episode.『06月12日(木)』
自分でも悲しいと思う
でもきっとそういうものなんだ
僕が一人でいることは
世の理のように必然だったんだ
目に見える形で現れただけ
そこに疑問は抱かず
信じ込むなんてこともせず
ただ受け入れて前に進む
落ち込んでばかりの僕だけれど
縋るように君を求めてばかりの僕だけれど
ちゃんと生きてます
※
僕が合わせるのが下手なのか
君が僕に合わせる気がないからなのか
誰かのせいになんてしたくない
あなたのせいだなんて言いたくない
だから自分が悪いで済ませるんです
もっと上手い立ち回りがあるはずだって
傷ついても傷ついても掠り傷
僕は君と笑いたかったのです
君の笑顔で全部チャラなんです
※
貴方以上なんていないから
貴方が唯一で特別だから
この名この性で生まれ出会い共に過ごした時間は
本当に掛け替えのないものでした
失うということがわかっていませんでした
無くならない永遠のものだと思っていました
でもそれは僕だけでした
自分でも驚くくらい
僕は君たちのことが大好きでした
※
僕を慰める言葉はいらない
一人で泣いて一人で拭う
そうやってまた走り出すのが僕だから
僕は一人で強くなった
人知れず泣いて人知れず強くなった
僕が強い人間に見えたのなら
何も動じない人間に見えたのなら
それはきっと勘違いだ
僕は弱さをひた隠しにしている
自分を騙すためについた嘘でした
――僕の中にいる君との物語は、
きっと、この世界では叶わない夢なんだ――




