遠いところで
遠いところで
私が死んだ
誰にも気づかれず
誰も気にせず
草も生えぬ枯れた地面に横たわり
四肢を大地に投げ出して晴天を仰ぐ
過去に馳せる思い出もなく
未来へ巡らせる心残りもなく
ただ
今死ぬのだと
そんな思いを胸に抱き
そっと静かに目を瞑る
そうしてそのまま身は腐り
肉は削げ落ち干からびて
残りは貧相な骨になり
風雨に打たれてそれすら砕け
土に紛れて消えて無くなる
そんな穏やかな
一滴の涙も
嘆き声ひとつもないひと時を
私は一瞬
夢に見た