表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
汚濁 ~あなたは絶対に理解できない~  作者: 「S」
January/2023
552/959

episode.『01月22日(日)』



辞めたはずのバイトに呼び出され


1日サボったのにバレずに時給発生


友達の肩の上に仁王立ちして帰る途中


橋ではしごに捕まった5人の知り合いに遭遇


はしごに飛び移ると5人は離れ


はしごはどんどん幅を狭めて安定感をなくす


その後、まどろみ級(建物を壊せるくらい)の技を身に着け妖を倒すと誓う



      ※



きっともう何もかも


全てが手遅れなんだ



      ※



もうわからないんです


自分が誰を好きかなんて


ただ思い出に縋っているだけなんじゃないかって


そうすることで現実から目を背けているんじゃないかって


悩んで迷って葛藤して


開き直って落ち込んで


ずっと同じ思考を繰り返してる


気にしすぎなのか


私の歩いてきた道は常に


曲りくねった一方通行だった



      ※



私は誰の目にも止まらない


まるで誰にも見えていないかのように


すれ違う人を誰が気に掛けるでしょう


誰が心配するでしょう


人混みに君を探すなんて誰がするでしょう


君のいないところで君を思うなんて


きっと私だけ


そして私を


そんな風に思ってくれるなんて日常


君には片時も存在しないのでしょうね



      ※



1分1秒が過ぎていく度


日付が変わって月日が経ち年が明けて


そうやって今が過去になっていくにつれ


記憶が思い出に変わって


段々と思い出せなくなっていく


怖いんです


未来に希望なんて持てるはずもなく


幸せだった過去でさえ頭から消えて


何もない今だけが残る


四肢を捥がれても歩き続ける屍のようで



      ※



わしは知らんと言うくせに


口を挟んでは文句を垂れる


持論ばかり並べて


そんなもん関係ない


だからこうしろ


こう言っているんだからこうしろ


なぜしないんだ


だからどうした


そうやって


どんなに訳を話しても


自分が正しいと


後になって言うんです


関りを持とうとしないくせに


本当に面倒臭いお人です



      ※



意見が正しいか正しくないかなんて


問題じゃないんです


その場にいない人間が出向こうともせず


文句をぶつけている


野次馬と一緒です


耳障りな雑音だ



      ※



僕は色々と影響を受けやすいので


怖いと思ったものが怖くなくなることはなく


好きになったものが嫌いになる瞬間はなく


第一印象が全てなので


どれだけ自然体が素敵か


どれだけ関りを持とうとしてくれるか


興味のない話題でも振ってくれる


それくらい気さくで図々しい人


そんなやつ身近に自分だけなんだ



      ※



いつ消えてもいいんです


誰に気づかれなくてもいいんです


ただそこにあなたの幸せがあれば


それでいいんです


邪な僕なんて


どんなに笑わせようとしても


あなたの笑顔が減るだけですから


後ろ髪引かれながら離れていく僕なんて


振り返ったらもういない


そんな幽霊みたいな類だと思っておいてください



      ※



ずっと傍にいたいと思う


でも迷惑だろうからって遠ざかる


それを許さない人なんて


この世にいないから


さよならを言わない僕が


君にさよならを言ったなら


それが正真正銘


最後なんです


それを最後にしなかった人なんて


後にも先にもいませんでした


最後にしたくないと醜く追いすがったのは僕だけでした



 ――ずっと独り善がり。

  ずっとひとりぼっち――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ