俺と彼女と主人公とモブと
何も変わらない。
何も変わらなかった。
変わってからは、変わらなかった。
あれから、数日が経った。
が、日常に変化はなく、空いた穴はそのままに、日々を過ごしていた。
いや、一つだけ変わったことがある。
それは、以前より、女性が苦手になったことだ。
女性の姿を見たり、女性がいる空間にいたり、そんなとき、動機が激しくなり、胸が締め付けられるように苦しくなった。
後悔の念からなのか、彼女にしてしまったことに対しての罰なのか。
どっちでもよかった。
どちらでも、自分が背負わなければならないことだと思うから。
女性と仲良くなることも、怖くなった。
それでいい。
俺はもう、女性と仲良くなる資格はない。
俺は一人で生きて、一人でそれを終えていく。
俺は主人公ではないから。
誰かに何かを与えるでもなく、誰から何をもらうわけでもなく。
誰もが自分の主人公だと言うけれど、それは違うと思う。
どう足掻いたって、主人公になれない人間はいる。
モブとしてその一生を終える人間だっている。
いや、そういう人間も必要だろうと思う。
たまたま俺がそれだっただけだ。
俺は俺のストーリーのモブで、彼女のストーリーでもモブだっただけだ。
モブはモブなりに、目立たず、誰のストーリーを邪魔することなく、端にいればいい。しゃしゃると、罰が下る。主人公の邪魔をすると、嫌われ、除外される、モブが目立ってはいけない。
ごめんなさい、も、ありがとう、も、言えない。
モブに台詞はない。
内に秘めたまま、それを持ったまま、過ごしていくしか出来ない。
それがモブだ。
そして彼女は、主人公として、この先も華やかに生きていくのだろう。
俺みたいなモブに邪魔されることはあるだろうけど、また違う主人公が彼女の前に現れて、主人公同士が交差する。それが世界だ。
その世界を壊さないために、自分の役割を全うしていくだけ。
さよならも、言えずに。
君は今何をしていますか?
何を思っていますか?
誰と過ごしていますか?
俺はもう君に何も言えないけれど、君と会うことも叶わないけれど、
俺は、
幸せでした。
「―――――」
これでこの物語は終わりです。
特に深く考えず、唐突に始めた物語なので、雑な部分も多くありますが、これはこれでいいんです。
自分ではそう思います。
恋愛モノは、また書くかはわかりませんが、書けたらいいなと思います。
次はもう少し、楽しい内容で。
では、ありがとうございました。
『俺と彼女と主人公とモブと』完結です。




