episode.『08月27日(水)』
体育館で推しのライブ
皆と一緒にご飯を食べて
今は無き校舎で語り合う同窓会
皆には恋人ができていた
僕はさりげなく君にもいるのか聞いてみた
君は手でバツのサインで答えてくれた
17:25には解散
何気ない会話で関係を繋ぎとめる二人はまるで
あの頃に戻ったようで
胸には忘れた感情が戻っていた
※
君の思いなんて知る由もなく
ただずっと一緒にいたい
他の誰にも抱かない感情を
ここ10年で忘れていた
ときめきのようなドキドキを
今更になって取り戻していた
どうして今なのか
それは僕にもわからない
ただ同じ穴の貉の世界で確信した
君の視線を独り占めしたい
僕は何度でも君に恋をする
※
僕はやっぱり君じゃなきゃダメみたいです
君以外とじゃダメみたいです
※
他の人とは上手くやれるだけ
僕の心はそこにはない
上っ面の優しさで
自分の気持ちを見ないふりして
自分に嘘をついていました
過去を隔てるように透明な壁を作り
僕も忘れようとしたけれど
不意に堰き止めた壁がなくなって
あの頃の感情という波が押し寄せてくる
今更僕にどうしろって言うんだ
本当に
※
もし当事者になったなら
ああ、こういう風に冤罪は生まれていくんだなぁって
証拠もないでまかせを鵜呑みにする情弱低能愚か者共を哀れみながらコーヒーを啜る
やるわけねぇだろ
現実的に考えて
そんな人脈が一般市民の底辺THEぼっちにできるわけがねぇ
夢見てんじゃねぇよ
※
だからって俺に何ができるって言うんだよ……。
※
君の夢を見る度
すごく嬉しくなる
同時にすごく辛くなる
絶対に叶わないことだから
その後の喪失感が苦しくて堪らない
それでもまた君に会いたいと希う
※
まず大の大人が言い訳して逃げんなよ
下手なこと言う前に真実を述べろよ
それでどうこう言われようが
それ以外に提示できるものはないんだから
胸張って貫けよ
潔さと誠実さ貫いて
それでもなお言いがかりをつけてくるやつはただの暇人
相手を慮る姿勢さえ張り通していりゃあ
巡り巡って返ってくるさね
※
何を言ってるかはさほど重要じゃない
誰の声で再生してるか
どんなBGMで読んでいるか
それだけで受け取り方は大分変わる
※
君への思いを取り戻しても
君の顔を思い出しても
それは10年前のまま
僕は10年以上前の時間に
思いを馳せ続けている
きっと君はこの10年で様々な出会いと経験を経て
成長して来たことでしょう
そんな中で忘れていくような思い出を
走馬灯のように振り返り続けた僕の人生は
ないものねだりの毎日でした
※
興味のない人の言葉には揺れ動かない
知人の言葉には傷つくこともある
友人の言動に心が躍り
好きな人の全てに一喜一憂する
大人になって得たのは社交辞令で
いつも通りの当たり障りの無さ
友以上の存在とは家族より重く
それが無くなってしまった大人の世界は
誰もいない公園のように物悲しく寂しい
※
決して誰にも言わなかった言葉だ
きっと届けたい人には届くことのない
ただの風に攫われた独り言
そういうものだと思ってください
いつか君のもとへ届くといいな
――誰にも言わなかった思いだ。
それでも僕はここにいたよって、何かを残して死にたかった。
せめて誰かの意味になれたら、この人生にも少しは意味はあったのかなって。
笑って死ねると思ったから――




