、彼女はお会計に対して、払うのに~と言ってくれたが、もう払ってしまったので、今更お金は受け取れない。彼女も観念してくれたようで助かった。

 のも、束の間。終電がないので、俺はこの後の行く先がない。それこそこの辺りで空いてる店もないし、さすがに彼女に三件目まで付き合ってもらうのは申し訳ない。

「どうするの?」

「なんとかするさ」

「私の家来る?」

 なんだって?

 おい、もう一回言ってくれ。

 なんだって?

 家?

 嘘だろ?

 もうテンションアゲアゲで、期待していなかったと言えば、正直嘘になるが、でもここで二つ返事はいかがなものか。俺は一回断ったが、正直、お金もないし、どうしようか悩んでいたので、彼女の世話になることにした。本当は、こういう展開なら、俺の家の方がどこか良いような気もしたが、彼女の最寄り駅で、となったところで、その可能性はなくなっていた。まぁそれはそれで仕方がないか。

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