episode.『06月04日(水)』
高校の同級生を見かけた
声をかけようと思ったけど
俺はそういうキャラじゃないなって思ってやめた
そういうことよくある
あいつの中にいる俺と今の俺は違うから
受け入れてくれるだろう
変わってないねと言うかもしれない
それでもいつかまた苦渋を舐めることになる
だから人混みに紛れて未来に消えた
※
マシな思い出はあっても
楽しかった思い出は一つもない
退屈凌ぎでしかない
馴れ合うつもりなんてなかったから
友達をつくらないと誓って入った学校だから
入りたくて入ったわけじゃない
妥協の末に選んだ
だからほとんどのやつを見下してたし
カースト上位下位どっちつかずの立ち位置に君臨してた
※
何度も迷った末に吐き出した言葉が
必ずしも相手に刺さるとは限らない
どれだけ相手のことを考えたって
それが相手の望んでる言葉かどうかなんて
どれだけ観察しても
たとえ相手から正解を教わろうと
実際には違ったりする
だからいつも
どうかあなたに届きますようにって
願いを込めて言葉にする
※
鮮明な妄想に耽る毎日よ
※
時にそれが想定に変わる日も来るのであろうか
※
決して自分を高く見積もっているわけではなく
ただ自分は頑張り屋の真面目でも
頑張らない不真面目というわけでもなく
最低限はやっておこうというどっちつかずの人間で
それが普通で
だから世界は自分のような人間が有り体だと思っていた
けれど実際は自分が思っていた以上に想像を下回っていたのです
――現実は、
自分が思っていた以上に冷たかった――




