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episode.『11月03日(金)』
僕は別段、一人が好きというわけではないのです
ただ仕方なく、一人でいるだけなのです
一人でやり過ごすのが上手いというだけなのです
※
君に甘えたくなる度
伸ばした手を引っ込める
喉まで出かかった言葉を飲み込む
壁に凭れ掛かり
覚束ない足取りで遠ざかる
本当は誰よりも君を頼りたい
僕は弱虫だから
それでも強くあろうと
弱い自分をひた隠しにする
本当の僕は何でもできる凄いやつではなくて
やせ我慢と見栄っ張りでできているんです
※
君に見せるのはいつも
かっこいい姿でありたい
明るく笑って
君に元気を分け与えられるような存在でありたい
君にそうしてもらったように
※
責任とは負わされるものだ
逃れようなく責められる対象になることだ
それに比べて自己責任とはいいものだ
なんせ、自ら己に課すのだから
好んで選んだ地位だというのなら
責められてもなんら気にはならんだろう
――誰かといると落ち着かない。
だからこそ僕は、君に拘るのだろう――




